カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
講演依頼等連絡先は、tenki@air.ocn.ne.jpへどうぞ

地震活動が活発!夕方三宅島近海で 夜には宮城県沖で強い地震発生!

2013-04-17 23:09:51 | インポート

4月17日は、日本列島では地震の活動が活発になり、夕方に伊豆諸島三宅島で最大震度5強の地震が、そして、夜には宮城県沖で最大震度5弱の地震が発生しました。

①17日17時57分発生の地震の震央と各地点震度分布図です。気象庁HPより引用・加工

20130417180206395171757

17日17時57分頃、震源地を三宅島近海(北緯34.1度、東経139.4度)とする強い地震が発生しました。

この地震で、震度5強 を 三宅村役場臨時庁舎 で、震度5弱 を 三宅村神着出観測しております。

この地震で、三宅島島内では、ブロック塀の倒壊やがけ崩れ、さらにはテレビや食器の多数が棚から転倒したりした住家があったとのことです(NHK報道から)。

この地震の震源地周辺は、火山が林立している地域で、当該地域は地震が群発しやすいもの。この点、懸念される所ですね。

さらに、

②17日21時03分発生の地震の震央と各地点震度分布図です。気象庁HPより引用・加工

20130417211054395172103

前回の三宅島近海の地震の余韻がさめやらぬ中、17日21時03分には、震源地は宮城県沖(北緯38.5度、東経141.6度)で、震源の深さは約60km、地震の規模(マグニチュード)は5.8と推定される地震が発生しました。

この地震で、震度5弱 を 宮城県涌谷町新町 宮城美里町木間塚 石巻市小渕浜 で観測し、宮城県から岩手県、福島県の広範囲で震度3~4の揺れを観測しました。

この地震は、一昨年3月11日の、東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の余震と見られ、地地下の比較的やや深い箇所で発生した地震でありますが、こういう、東北地方沖の地下深い箇所を震源とする地震というもの、強い揺れの区域が内陸部に局地的に飛び火的に(語弊ある表現ですが)分布し、比較的周期の短い地震波が卓越しやすいことが特徴と言えます。

一昨年3月11日の東北地方太平洋沖地震の本震発生時には、前記したような、宮城県沖の地下深い箇所もあわせて破壊されたために発生した地震波も含まれていたために、宮城県でも内陸部に位置する栗原市築館で、最大震度7を観測しましたが、最大震度観測時の地震波の周期が比較的短周期だったため、栗原市築館では、建造物の共振現象が抑制されて、比較的、全壊家屋が少なかったと言う被害特性がありました。


早朝 近畿地方で強い地震 淡路島で震度6弱を観測 だが、揺れ方が幸いしたか?

2013-04-13 11:52:14 | インポート

引用図は13日5時33分発生した地震の震央と各地点震度分布図です。気象庁HPより引用・加工。

20130413054817395130533

13日05時33分頃近畿地方で強い地震がありました。

この地震の震源地は淡路島付近(北緯34.4度、東経134.8度)で、震源の深さは約10km、地震の規模(マグニチュード)は6.3と推定されます。

この地震で、兵庫県淡路市群家 と 同じく兵庫県淡路市志筑 で 震度6弱を観測したほか

震度5強・・・・・<兵庫県>南あわじ市広田 南あわじ市湊 淡路市久留麻

震度5弱・・・・・<兵庫県>南あわじ市広田 南あわじ市湊 淡路市久留麻 ※震度5強観測地点と同一名称地点ですが、同一町村内で複数の観測地点があるものの思われます。

         <大阪府>大阪岬町深日

         <徳島県>鳴門市鳴門町

         <香川県>東かがわ市湊 小豆島町安田 

を観測し、ほか、兵庫県、大阪府、和歌山県、奈良県、京都府、岡山県、高知県の一部の広範囲にわたって、震度4を観測しました。

13日11時現在、この地震で、重傷者5名、軽傷者13名とのこと ですが、全壊家屋など、住居に大きな被害は出ていない様子です(各報道により)。今後、被害全貌ははっきりするかと思いますが、どうも、NHKニュース内の実況放送などより、比較的、揺れの時間は短く、短周期の小刻みに揺れる地震波が卓越していたように感じました。

こういう地震波の特性で、この地震の建造物の被害は軽減されたのでは?と私は考えています。

建造物に大きな被害を与える地震波の周期は、0・7秒より長い周期が卓越し、かつ、地震の揺れの継続時間が比較的長ければ、建造物に共振現象を引き起こして大きな被害をもたらしますが、今回の地震、この点が満たされず、被害は小さくて済んだようですね。

ただ、この地震の震源が10kmと浅く、震源が浅い地震は余震が多いことが特徴!今後、震源地付近では余震には充分な注意が必要です!


