カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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まさに夏のような1日 豊岡と舞鶴で真夏日 東京でも25・8℃

2008-04-30 23:52:32 | インポート

①4月30日15時の天気図 気象庁HPより引用

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②4月30日9時のAXFE578図 日本気象予報士会HPより引用

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③5月1日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

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④4月30日9時のFXFE5782図(4月30日21時と5月1日9j時の上空1500メートル付近の風向風速と気温分布図と上空5500メートル付近の気温と上空3000メートル付近の気流の鉛直分布の予想図) 日本気象予報士会HPより引用

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4月30日は、日本の東海上のある勢力の強い高気圧に、本州付近はすっぽりと覆われて、この高気圧の縁を廻るようにして、南から暖かい空気が本州上空に流れこんできました。(引用図①)

特に、本州内陸部や南より風が本州の山脈を越える際にフェーン現象が発生したため、日本海側の各地で気温が上昇し、京都府舞鶴市と兵庫県豊岡市では、最高気温がそれぞれ30・5℃と、本年初の真夏日を観測しました。

また、東京(気象庁のある千代田区大手町)でも、最高気温が25・8℃を観測し、本年はじめての夏日となりました。

引用図②の下側図より、本州上空1500m付近では、時計と同じ方向(南海上では南東風、本州上空では南よりから南西風)に風が吹き、この風に乗って、南海上から暖かい気流(12℃以上)が流れ込んでいます。日本海西部の広範囲で、朝鮮半島の山脈を南西風が越える際にフェーン現象を発生させて、気温が15℃以上の高温となっていますね。

さて、あす5月1日はどうでしょうか?

引用図④の下側右図より、上空1500メートル付近での気温が、東日本、西日本では30日とほぼ同じですが、引用図③より、北海道の北に前線を伴なった低気圧が進んでくるのに伴い、北海道付近では、おおむね12℃以上、オホーツク海側では山越え気流がフェーン現象を発生させるため、気温が15℃以上と、真夏並みに高くなる予想です。

したがって、本州各地は、5月1日も、各地で最高気温が25℃を超え、特に北海道のオホーツク海側や本州内陸部の一部では、最高気温が30℃以上となる箇所が発生することが予想されます。

皆さん!暑さ対策は万全に、それにしても、ビールがうまい陽気となったもんだ!


これから28日明け方まで、北海道南部や青森県太平洋側では暴風に警戒!寒冷低気圧は後面にも注意が必要!

2008-04-27 23:47:31 | インポート

①4月27日21時の天気図 気象庁HPより引用

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②4月27日21時の日本付近雲画像図(水蒸気) 気象庁HPより引用

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北海道や東北北部の皆さんへですが、引用図①での、日本海北部になる低気圧(上空に寒気を伴っています。)の動向へ注目です!

引用図①より、この低気圧、27日21時現在、北東へ30㎞で移動中ですが、この低気圧の南から南西側には優勢な高気圧が張り出しており、高圧線の幅が非常に混んでいますね。

また、上空に寒気を伴った低気圧は、以前、本ブログでも紹介しましたが、当該低気圧の進行方向東側から南東側(今回の低気圧のように低気圧自体北東へ移動する場合は、北東から東側)に上昇流が卓越し、強い雨雲が出来やすいものですが、逆に低気圧の進行方向西側から北西側(今回の低気圧のように低気圧自体北東へ移動する場合は、南西側から西側)では、下降流が卓越し、雲の切れ間が多くなるものですね。(引用図①と引用図②参照。日本海北部の低気圧の南西側から西側には、乾いた気流が流れこんでいる様子がわかります。これは、低気圧の南西側から西側で下降流が卓越している証拠です。)

今回の低気圧のように、等圧線が非常に混んでいるところへ、下降流が卓越している状態ですと、その地表付近は風が強まるのは勿論、地形的に山越えのおろし風の影響をも受けやすくなるものですね。

これから27日朝まで、北海道南部から東北北部(とくに南西風の山越えおろし風の影響を受ける青森県三八下北地域など、南西から西より風が相当強く吹くでしょう。

すでに、27日22時50分、前10分間平均風速が、青森県八戸で18・8mと台風並みの風速となっています。

27日23時現在、北海道渡島東部、檜山奥尻島、青森県三八下北には、暴風警報が出されています。充分に警戒してください!


