カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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29日は春爛漫の陽気 ただし花粉にはご用心!

2008-02-28 23:54:36 | インポート

①2月28日21時の天気図 気象庁HPより引用

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②2月29日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

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ここ数日、本州付近は冬型気圧配置が強まり、各地で真冬の陽気となっていましたが、天気図上には春の兆しが見えてきました。

引用図①より大陸にある高気圧の一部が本州の南海上へ張り出してきて、本州上では等圧線がほぼ西~東へ走ってきました。等圧線も本州付近で混んでいます。

こうなりますと、本州上空の気流の流れが西から北西となり、風も強いのが通常で、この西よりから北西風が中部山岳でぶつかって北側と南側に分断されて、この結果、中部山岳を吹きありる気流が山越えのフェーン現象を発生させて、特に、関東平野各地と、山梨県甲府盆地周辺や、静岡県静青平野周辺の気温を特に上昇させることになります。

29日の各地の予想最高気温

静岡で16℃  三島、甲府 東京などでは15℃と 桜が咲く頃の、まさに春爛漫の陽気となりそうです。

また、29日は西よりから南西風が強めに吹き、晴れる箇所が多いですから、西側に山地がある地域では、そうです。花粉が大量に飛散しそうですね。特に、関東平野では日中南西風が吹き込み、内陸部では、山地に向かう風(海陸風)も発生しますので、内陸部ではことのほか飛散した花粉が澱みやすく、花粉飛散量はとりわけ増大しそうです。

よって、29日は、この、花粉大明神の我が物顔の立ち振る舞いにはご用心あれですね。

マスクやうがい、目薬など欠かせません。また、洗濯物を取り込む時や外出から帰宅の際には、衣類をよくはたくことも重要なことです。


26日は各地で荒れ模様の天気 関東沿岸では暴風も

2008-02-26 00:30:35 | インポート

①2月26日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

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②2月25日9時のFXJP 854図(25日21時,26日9時,26日21時,27日9時の日本付近上空1500m付近の風向風速図と相当温位図) 日本気象予報士会HPより引用

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③2月27日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

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今年の冬は、冬型気圧配置が強まりやすく、大雪や強風の災害が頻繁に発生する年ですが、一方、その冬型気圧配置が長続きせず、本州付近を低気圧が何度か通過し、そのたびに、本州南岸の各地域でも、雨や雪となることも多いのが特徴です。

26日は、低気圧や前線を伴なった気圧の谷が、西から本州付近を通過する予想です。

特に、引用図①で、26日9時に九州の西に進んでくる前線を伴なった低気圧は、今後、発達しながら本州南岸沿い(と言っても陸地近いところですね)を通過し、引用図③より、27日9時には北海道の南東海上へ移動して台風並みに発達しそうですね。

また、引用図②より、本州の南海上から、前記した、本州南岸を進むことが予想される低気圧に向かって、南海上からの暖気移流が強く、引用図②の下側左図より、26日21時には、関東沿岸上空1500m付近では南西風で50ノット以上と相当強まりそうです。

前記した、前線を伴なった低気圧は、26日夕刻から夜にかけて、東海道沿岸から関東地方南部(神奈川県から東京23区付近を通り、茨城県周辺へと通過するでしょうね。)を通過しそうですから、関東以西の各地は、一時的に強い雨や雷、強風と言った荒れ模様に天気となりそうですね。※この低気圧の進行方向南側を中心に南西風が強まるでしょう。

特に関東沿岸から伊豆諸島では、南西風が非常に強まり、所によっては暴風警報クラスの風速となりそうですから、海上の高波と併せて、充分に注意してください!


