カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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発達した低気圧通過 各地で暴風や大雨 東北の一部では大雪も

2009-01-31 23:48:38 | インポート

①1月31日15時の天気図 気象庁HPより引用

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②1月31日15時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用

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1月31日は、低気圧が発達しながら東海道沖から関東南岸を通過し、本州の東海上へと進みました。

このため、関東沿岸から東北地方太平洋沿岸を中心に暴風が吹き荒れ、宮城県の江ノ島では最大瞬間風速38・7m(最大風速で29・5m)、千葉県銚子で最大瞬間風速33・5m(最大風速で24・5m)と、台風並みの風速を観測しました。

今日のように、低気圧が急激に発達しながら、関東南岸から関東東海上へ進み、東北地方から関東地方にかけて等圧線が混む場合は、南北に開き、南側が広く開けた地形をしている栃木県内でも、北~北東風が以外に強くなるもの。日も、宇都宮では最大瞬間風速で27・1m、最大風速でも18・8mの大変強い風を観測しています。

また、低気圧の通過に伴って本州南岸の地域では大雨となり、千葉県や三重県では24時間雨量が120㎜以上となった箇所が続出しました。

さらに、東北地方の内陸部や北部の太平洋側では大雪となり、24時間の降雪量が各地で30cmを超えました。

引用図①②より、低気圧の進行方向前側にはひときわ白く輝く雲の集団があって、当該低気圧に伴う雲の集団は、全体的に見て、九の字型 もしくは 勾玉型をしており、これは、発達した低気圧に見られる、典型的な雲の分布パターンですね。

明日2月1日はどうなるでしょうか?

③2月1日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

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引用図③より、2月1日9時には、台風並みに発達した低気圧は本州のはるか東海上へ進みますが、北日本から東日本を中心に等圧線が混んで、縦島模様の等圧線分布となる、冬型気圧配置となる予想です。

このため、31日に大荒れの天気だった関東地方では天気は回復しますが、北より風が強いでしょうね。北海道から東北、関東近海では、おおしけが続きそうです。


低気圧が発達しながら本州南岸を東進中 31日にかけて東北太平洋側や関東中心に大荒れの天気

2009-01-30 16:47:38 | インポート

①1月30日12時の天気図 気象庁HPより引用

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②1月30日12時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用

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③1月31日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

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これから、明日31日にかけて、東北地方太平洋側から関東地方を中心に、大荒れの天気となる恐れがでてきました。

引用図①②より、四国沖にある低気圧に対応する雲の集団は、低気圧の北東方向へ、丁度、お椀をかぶせたような ⌒型をしており、低気圧の前面では、ひときわ白く輝く雲の集団があります。

これは、南海上から暖湿流が流れ込んで、この低気圧の進行方向前側で強い雨雲を形成させているのみならず、上空でも、暖湿流が上昇して、北東側へ広がっている様子を表しますが、これは、この低気圧が、今後、発達する兆候をも示しているものです。

引用図③より、31日9時には、低気圧は東海道沖まで進んで 中心付近の気圧が994hpa  と、台風並みに発達する予想です。

低気圧が発達する予想のときは、上空1000~1500m付近の風向風速と、天気図(地上天気図)の等圧線の幅に注意しましょう!

上空1000~1500m付近と地表付近の風向とがほぼ同一で

<1>等圧線の幅が経度5度につき8hpa以上で、上空1000~1500m付近の風速がおおむね13m(25ノット)以上・・・・・強風注意報クラス(海上で風速15m以上)

<2>等圧線の幅が経度5度につき16hpa以上で、上空1000~1500m付近の風速がおむね28m(50ノット)以上・・・・・暴風警報クラス(海上で風速25m以上)

の風速が吹く目安となります。

引用図にはありませんが、あす31日9時以降、上空1500m付近で、東北太平洋側~関東地方沿岸にかけて、北東~北より風で風速50ノット以上になる箇所が予想されて、引用図③より、東海沖の低気圧の周辺から関東近海にかけて、等圧線の幅が経度5度につき12hpa~16hpa、31日21時の予想天気図(引用図にはありませんが)では、三陸沖~関東東部沿岸にかけて、等圧線の幅が経度5度につき16hpa以上となる箇所が予想されます。

あす31日は、関東地方や東海地方では低気圧通過まで大雨の恐れがあり、この低気圧が東進し、関東の東海上へ移動して更に発達するのに伴い、東北太平洋側から関東地方沿岸から伊豆諸島中心に、所によっては、暴風警報クラスの非常に強い風が吹く恐れがありますね。

今後の情報には充分注意してください!