東海沖シアーライン上で雷雲発達 愛知県の一部に大雨・洪水警報 大気不安定時は気流収束場所に注意

2008-04-26 13:22:42 | インポート

①4月26日9時の天気図 気象庁HPより引用

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②4月26日9時の東海地方周辺アメダス風向風速分布図 気象庁HPより引用

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③4月26日9時の東海地方周辺レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用

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4月26日は、高気圧が三陸沖へ進んで、かわって、大陸から日本海西部へ低気圧が進んできました。

この低気圧、引用図にはありませんが、上空には寒気を伴っており、本州付近では広範囲で大気の状態が不安定となっています。

特に、引用図②より、26日9時現在、地形的に、静岡県沿岸部では東よりの風がやや強まっていますが、伊勢湾沿岸から三重県熊野灘沿岸では風が弱めで風向も疎らとなっています。

伊勢湾入り口付近から東海沖にかけては、シアーラインが発生しているものと見られ、さらに、引用図①より、三陸沖の高気圧の南縁が、関東南海上で 、等圧線が∪字型となっていますね。高気圧が南海上でこのような等圧線の走向であると、当該高気圧の縁を廻るようにして、南海上から暖湿流が南東風となって流れ込んであると思われ、また、紀伊半島沖からは南西風となって暖湿流を当該シアーライン付近へ送り込んでいることが推定されます、引用図③より、当該シアーライン付近で雨雲(雷雲ですが)が発達している様子がわかりますね。

26日朝から、この発達した雷雲の集団の一部がかかったため、愛知県でが所々で雷を伴なった強い雨が降っており、26日11時現在、愛知県西三河南部と知多地域には、大雨・洪水警報が出されております。

本日のように、大気が不安定で、所々で雷が発生することが予想される場合は、地形的に気流が収束する場所(シアーラインとか、地形的に低気圧が発生する場所)を、地上天気図や、アメダス風向風速データや気温分布データなどで見極めることが重要と私は思っています。なぜなら、地形的に気流が収束する場所で特に雷雲が発達するわけですから。

今後、26日午後以降、長野県周辺に、地形的な低気圧が発生するものと思われます。そして、件の、東海沖のシアーラインは、引用図①で日本海西部にある低気圧の東進に伴い、東海沖も、次第に西から南西風が卓越してきますから、東へ移動し、この付近に発生している発達した雷雲も、次第に東進するものと見られます。26日深夜から27日未明にかけては、このシアーラインは伊豆諸島付近へ移動し、シアーライン上に低気圧が発生する見通しかと思われます。

よって、これから26日午後以降、長野県や山梨県、静岡県では27日明け方まで、伊豆諸島でも26日夜から27日朝までは雷を伴なった強い雨には注意が必要ですね!

関東地方でも、26日夕方から27日明け方まで、西部や北部山間部を中心に雷を伴って、雨が一時本降りとなる天気となりそうです


北海道では真夏の陽気の所も 札幌では観測史上最早の桜開花

2008-04-21 23:19:21 | インポート

①4月21日21時の天気図 気象庁HPより引用

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②4月21日9時のAXFE578図 日本気象予報士会HPより引用

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4月21日は、北日本を中心に、上空まで勢力を広げている優勢な高気圧に覆われたため、各地で気温が上がりました。

特に、最高気温が、空知支庁芦別で26・2℃、旭川で25・2℃と、7月中旬から下旬の、真夏のような陽気となり、札幌でも24・5℃の最高気温を観測して、平年より14日早く、昨年より13日も早く桜が開花しました。