24日の富山湾の高波(寄り回り波)について

2008-02-25 22:30:25 | インポート

①2月24日12時の天気図 気象庁HPより引用

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②2月24日9時のAWJP(日本付近波高 波走向 波周期図) 日本気象予報士会HPより引用

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本ブログご覧の複数の方々より、私宛メールアドレスに、24日の富山湾高波について解説のご要望をいただきましたので、記事にいたしました。

今回24日の富山湾高波は、地元では「寄り回り波」と呼ばれているもので、日本海で発生・発達し、南よりに進んできたうねりが、海底が急峻で遠浅ではない富山湾の海底地形を反映して、うねり同士が屈折して、局地的に(富山県東部が中心となりますが)うねりの波高が高まったものと推測されます。

この、富山県(特に東部ですが)の「寄り回り波」、過去にも何度か発生し、人的被害を含む大きな被害を発生させています。

引用図①より、等圧線の走向からして、日本海では、北海道の西から能登半島東沖にかけて、北より風が強まっており、この強い北風の範囲も長距離に及んでいることがわかります。

通常、は 

1・海上の風が強い 2・強い風の区域が同一方向に長距離に及んでいる 

この2つを満たすと、波高は高まり、波自体のエネルギーも増大し、比較的周期の長い波が卓越して、こういう周期の長い波は、あまり衰えることなく、長い距離を伝播するようになります。

そして、波が海底の浅い箇所へ差し掛かりますと、海底に接する波の部分が摩擦で伝播速度が遅くなり、上側に盛り上がり、ついには、その波の盛り上がった箇所が崩れて、我々が海岸でお目にかかる、磯波となるものですが、波の周期が長いほど、磯波となる波の高さは増大するものですね。

また、富山湾のような、海底が急峻で遠浅でない海底ですと、波が海岸付近に接近すると、伝播速度が低下する部分とそうでない部分とのコントラストが大きくなり、ちょうど、スキーのエッジを切ったような理屈で、波が屈折し、その結果、波高が急激に高まる箇所が発生するようになります。

これが、今回の、「寄り回り波」発生の理屈です。

引用図②より、日本海中部から能登半島東沖にかけて、波高が8m以上、波の周期が13秒以上の部分が、南より方向へ伝播していることがわかります。富山県沖では、波高が6m程度と見積もられますが、前記した、波の屈折がある箇所ですと、このAWJP図表示よりも、1・5倍から1・7倍程度高まるものです。

よって、今回、「寄り回り波」が発生した富山県東部周辺では、局地的に、波高が10mを越えていた箇所もあったのではないでしょうか。?

この富山県の「寄り回り波」のように、波が屈折し高まりやすい箇所が、日本列島には何箇所かあります。いずれも、沖合いからの波の走向が、海岸線に平行な状態と垂直な状態とが重なっている箇所で特に波は高まりますね。

1・北海道襟裳岬周辺 

2・静岡県由比海岸周辺

3・高知県室戸市周辺

といった箇所です。

前記した。2の静岡県由比海岸周辺では、北西~北北西へ進んでくる波が特に高まりやすく、この付近を通る東名高速道路など、高波の影響で通行止めとなることもしばしばありますし、3の高知県室戸市周辺では、平成16年10月20日の台風23号接近で、推定17mの大変高い波高のうねりが襲来し、死者12人を出す大災害となった事例があります。


強い冬型 各地で強風 名古屋や関東北部平野部でも積雪も

2008-02-24 16:53:25 | インポート

①2月24日12時の天気図 気象庁HPより引用

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②2月24日9時から15時までのウインドプロファイラー熊谷時間高度断面図 気象庁HPより引用

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③2月23日21時のAXFE578図 日本気象予報士会HPより引用

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④2月24日9時のAXFE578図 日本気象予報士会HPより引用

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24日も本州付近は強い冬型気圧配置で、北日本中心に本州上空には強い寒気が流れこんで日本海側では軒並み大雪となり、各地で強風が吹き荒れました。

24日15時までに、白河で34・0m 三宅島で30・6m 釧路で30・4mの最大瞬間風速を観測jしたほか、東京(観測地点が千代田区北の丸公園科学技術館屋上)でも、最大瞬間風速26・4m 10分間の平均風速でも最大で14・2mの大変強い風を観測しています。