週末は低気圧が発達しながら本州南海上を東進 大荒れの天気

2009-01-29 23:47:45 | インポート

①1月29日21時の天気図 気象庁HPより引用

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②1月29日21時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用

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③1月30日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

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④1月31日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

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これから週末にかけて、日本列島(特に関東以西)では、まさに、大荒れの天気となりそうです。

ただ、風雪が強まる 冬のあらし ではなく 春のあらし と言うほうがイメージ的にはぴったりでしょうね。

まず、引用図①より、本州の東海上には、勢力の強い高気圧がありますが、こういう勢力の強い高気圧の後面は要注意!南から暖湿流を大量に流れ込ませて、雨雲(雪雲)を発達させやすくなります。

引用図②より、本州の東海上の外縁を廻るようにして、南海上から南東風となって暖湿流が九州の南海上に入り込んでいる様子が解ります(刷毛で書いたような線状の雲が本州の南海上に現れていますね。線状雲の走向が暖湿流に流れ込んでいる方向に当たります。)。また、この、九州の南海上では、前記 南東~北西方向と南西~北東方向へ、それぞれ 線状の雲が見られて、双方の線状雲が合流し、ひときわ輝く雲の集団を形成しています。ちなみに、大陸東岸の雲の集団は、上空5500m付近の気圧の谷に伴う(その前面に広がると言ったほうが適切でしょうが)雲ですね。

このように、気圧の谷が西から接近し、南海上から暖湿流が大量に流れ込んでいるときは、当該暖湿流の互いに合流している箇所に注目!こういう箇所では、雨雲が特に発達しやすく、当該暖湿流の合流している北端には、低気圧が発生して、当該低気圧の前面や進行方向南側には強い雨雲を伴いつつ、発達しながら東進するようになります。

よって、今後は、九州の南海上に発生すると見られる低気圧の動向に注目!ですね。

この低気圧は発達しながら、今後、30日から31日にかけて、本州の南海上を東進する予想(引用図③④より)ですか、特に 低気圧の進行方向前側や南側では、降水量が多くなる恐れがあります。

30日は、関東以西の南岸沿い地域を中心に、大雨や強風、海上の高波にはご用心!とりわけ、沿岸部では、内陸部に滞留する冷気と、海上からの暖湿流とが衝突して、局地的に 沿岸前線が顕著に発生しやすくなりますから、沿岸前線の発生位置やその動向にも気をつけましょう!積雪の多い地域ではなだれにも注意されたし!


関東へ北東気流がドンテン??返し

2009-01-28 23:07:09 | インポート

①1月28日15時の天気図 気象庁HPより引用

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②1月28日15時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用

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③1月28日15時の日本付近雲画像図(可視画像で拡大版) 気象庁HPより引用

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④1月28日9時の 茨城県館野の高度3000m付近より下側のエマグラム図 米国ワイオミング州立大学HPより引用。

1月28日は、大きな移動性高気圧が本州付近を覆いました。が、関東地方から見ると、当該高気圧の中心が北に偏っていました。

こうなると、そうです。関東平野には、件の、思わぬ曇天をもたらす、東海上からの東から北東風(北東気流と呼ばれるものです。)が入り込み、一時的に日差しがでた箇所もあるものの、雲に覆われた1日となってしまいました。時より、小雨もぱらついた所もありましたよね。

この、北東気流というもの、本ブログで何度か紹介しましたが、関東地方からは 1・高気圧の中心が北に偏ったり(北緯40度付近より高気圧の中心がある場合)、2・高気圧の中心が東海上へ出て、関東の南東海上あたりで南東風となる場合に、関東平野に流れ込んできます。※前記2の場合は、関東南東海からの南東風が、鹿島灘方面では北からの海流(親潮)となっていますので、風向が東~北東へ変化させられることで発生するものです。

そして、関東平野地表付近では北東~東より風となっていますが、上空1500m以上では西~南西風となっている時(上空1500mより下側での鉛直シアーが大きくなっている)※引用図④を参照 に、背の低い雲lが関東平野上空に発生し、関東平野には、気温の低い気流も流れ込んで、天気を愚図つかせます。

関東平野へ広がる雲の集団は 引用図②ではぼやけていますが 引用図③では白く輝いて見え、雲の背は低いが、雲の密度は濃い(びっしりとして隙間が少ない)ものであることが解りますね。

