カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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一瞬緊張走る!フイリピン付近で大地震!

2012-08-31 23:39:31 | インポート

引用図は8月31日21時48分フイリピン付近で発生した地震の震央分布図です。気象庁HPより引用・加工

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8月31日21時48分頃、フイリピン付近フィリピン付近(北緯10・9度、東経127・1度)で、地震
の規模(マグニチュード)は7・9と推定される大きな地震がありました。

気象庁からは、太平洋津波監視センターからの情報を基に、岩手県~南西諸島、および、小笠原諸島に、津波注意報を発表されました。※ただ、フイリピン沿岸でも高さ数㎝の津波鹿観測されず、各地に発表されていた津波注意報は、1日未明までに全て解除されました。

東北地方太平洋沖地震に伴う大きな津波被害が記憶にまだ新しいですが、ここで、津波の特徴について、私なりにまとめてみました。

津波は、

◆うねりなどの、通常海上で発生している波の波長より、およそ1000倍もの非常に波長が長いもので、地震発生時の海底の地殻変動を受けて発生・伝播して行きます。(海底の深さが4分の1低くなると、津波の高さは2倍になるます※筆者調べ)

◆地震に伴う海底の地殻変動がより広範囲におよび、当該、地殻変動の量がより大きいほど、当該津波の波高はより高くなりますね。

逆に、

◆発生した地震の規模が大きくても、海底で大きな地殻変動を発生させなかった場合、発生する津波は小さいか、津波自体、発生しなくなってしまいます。

一方、地殻が破壊されて発生・伝播する地震(地震動)の強弱は、地殻の変動量・面積もさることながら、当該、地殻が変動する際の速度によって左右されます。

以上の理由から、厳密に単に地震の規模のみで、発生する津波の高さが左右されるわけではないことになります。


出戻り台風14号 再び先島諸島へ接近

2012-08-28 11:53:38 | インポート

引用図は8月28日10時の気象庁発表台風14号の進路予想図です。気象庁HPより引用。

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8月23日~24日にかけて先島諸島に接近した台風14号ですが、一旦、台湾から香港の沖合いに遠ざかりつつも、進路を反時計回りに取り、再び、先島諸島に接近する恐れが出てきました。

今月23日以降、台風14号と台風15号が、およそ1000km程度離れつつも、南西諸島に接近してきました。台風が2つ以上あると、台風同士、お互いに干渉しあって、複雑な動きをするもの(藤原の効果と呼ばれるものです。)です。この藤原の効果については、本ブログの平成18年10月4日の記事にて紹介していますから、どうか、ご参考ください!(ちなみに、今回の場合、台風14号と15号の2つ同士、追従型と言えるでしょう※台風14号の後を台風15号が合いかける形ですからね。)

引用図より、台風14号、このままの進路ですと、28日夜に先島諸島を通過する予想です。

台風14号は28日10時現在 就寝付近の気圧が970hpa 中心付近の最大風速が35m毎秒となっていますが、先島諸島周辺の海域の表面水温は、引用図にはありませんが、29℃~30℃程度と高く、台風14号は、勢力を維持(場合によっては発達することも考えられます。)しながら先島諸島に接近・通過する見込みですね。

今後、石垣島や与那国島など、28日夜から29日未明にかけて、暴風警報クラス(風速30m毎秒以上)の非常に強い風が吹き、海上では猛烈な時化が予想されます。

さらに、通常、台風の進行方向右側からは、暖湿流が大量に進行方向へ流れ込んでくるものですから、引き続き、四国から九州、南西諸島にかけては所処で強い雨が降り続く状態が続きますし、関東以西の太平洋沿岸では、うねりが引き続き高まりますから、海のレジャーには充分注意してください。


非常に強い台風15号 沖縄本島を直撃か 記録的な暴風や高波 高潮の恐れ!!