引用図②③を比較していただきたいのですが、23日21時現在 山陰沖と本州中央部、それに能登半島北西沖に指数200以上の正渦度(斜線表示部分)があり、東海地方や関東地方では、正渦度移流流域の場となっています。これに対応して、23日深夜から24日朝にかけて伊勢湾岸周辺や関東北部の平野部にも日本海側から雪雲が流れ込み、積雪となった箇所もありました。

特に、冬型気圧配置でめったに積雪とならない埼玉県北部から栃木県南部、群馬県南部平野部でも積雪となり、所によっては積雪が5cm以上となり、鉄道などに遅延も発生してしまいました。

⑤2月24日3時の関東周辺レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用

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冬型気圧配置時で発生する降水雲の盛弱を決定ずけるものとして、1・上空の寒気 2・季節風の強さですが、3・上空(5500メートル付近)で正渦度移流流域に入っているか?も重要な点であることがわかります。

さらに、引用図③④の上側より、23日21時には東北地方日本海側上空にある負渦度が全前面の正渦度部分に割り込むように南東方向へ移流してきて、24日9時現在、関東地方上空5500メートル付近が渦度0線(上空の特に風が強い部分です)がかかっています。

以前、このブログでもお話しましたように、上空5500メートル付近が渦度0線がかかると、関東地方では、北部や西部のある山地を越えるえる山越えのおろし風が強まりやすく、関東平野一帯で強風が吹き荒れるようになります。このような時は、下層(おおむね上空1000mより下側)の風速が強まるという性質があります。※引用図②を参照ください。

関東地方各地の強風は、この、山越えのおろし風によって引き起こされたというわけですね。


23日は春から一気に真冬に逆戻り 24日にかけて大荒れの天気

2008-02-22 20:08:06 | インポート

①2月22日15時の天気図 気象庁HPより引用

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②2月23日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

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③2月23日9時のFXFE5782図(22日21時と23日9時の上空1500メートル付近の風向風速と気温分布図と上空5500メートル付近の気温と上空3000メートル付近の気流の鉛直分布の予想図) 日本気象予報士会HPより引用

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④2月23日9時のFXFE5784図(23日9時と23日21時の上空1500メートル付近の風向風速と気温分布図と上空5500メートル付近の気温と上空3000メートル付近の気流の鉛直分布の予想図) 日本気象予報士会HPより引用

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⑤2月24日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

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22日は、関東から西の各地では、まるで春を思わせる陽気となりました。

静岡では、最高気温が18・5℃を観測したほか、関東地方や甲信地方、西日本の一部では15℃を超えたほどです。

しかし、引用図②③より、大陸には強い寒気が控えており、この寒気が明日以降、日本列島上空に流れ込んできそうです。

日本海側では朝まで、太平洋側の各地でも昼過ぎから夕方には、上空に寒気が流れ込んできますから、ぐっと気温が下がってきそうです。※引用図②③より、寒気移流と暖気移流のコントラストや上昇流(引用図②③の島線の部分)の強さから見て、引用図①には表現されていませんが、朝鮮半島付近に低気圧が隠されており、この低気圧が次第に天気図上ではっきりして、23日には急激に発達しながら秋田沖に進んで、さらに発達を続けながら東進し、24日9時には、北海道の南東海上へ進む見込みです。

さらに、引用図③の下側より、本州付近の上空1500メートル付近では22日21時には北海道東部や北部では北東から東より風ですが、他はおおむね北西風で30ノット以上、北日本や伊勢湾上空周辺では50ノット程度と予想され、24日9時には来た日本や東日本周辺では北西風でおおむね40ノット以上、一部では50ノット以上と予測されるほどです。24日は、東北南部から関東付近で、下降流の指数が90以上と高まっていますね。

これらのことより、明日23日は、北日本では太平洋側を含めて大雪や暴風、ふぶきや海上の高波には警戒が必要です。また、北陸以西の日本海側でも、次第に雪となり、北陸地方周辺では23日夜には雪が強まる恐れもありますね。

あさって24日も、北日本や東日本かけては、相当な強風(北西~北より風、一部で西より風)となり、暴風警報クラスの風速となる所もありそうです。強風による交通障害や、海上の高波にも充分に注意してください!