この北東気流の伴う雲はは、<1>関東平野周辺の上空1500m付近と関東平野の地表付近の気流の鉛直シアーが大きいほど <2>関東平野の地表付近の空気が湿っているほど この2つの条件を満たすほど、発生・発達しやすく、関東平野の天気はより愚図つきます。さらに、関東平野周辺の大気が不安定な時は、当該、北東気流に伴う雲は、帯状に幾重にも、関東平野周辺に発生し、雨や雪を降らせるようになりますが局地的に強い降水や雷などを伴うこともありますから、油断なりません。

また、北東気流に伴う雲は、前記したように、上空1500m付近と地表付近との気流の鉛直シアーが大きくなることで発生・発達しますから、関東平野周辺の山地は超えられません。東京や横浜は曇天になっているのに、山一つ隔てた、山梨県甲府盆地や 静岡県富士川以西では青空が広がる と言うことも珍しくありません。

最後に、関東から見ると高気圧の中心が北へ偏っている状態より関東平野周辺に北東気流発生時は、東海道沖の雲の様子に注目しましょう。関東平野周辺で北東気流が流れこんでいる時は、東海道沖は気流の不連続部分(シアーラインと呼ばれるものです)が、北西から南東方向へ発生しており、定常的に低圧部(雲が発生・発達しやすい場)になっています。引用図②③より、この様子が解りますよね。この低圧部が発生するため、関東平野に北東気流発生時は、伊豆諸島三宅島周辺で局地的に北から北東風が強まることも多いもの。(28日も、三宅島で最大風速北北東16・5mを観測しています。)当該、低圧部が低気圧としてまとまる事もあります。


強い寒気本州上空へ 日本海側では広範囲でまとまった雪 関東平野部でも雪ちらつく 

2009-01-24 23:52:14 | インポート

①1月24日15時の天気図 気象庁HPより引用

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②1月24日15時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用

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③1月25日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

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1月24日は、冬型気圧配置となり、本州付近の上空には強い寒気(今回も西日本上空からですが)が流れ込んできたため、日本海側の各地では軒並みまとまった雪となり、九州北部や西部の平野部でも雪が積もったところも多くなりました。

が、今回の冬型 少々変則的と言えそうですね。

引用図①より、日本海西部と関東東海上に等圧線の凹んだ(低圧部となった)部分があります。また、引用図②より、北海道東海上から関東付近にかけてと、本州に南海上から中国大陸南部には、雲の帯が見られます。

雲画像に詳しい方なら、もうお解かりかと思いますが、本州南海上から中国大陸に延々と延びる雲の帯は上空(10000m付近)のジェット気流に伴う(ジェット気流のすぐ南側に広がる)雲の帯ですが、北海道東海上から関東付近へ延びる雲の帯は、上空5500m付近の気圧の谷に伴う(当該谷の前面の)、上空3000m付近の上昇流が顕著になったため発生した、いわば雲が発生・発達しやすい場へ発生した雲の帯です。引用図①の関東東海上の低圧部は、前記した、上空3000m付近の上昇流と、東海道からの西より風と、関東平野に滞留する気流とが地形的に収束したこととが相乗効果となって発生したと言えます。

このため、24日は、関東平野の各地でもあちこちでちらつき、宇都宮市内では、一時、激しい降り方にもなりましたし、千葉や銚子では初雪を観測しました。

そして、今後は、引用図②の、日本海西部に見られる ⌒型の雲の集団の動向に注目です。この雲の集団は上空5500m付近の気圧の谷に伴うものですが、今後、低気圧としてさらにまとまる兆候のあるものですね。

さらに、引用図②で見られる、冬型気圧配置に伴う日本海の筋状雲の走向は、当該⌒型の雲の集団の南側では、西~東から南西~北東方向へ変化してきており、東北地方南部日本海側で、相異なる走行の筋状の雲が衝突してきています。

このように、冬型気圧配置に伴う筋状雲が衝突する箇所では、大雪となるものですね。

今後、前記した 引用図②での、日本海西部に⌒型の雲の集団は低気圧してまとまって東進し、引用図③より、25日9時には北海道の西に達して、低気圧の中心から延びる寒冷戦線が東北地方日本海沿岸に達する予想です。

これから、明日にかけて、東北地方南部の日本海側では、大雪に警戒!また、全国的に、朝は冷え込みが厳しくなりそうです。