2012-08-26 12:01:08 | インポート

①8月26日9時の天気図 気象庁HPより引用

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②8月26日9時の日本付近雲画像図(水蒸気画像で拡大版) 気象庁HPより引用

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③8月25日(昨日)の日本付近表面海水温分布図 気象庁HPより引用

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④8月26日21時の予想天気図 気象庁HPより引用

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全世界(北半球を中心にして)で、地球温暖化が進んで、強い台風が本州付近に接近・上陸しやすいことが指摘されていますが、非常に強い台風15号が、26日9時現在、沖縄本島の南東海上にあり、北西へと進んでいます。

引用図①②より、台風15号に伴う雲の集団は、はっきりと、幾重にも螺旋状に連なり一つの渦巻状になっています。さらに、台風15号の中心付近ですが、目がはっきりとしていて、当該、台風の目の外縁部には、ドーナツ状の雲の集団がくっきりと移っています。

台風がこういう雲画像の画像で表現されることは、特に、台風自体、中心付近の気圧が低く(930hpa以下の台風の典型的な画像ですね。)、これに対応して、中心付近の最大風速も猛烈に強い(風速50m以上)になる状態を示すものです。

この台風15号、如何に勢力が強いものであることが伺えますが、引用図④より、台風15号の進行方向である沖縄近海では、表面海水温はおよそ29℃程度と高くなっています。

台風の進行方向周辺の表面海水温が27℃であれば、当該台風の勢力は維持されると言う目安(筆者調べ)があります。

この台風15号、引用図④より、26日夜には、沖縄本島へ再接近する予想と見られますが、今後、沖縄本島に再接近するまで、間違いなく現状の勢力(中心付近の最低気圧910hpa 中心付近の最大風速50m毎秒)を維持、場合によっては、より発達する可能性も考えられます。

各記章官署の最低気圧を調べてきましたが(気象年鑑より)

1位・・・・・沖永良部島(鹿児島県) 907・3hpa(昭和52年9月9日 沖永良部台風)

2位・・・・・宮古島(沖縄県) 908・1hpa(昭和34年9月15日 宮古島台風)

3位・・・・・室戸岬(高知県) 911・6hpa(昭和9年9月21日 室戸台風)

となっていますが、どの台風も、風害や高潮害など、甚大な被害を伴っています。

ちなみに台風15号の通過が予想される沖縄本島の那覇では、歴代最大風速(10分間)が49・5m毎秒(昭和24年6月20日) 最大瞬間風速が73・6m毎秒(昭和31年9月8日)となっており、当該記録を上回る暴風が吹く恐れも十分にありますし気象官署の最低気圧に匹敵する最低気圧を沖縄本島の気象官署で観測する可能性が大きそうです。

すでに、26日10時30分現在、沖縄本島の那覇空港では、瞬間で30・1m毎秒 平均でも20m毎秒を観測しており、飛行場台風警報が出されて、朝から、閉鎖状態となっています。

これから、沖縄本島を中心として、久米島や奄美地方など、暴風や高波、高潮には最大級の警戒を!! 大雨にも厳重な警戒が必要ですね!!


本州内陸部中心に猛烈な暑さ!関東では海陸風のさじ加減で沿岸部でも猛暑!

2012-08-17 23:39:04 | インポート

①8月17日15時の天気図 気象庁HPより引用

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②8月17日15時の日本付近雲画像図(水蒸気画像で拡大版) 気象庁HPより引用

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③8月17日15時までの全国最高気温分布図 気象庁HPより引用

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8月17日も、本州内陸部中心に猛暑に見舞われました。

最高気温は 群馬県の館林で38・0℃ 岐阜県の多治見で37・4℃ 大阪府の豊中(大阪空港)や山梨県甲府で37・3℃ を観測したほか、京都府や大阪府埼玉県の一部では37℃以上を観測しております。

関東に目を向けると、日中、高温になりやすい内陸部のみならず、東京や千葉などの沿岸部でも猛暑日を観測したことが特筆です。

東京(気象庁のある千代田区大手町)で 35・7℃ 千葉で35・4℃の最高気温を観測して、東京では本夏3回目の猛暑日を観測しました。

東京や千葉、横浜などの関東地方沿岸部では、通常、日中、海陸風が顕著となり、南~南東(一部では南西風)が卓越しますが、総観場の気圧配置の関係で、日中、海陸風が比較的弱まる場合、最高気温が上昇しやすくなります。

