カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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台風20号は27日夕方に伊豆諸島南部を通過

2007-10-27 17:59:05 | インポート

①10月27日12時の天気図 気象庁HPより引用

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②10月27日12時の日本付近雲画像図(赤外) 気象庁HPより引用

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③10月27日15時の日本付近雲画像図(赤外) 気象庁HPより引用

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前記事に続きますが、台風20号は、その後、勢力を強め、移動速度もあげながら北東へ進み、27日夕方には伊豆諸島南部付近に達しています。

このため、伊豆諸島や関東地方、中部地方では雨脚が強まっており、伊豆諸島の三宅島では27日1時~16時までに380㎜もの降水量を観測してますし、伊豆諸島北部や千葉県、静岡県伊豆地方では、27日1時~16時までの降水量が100㎜を超えた箇所も出てきました。

またですが、伊豆諸島八丈島で 42・5m 三宅島で40・3m 大島で31・1m 東京(気象庁のある大手町)でも25・7mの最大瞬間風速(各地とも27日16時までのものです)を観測しました。

ここで、引用図②と引用図③を見比べてください。台風の中心の南西側には、西から晴天域がだんだんと入り込んでいる様子がわかります。さらに引用図①の天気図上での三陸沖から関東南岸に延びる前線の位置が、昨日21時の当該前線の位置(本ブログの前回の記事を参照)と殆ど変化していませんし、本州付近の等圧線の幅が27日になると混みあってきています。

これらのことより、台風20号は 次第に温帯低気圧に変化しつつある(温帯化しつつある)状態といえますし、本州付近では、寒気移流の場となっていること(台風20号が北上しているのに、関東南岸の前線が殆ど移動していませんからね)がいえます。

このような、台風を取り巻く気象状態ですと、台風は、進行方向北側~西側でも風が相当強まるようになります。

これからは大雨もさることながら、関東地方(特に沿岸部や伊豆諸島)や伊豆半島、東北地方太平洋側では、28日未明にかけて北から北東、一部東よりの強風に警戒する必要があります。海上は28日にかけても、うねりを伴って大シケとなるでしょう。


台風20号 27日よるには伊豆諸島へ

2007-10-27 01:35:21 | インポート

①10月26日21時の天気図 気象庁HPより引用

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②10月26日21時の日本付近雲画像図(赤外) 気象庁HPより引用

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③10月27日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

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26日に、南西諸島の南海上で台風20号が発生しましたが、早速、本州めがけて北上してきています。

台風20号は、海水温が比較的高い区域(伊豆諸島近海から本州南海上では、海水温が27℃以上)を通過するため、これから発達しそうですね。

また、本州上空では西より風が強まっており、27日日中から夜にかけて、偏西風上の谷も本州上を通過しそうです。

このため、台風20号は、本州に上陸はしないと私は見ていますが、27日日中から夜にかけて、北東に進路を取って、移動速度を加速しながら伊豆諸島付近へ進んでくるものと予想されます。

引用図②より、台風の進行方向の北東側には、帯状に長々と、白く輝いた雲(発達した雨雲です)が延びています。これは、前線に伴う雨雲ですが、この帯状の雨雲は、27日にはほぼ同じ箇所に停滞し、台風の北上とともに南海上から暖湿流がより一層流れ込んでくるでしょう。さらに、台風の東側には、ひときわ白く輝いた雲の塊(これは擾乱、すなわち、熱帯低気圧の卵ですね。)があり、27日午前中には、各種予想図より、台風20号より一足先に伊豆諸島から関東南岸へ接近してきそうです。

このため、27日は、朝から、伊豆諸島や関東地方(特に沿岸部)では大雨には警戒が必要です。

さらに、台風が速度を上げて北東へ進み、27日夜には伊豆諸島付近へ達しますから、関東沿岸や伊豆諸島、伊豆半島では風(北から北東、伊豆半島や伊豆諸島では東より風となる箇所も)も相当強まり、暴風警報クラスの風速(おおむね陸上で風速20m以上、海上で25m以上)となりますから、風にも充分気をつけましょう!、関東から東海近海、そして、27日午後からは東北地方の太平洋沿岸では高波にも御用心!


低気圧発達 20日は西から寒気入り込む

2007-10-19 23:55:30 | インポート

①10月19日21時の天気図 気象庁HPより引用

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②10月19日21時の日本付近 レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用

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昨日の記事で紹介したように、19日は、低気圧が本州南岸を発達しながら東進し、本州南岸の地域の所々で雨量がまとまりました

引用図②より、19日21時現在、関東南岸と伊豆諸島の一部で雨脚がだいぶ強まっています。

また、日本海にも発達中の低気圧があり、北日本では、千島近海にある優勢な高気圧との間で、等圧線が縦縞に何本も走り、南東風が相当強まってきました。

19日22時現在、北海道の空知北部には暴風警報が出されております。南東から北西方向へ地形的な鞍部となっている北海道空知の深川市付近では、20日朝まで南東の風が風速18m以上に達する見込みですから、警戒が必要です。

20日の本州付近の気圧配置はどうなるでしょうか?