急速に発達中低気圧本州付近を進む 各地で大雨や暴風 大雨や暴風は低気圧のこんな箇所で発生

2013-04-06 23:56:48 | インポート

※記事内風速表示値は毎秒値です。

①4月6日21時の天気図 気象庁HPより引用

13040621

②4月6日21時の全国ウインドプロファイラー風向風速分布図 気象庁HPより引用

20130406210000

③4月6日21時の日本付近レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用

201304062100

④4月7日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

13040609

6日は、低気圧が日本海と本州南岸を急速に発達しながら東進中です。

このため、関東以西の各地ではあちこちで24時間雨量が100㎜を超し、瞬間で30mを超す暴風が吹き荒れています。

低気圧に伴う大雨や強風に見舞われる地域ですが、低気圧の周辺の気圧配置によってここの事例により異なりますが、一般的に共通した特性は以下の通りとなります。(筆者調べ)

まず、大雨ですが、

ⅰ:低気圧の進行方向東側に勢力の強い高気圧がある場合、温暖前線や閉塞前線、寒冷前線の前側周辺

ⅲ:低気圧の進行方向南側に勢力の強い高気圧がある場合、低気圧の暖域部分や寒冷前線周辺

以上、暖湿流が大量に流れ込んでいる箇所となりますね。

続いて 強風ですが、

ⅰ:低気圧の周辺の等圧線が混んでいる箇所

ⅱ・低気圧の閉塞前線の閉塞点や寒冷前線周辺

ⅲ日本海側と太平洋側2つに分かれて低気圧が進む場合 おのおのの低気圧の周辺

となります。

前記した特性の項目ⅰ~ⅲが複数重なる場合は、それぞれ、大雨や強風となる度合いはより一層高くなります。

さらに、大雨に見舞われやすい地域は、暖湿流が大量に流れ込んでいる箇所と言いましたが、

◇暖湿流が大量に流れ込んでいる箇所が、地形的特性で気流が収束しやすい箇所(ア:暖湿流が流れ込んでくる方向に開いた山の斜面にあたる地域や、イ:平地で、内陸部の気流と、海上からの暖湿流とが収束している箇所)

で、局地的に雨雲が非常に発達して、大雨災害を引き起こすことも多くなりますね。

6日21時頃から、前記のような事例イが神奈川中部~東京都多摩東部や23区西部で発生した模様で、当該地域内にあたる神奈川県海老名では、6日22時42分までの1時間に、102㎜もの猛烈な降水を観測しました。

今後ですが、引用図④より、7日9時には、引用図①で紀伊半島沖にある低気圧が更に発達しながら北東へ進んで、茨城県沖に達する予想です。この低気圧の進路と、前記した、大雨や強風になりやすい地域を勘案すると、北日本や東日本では、大雨や強い風には警戒が必要となるでしょう!!


発達中の低気圧関東南岸から東海上へ 関東や東北では降水域の形が個性的!

2013-04-03 11:08:28 | インポート

※記事内風速表示値は毎秒値です!

①4月3日6時の天気図 気象庁HPより引用

13040306

②4月3日6時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用・加工

20130403060000

③4月3日6時のアメダス関東周辺風向風速分布図 気象庁HPより引用

20130403060000_2

                         ↓

④4月3日9時のアメダス関東周辺風向風速分布図 気象庁HPより引用

20130403090000

⑤4月3日9時の日本付近レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用

201304030900

春は日本付近で低気圧が発達しやすい季節ですが、昨日から、本州南岸を低気圧が発達しながら東北東に進んで、今日4月3日6時には、関東南岸へ達して、更に発達しながら関東東海上へと進んでいます。(引用図①)

この低気圧の影響で、関東地方や東北地方、東海地方など沿岸部を中心に、北東~北~北西の大変強い風が吹き荒れて、茨城県の水戸では、8時19分に25・9m(北北東風)の最大瞬間風速を観測しました。

低気圧が関東南岸に達していますが、引用図①②より、日本海にも別の低気圧があり、このて低気圧から南北に延びる雲(雨雲でしょう)があり、この雨雲が今後関東地方や東北地方にも掛かりそうです。