17日10時~15時までの東京(気象庁のある千代田区大手町)の気温と風向風速の実況値を紹介しますと(気象庁HPより引用)

10 時 気温 33.0℃  風向風速 北東 3.1 m毎秒
11 時 気温 33.4℃  風向風速 東 2.1m毎秒
12 時 気温 33.9 ℃ 風向風速 東北東 2.5 m毎秒
13時  気温   34.9℃   風向風速 東南東 2.6 m毎秒
14 時 気温 35.3 ℃ 風向風速  東 3.1m毎秒

となっており、海陸風は顕著となっていません。引用図にはありませんが、当該時間帯、千葉でも東~北東風が卓越しており、当該風向は、陸側から海側に吹く気流で、海陸風が弱まっている証拠です。

当該、関東南部沿岸部で、日中、海陸風が弱まる気圧配置の場合、本州の東海上に優勢な高気圧があったり(引用図①③)、本州中央部が高気圧にすっぽりと覆われる気圧配置や、上信越や中部山岳を吹き降りる気流(大阪の気圧≧東京の気圧)が卓越となりますね。

関東沿岸部(特に南部)では、日中卓越する海陸風が、幾ばくの気温上昇を抑制させる作用があると言えるでしょう。


近畿東海中心豪雨!! こういう箇所でも雨量多くなります!!

2012-08-14 13:05:02 | インポート

①8月14日6時の天気図 気象庁HPより引用

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②8月14日6時の日本付近雲画像図(水蒸気画像で拡大版) 気象庁HPより引用

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③8月14日6時の全国ウインドプロファイラー風向風速分布図 気象庁HPより引用

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④8月14日6時の近畿地方周辺アメダス風向風速分布図 気象庁HPより引用・加工

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⑤8月14日6時の近畿地方周辺レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用・加工

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8月14日は、引用図①②③より、日本海から本州付近へ前線が南下して、この前線に向かって南~南西風となる暖湿流が大量に流れ込んできましたので、東北~九州にかけての広範囲で大気が不安定となり、あちこちで大雨となりました。

特に、近畿地方(中部)や東海地方の一部では、14日未明から朝にかけて、所によっては1時間に70㎜~100㎜もの猛烈な雨となり、1時間降水量で、大阪府の枚方では91・5㎜ 静岡県の掛川では86・5㎜ 京都府の京田辺で78㎜ 大阪府の茨木で72㎜の降水量を観測しています。

本ブログ内の記事で、これまでも、暖湿流流入時において、特に降水量がまとまりやすい地域として、

一般的なⅰ:暖湿流の流れ込んでる方向に地形的に開いた斜面沿い 

のみならず、

ⅱ:暖湿流の流れ込んでくる方向へ分布する地形的な鞍部に沿っての地域 

も指摘させていただいておりますが、特に、このⅱの地域内で、地表付近から上空3000m付近との間に、風向・風速の明瞭なコントラストがあると、とりわけ当該地域内で雨雲が非常に発達し、降水量がより多くなると言った特性があります。

前記した地表付近から上空3000m付近との間に、風向・風速の明瞭なコントラストが派生する要因は、◆海陸風の内で夜間から明け方に発生する、内陸から海岸に向かう気流が発生する作用も大きなもので 、◆地形的に海が陸地に入江状に入り込んでいる地域 で頻繁に発生します。

今回の、近畿地方(中部中心)の豪雨ですが、まさに、前記した特性が見られます。(引用図③④⑤より)

前記した原因で発生している大阪府北部~京都府南部にかけて広がる、帯状になった非常に発達した降水域が掛かり続けた大阪府枚方や京都府京田辺では、14日12時までに24時間最大で150㎜~200㎜程度もの降水量を観測してますが、当該非常に発達した降水域から少々外れた大阪府生駒山では、同じく14日12時までの24時間降水量の最大は107・5㎜、南西方向におよそ30㎞離れた大阪では、同じく14日12時までの24時間降水量の最大は41・5㎜と、局地性が非常に大きくなっていますね。