③10月20日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

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引用図③より、引用図①で日本海にある発達中の低気圧は、ほぼ真北へ進み、北日本中心に等圧線の幅は狭まる予想ですね。

引用図③で見られるように、低気圧がほぼ真北へ進路をとる時は、低気圧の前面(東側)のある高気圧の勢力が強く、低気圧の上空10000メートル付近まで低気圧性循環(反時計廻り)の気流の流れとなっているものです。

そして、低気圧の後面(西側)の上空では寒気移流となりますが、前面(東側)上空では、反対に暖気移流となります。よって、20日は、本州付近の上空には、西日本から寒気が流れ込んでくる見込みですね。今回の上空の寒気は、おおむね上空1000mより上側で雪を降らせる程度のものですから、20日は、西日本から中部地方の山々からは、初冠雪など、冬の便りが届いてきそうですね。

また、暖気移流と寒気移流とが交わる 本州中部から東北地方上空では、気流の流れが乱れやすく、この地域を飛行する航空機などは、乱気流に充分な注意が必要です。


19日は西から荒れ模様の天気

2007-10-18 23:58:15 | インポート

①10月18日21時の天気図 気象庁HPより引用

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②10月18日21時の日本付近雲画像図(赤外) 気象庁HPより引用

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本州付近には、西から気圧の谷が接近してきています。

引用図①より、すでに、中国東北部から朝鮮半島付近、そして、九州付近にかけて、南北に延々と、周囲より気圧の低い区域(低圧部)となっており、引用図②より、これらの地域の上空には、やはり南北に、白く輝いた雲が広がっています。

これらのことより、深い気圧の谷が本州に接近していることがわかりますね。

そして、今回、前記した雲の集団の南東方向にある、南西諸島付近の ハ の字型になった雲に注目です。この雲は、雲を発達させる原動力となる、暖かく湿った気流が、南東方向と南西方向からおのおの入り込み、双方収束して、このような雲を発生させたものです。

このことより、千島近海にある高気圧の勢力が優勢で、この高気圧の南縁を廻るように暖かく湿った気流が流れ込み、さらに、南西諸島の南海上から南西風となって、これまた、暖かく湿った気流が流れ込んでいることを示すものですが、前記した、大陸から東進してきている気圧の谷が本州に接近してくるにつれて、南海上より暖かく湿った気流がよりいっそうに流れ込んできますので、この、南西諸島付近の雲の集団は、その勢力を広げて、雲の活動もよりいっそう活発になることが予想されます。

③10月19日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

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引用図③より、前記した、引用図①で南西諸島付近にあった雲の集団は、19日午前中には、四国沖付近に進んで、低気圧として解析されるようになるでしょう。さらに、この、四国沖で発生する低気圧は、本州南岸を発達しながら東進して、19日夜には東海道沖に達する見込みです。

このため、19日は、関東以西の各地では西から雨となり、南岸沿いの地域を中心に雨量がまとまる恐れがあります。また、風も次第に強まり、荒れ模様の天気となりそうです。


本州上で、北からの寒気と南海上からの夏の気団とがにらみ合い。

2007-10-13 11:34:04 | インポート

①10月13日6時の天気図 気象庁HPより引用

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②10月13日6時の日本付近雲画像図(赤外) 気象庁HPより引用

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昨日から、北日本上空には、今秋になって一番の寒気が流れ込み、北海道では平地でも降雪となった箇所もなりました。昨日12日は稚内で、本日13日は旭川で初雪を観測し、13日9時現在までに、最大で1㎝の積雪を観測しております。旭川の初雪は昨年より19日早く、平年と比較しても10日早いものとなりました。

引用図②より、北海道の日本海側には、冬型気圧配置時によく見られる、寒気の吹出しの伴なった筋上の雲が現れている反面、南西諸島の南海上には、太平洋高気圧の縁を廻るようにして流れ込んだ暖湿流に伴う、白く輝いた雲が現れています。

この2つの気団の境目の本州上空には、ほぼ東西に雲の帯が走っています。これは、東北地方上空10000メートル付近には、風速で120ノット~140ノット(毎秒)にもなる、特に風の強い区域が帯上になっているもの、すなわち、ジェット気流 と呼ばれるもので、前記した本州上の東西に延びる雲の帯は、このジェット気流の南の縁に発生しています。

この、ジェット気流は、相異なる気団の境目に発生するもので、ジェット気流の周辺では、乱気流を引き起こす箇所でもあります。航空機の運行には特に注意が必要な箇所ですね。

今後、北からの冬の気団と、南海上の夏の気団との攻防はどうなるか?これには、ジェット気流の位置ですが、この位置を見極めるには、前記した、ジェット気流の南縁にあたる、本州上空の東西に広がる雲の帯の動向に着目する必要があります。