①4月28日9時の天気図 気象庁HPより引用
②4月28日9時の全国ウインドプロファイラー風向風速分布図 気象庁HPより引用
③4月28日9時のアメダス関東周辺風向風速分布図 気象庁HPより引用
④4月28日22時10分現在 全国24時間雨量最大値 気象庁HPより引用
昨日の記事の続編となるようですが、大雨の範囲は、28日には、東日本や北日本へ移りました。
24時間降水量は、静岡県の天城山で300㎜を超えたのをはじめに、岩手県や福島県、」茨城県、神奈川県の一部で100㎜以上となりました。東京(気象庁のある千代田区大手町)でも88㎜の降水量を観測しました。
引用図④より、特に降水量が多かった地域は、東日本や北日本では、(天城山を除いて、というより、天城山もすぐ東側が海ですからね)山地と言うより、、山地と海岸線との中間に位置する平野部で、帯状に分布している様子が判ります。
このことは、昨日の本ブログ記事の、ⅡとⅢが同時に発生した賜物であると考えます。
引用図②より、上空1000mの風向風速は、北日本や東日本の沿岸部で南南東でおおむね20m以上と非常に強めですが、関東地方内陸部に着目しますと、風速は10m未満と弱めて、風向は南東となっていますね。関東内陸部上空と沿岸部上空とで風向、風速の不連続部分(シアーライン)があることが判ります。
更に、引用図③より、関東周辺の地表付近の風向風速の様子ですが、28日9時現在神奈川県や千葉県の海岸沿いで南東風が10m以上と強まっていますが、埼玉県西部や北部、栃木県、群馬県と言った内陸部ではおおむね風向は北東~北~北西と疎らで、風速は一部で5m以上とやや強まっているものの、概して風速5m以下と弱めで、丁度、帯状に降水量が多くなっている神奈川県から東京23区にかけて、やはり、風向風速の不連続部分(シアーライン)が明瞭になっております。この、関東内陸部の気流の状態は、地形的に、相対的の気温が低い気流が対流しているためです。
今回の事例のように、関東平野では、海上から南東~南より風が吹きつける時には、内陸部の地表付近~上空1500m付近には、相対的に気温の低い気流が対流しやすいもの。当該、相対的に気温の低い気流と海上から吹きつける気流との間で、シアーラインを形成して気流が収束し、帯状に降水がまとまることは、定石と言ってよいでしょうね。