ところで、引用図③④より、関東地方の風の様子に注目しますと、個性ある現状が現れています。関東の沿岸部では、おおむね北東風、内陸部では北~北西風となっており、茨城県から埼玉県南部、千葉県北西部で、この双方の気流がぶつかり、風向の明瞭なシアーラインを形成しています。

これは、関東南岸に低気圧の中心があり、関東の東海上からこの低気圧の中心に向かって吹き付ける気流(北東風)と、関東内陸部から当該低気圧の中心に吹き寄せられる気流(北より風)が、関東平野周辺で発生しているためで、低気圧が発達しながら関東南岸から南海上を通過する際に見られる、関東地方の典型的な風の吹き方でありますが、この際、低気圧が関東南岸から房総半島南東海上へ移動しかけると、沿岸部からの北東風と、内陸部の北~北西風との風向のコントラストの度合いは更に強まる(シアーラインがより明瞭になることです。)と言う特徴があります。(引用図③④を比較ください。)

シアーラインがより明瞭になるということは、当該シアーラインでより一層雲の活動が活発になりやすく、大雨が降りやすいと言うことになりますし、突風や竜巻などにも注意する必要もありますね。

引用図⑤より、3日9時には、前記した、より明瞭になった北東風と北~北西風とのシアーラインが、千葉県北西部から茨城県付近に見られ、このシアーライン周辺で、強い降水域が見られます。(引用図⑤)

このような、シアーラインがより明瞭にあることが原因の関東地方の雨雲の動向ですが、同様な動向は、東北地方太平洋沿岸(関東よりも規模は小さいですが)にも見られます。防災上、看過できないことですね!


関東沿岸は 内陸と海上からの気流との衝突での大雨常襲地帯

2013-04-02 23:54:42 | インポート

①4月2日15時の天気図 気象庁HPより引用

13040215

②4月2日15時の全国ウインドプロファイラー風向風速分布図 気象庁HPより引用

20130402150000

③4月2日15時のアメダス関東周辺風向風速分布図 気象庁HPより引用

20130402150000_2

④4月2日15時の日本付近レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用

201304021500

4月2日は、高気圧が東海上へ移動して、低気圧や前線を含む気圧の谷が西ぁら本州へ接近してきました。

関東地方周辺では、引用図①②より、本州東海上からの高気圧の縁を廻るようにして、暖湿流が南東~南より風となって関東平野周辺へ吹き込んだ所へ、引用図③より、関東平野内陸部には、北より風となっている気流(本州東海上の高気圧からの南東風が関東東海上で気流の影響で東より風に変化し、さらに、この気流が、関東平野内陸部で地面付近の摩擦の影響で北東~北より風へと変化したためでしょう)との間に局地的な前線が伊豆諸島北部付近へ発生、この局地的な前線(沿岸前線と呼ばれるものですが)付近に帯状に強い雨雲が発生し停滞気味となりました。

このため、当該、沿岸前線付近の帯状の強い雨雲が掛かり続けた伊豆諸島の大島では、2日23時までに212・5㎜の降水量を観測。千葉県南部や静岡県伊豆半島でも、降水量80㎜以上と、かなりまとまった雨となりました。

2日の事例のように、高気圧が本州の東海上に移動したあと、関東地方周辺に、暖湿流が南東から南より風となって吹き込みやすく、当該暖湿流が関東平野内陸部の気流との間で局地的な前線(沿岸前線)を発生させて、関東地方周辺では、他の地域よりも一足早く降水を観測するようになります。

関東地方沿岸部(勝浦や水戸、八丈島など)上空1000m付近で南東~南より風が10m以上と強めになる場合、前記した、関東平野内陸部の気流との間に発生する沿岸前線の活動は活発になり、当該沿岸前線発生地域周辺で大雨となりやすくなりますね。

さらに、この沿岸前線発生位置ですが、目安として(筆者調べ)

ⅰ:千葉県沿岸部の館山、勝浦で地表付近東より風の場合・・・・・伊豆諸島北部大島付近に発生

ⅱ:千葉県勝浦で、南東風が10m以上(あるいは勝浦上空1000m付近で南東風おおむね12m以上)の場合・・・・・房総半島中央部から千葉県北東部、茨城県沿岸部に発生

ⅲ:千葉県銚子で地表付近北東風 千葉で地表付近北より風の場合・・・・・千葉県九十九里・外房地区沿岸部で発生 

するようになります。

4月2日の事例もそうですが、この沿岸前線周辺では局地的に大雨となりやすいばかりか、突風や竜巻なども発生しやすいですから、油断大敵です!!