札幌の桜の開花は、本日ですと観測史上最早ということになります。

こうなると、ビール、いや、アイスクリームやかき氷もおいしく感じる1日だったでしょうね。

この、北海道中部を中心とした高温ですが、引用図②より、ここ数日、日本付近を流れる偏西風の流れが著しく蛇行している中、上空5500メートル付近の高圧部が北海道付近に位置し、北海道付近を中心に、上空では下降気流が顕著となり、気温が上昇した(気象学ではこの状態を下降気流による断熱昇温と言います。)ことですね。引用図②の下側図より、北海道付近上空1500m付近の気温は9℃以上となっており、この地域の7月並の気温と言うことになります。

あす4月22日も、本州付近は上空まで勢力を広げる優勢な高気圧に、広く覆われますから、各地で気温が上がりそうですね。


18日は関東や東海で大雨 各地で強風 大雨の範囲は次第に東北へ

2008-04-18 23:56:16 | インポート

①4月18日9時の天気図 気象庁HPより引用

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②4月18日9時のAXFE578図 日本気象予報士会HPより引用

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③4月18日9時の日本付近レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用

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④4月19日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

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4月18日は、上空に寒気を伴なった低気圧が、東海道沖から関東南岸を発達しながら東進してきたため、東海地方から関東地方では大雨となりました。

18日23時までの24時間に、茨城県の花園で191・5㎜の降水量を観測したのをはじめ、東北南部から関東地方、東海地方では、軒並み、前24時間降水量が100㎜を超えました。

また、引用図①より、低気圧の進行方向前側には優勢な高気圧が張り出しているため、東北以西の各地では等圧線の幅が狭まり、強い風が吹き、特に、山形県庄内や新潟県下越地方では局地的に山間部から平野に東から南東風となって吹出す 出し風が強まり、18日午前中、新潟県新津で16・5m、山形県狩川で16mの最大風速を観測しておりますし。中国地方の広範囲で、最大風速が10mを超す強い北よりの風を観測しています。

また、引用図②より、関東地方周辺が、18日午前中、局地的に一時、上空3000m付近で下降流が卓越していた所へ、引用図③より、房総半島周辺で、雨雲が非常に発達して、北東方向へ進みました。この、特に発達した雨雲の通過直後、東京湾岸から千葉県北部、茨城県南部にかけて、局地的に一時、北東から東よりの風が相当強まりました。東京羽田で23m、東京新木場でも21m、また、羽田空港東側沖合い約4キロに設置された、東京灯標の風向風速計(東京都港湾局HPより)では、18日10時10分に、北東の風で風速29mと言った、台風並みの最大風速を観測しています。このため、千葉県市原市で、港湾施設のクレーンが横転する被害も発生しています。

非常に発達した雨雲の隣接地域の上空3000m付近で、下降流が卓越していたり、比較的大気が乾燥している状態であれは、当該発達した雨雲から、隣接する地表付近に扇型に広がるように、局地的に大変強い風が吹くことがあります。(この強い風は、ダウンバースト、マイクロバーストと呼ばれています。)そして、この大変強い風の区域は、時には、当該発達した雨雲の周辺地域に広がり、進行方向前側に、発達した雨雲の移動より先行して帯状に分布することもありますね(これをガストフロントと呼んでいます。)

今回の、東京湾岸を始めとして、千葉県北部、茨城県南部にかけての強風は、この、ガストフロント と呼ばれるものではないでしょうか。?

引用図④より、低気圧の動きは遅く、4月19日になって、ようやく関東沖に移動する予想です。今後、19日にかけては、大雨の範囲は東北地方へと移り、東北地方太平洋側では、暴風や海上の高波に警戒が必要です!

関東地方から中部、近畿、中国、四国地方でも大気が不安定な状態が続きますから、急なにわか雨や雷、突風には注意が必要ですね!