カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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26日未明 東北はるか沖合いで大きな地震 一時 津波注意報も!

2013-10-26 12:37:07 | インポート

①26日2時10分頃発生した地震の震央と各観測地点震度分布図です。気象庁HPより引用・加工

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②26日2時10分頃発生した地震を受けて発表された津波注意報発表地域表示図です。気象庁HPより引用。

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26日02時10分頃、福島県沖(北緯37.2度、東経144.6度、牡鹿半島の東南東290km付近)を震源地で、震源の深さは約10km、地震の規模(マグニチュード)は7.1と推定されル、大きな地震がありました。

この地震で、宮城県、福島県、茨城県、栃木県の一部にわたる広範囲の地域で、震度4を観測しました。

気象庁より、この地震の発生後、岩手県沿岸 宮城県沿岸、福島県沿岸、茨城県沿岸、千葉県九十九里・外房に津波注意報が出されて、福島県相馬港や岩手県久慈港では、40cmもの津波を観測しましたが、その後目立った潮位の変化は無く、26日4時過ぎには、津波注意報は全て解除されました。

この地震は、一昨年3月の東北地方太平洋沖地震の余震と見られ、震源の位置から見て、どうも、日本列島の下側に沈み込む太平洋プレートのうち、日本海溝より東側の部分の上部が引きちぎられるような破壊をしたことで引き起こされた地震(正断層系の地震)と見られます。アウターライズ地震と呼ばれるものです。

このアウターライズ地震、今回の地震のように、比較的周期の短い地震波が卓越します。さらに、アウターライズ地震の地震波は、本州上には、本州の地下深くから地震波がやってくる形となるため、本州の脊梁山脈に並行した地形的鞍部に当たる地域で揺れが大きくなること と、大きな津波を引きおこしやすいことも特徴といえるでしょう。


台風接近時 こんな所でも雨雲強まる 

2013-10-24 22:43:51 | インポート

①10月24日12時の天気図 気象庁HPより引用

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②10月24日12時の日本付近雲画像図(水蒸気画像で拡大版) 気象庁HPより引用・加工

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③10月24日12時の全国ウインドプロファイラー風向風速分布図 気象庁HPより引用

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台風27号と台風28号が北上中です。

引用図①と引用図②とを見比べていただきましょう。

引用図②より、画像内に、台風27号、28号の位置の位置と、大陸にある寒冷渦と、A・・・地上天気図上の前線を図示しました。もうひとつ、Bに注目です!一見、AとBとは判別つきにくいですが、Bは、大陸の寒冷渦の前側のある上空の谷に伴うもので、引用図③より、このBに向かって、上空2000m以下ではおおむね南東風と、南西風とがぶつかり合っています。暖湿流同士がぶつかり合っているわけですね。

当然、暖湿流同士収束して発達した雨雲を形成します。このBは、上空谷の移動とともに、東進する予想ですね。今後は、台風本体や台風周辺からの暖湿流の大雨のみならず、B周辺での大雨にも警戒する必要ありかと思われますね。

台風接近時、前線が進行方向にあると、当該前線周辺で、得てして大雨となるものですが、さらに、上空の谷が台風の進行方向へ進んでくる場合、前記のように、台風や前線から離れた地域でも、当該上空谷に伴う上空3000m付近の上昇流域に対応して、台風周辺からの暖湿流の補給を受けて、雨雲が発達して大雨となります。この点は、防災上、看過できないものですよね。


台風26号は千葉県に再接近して三陸沖から北海道の南へ 伊豆大島では記録的豪雨

2013-10-16 17:18:43 | インポート

※記事内風速表示は毎秒値です。

①10月16日3時の天気図 気象庁HPより引用

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②10月16日9時の関東周辺レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用

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本年最強で最大勢力の台風26号ですが、勢力を維持しつつ、6日朝に千葉県に再接近し三陸沖を北上 16日15時には北海道南東海上へ進み、温帯低気圧に変わりました。

台風の接近通過に伴い、千葉県の銚子で46・1m 宮城県江ノ島で45・5m 伊豆諸島の八丈島で44・7mの最大瞬間風速を観測し、北海道~九州までの所々で、瞬間で30mを超す、大人でも立ってられず吹き飛ばされるような暴風を観測しました。

また、雨ですが、関東地方の沿岸部を中心に、あちこちで24時間雨量が200㎜を超え、中でも、伊豆諸島の大島では、周辺地域で北より風と、東~東南東風とが収束して、局地的に雨雲が非常に発達している状態が、15日深夜から16日明け方まで持続したため(引用図②)、24時間降水量が824ミリと、気象官署の中で観測史上最高となる記録的な豪雨となってしまいました。

このため、大島島内では、大規模な土石流が発生して、16日16時現在 亡くなった方16名 行方不明の方48名と言う惨事となってしまいました。

引用図②より、16日3時現在 千葉県から伊豆諸島大島へ線状に非常に発達した雨雲に伴う降水域が見られます。地上天気図上ではこの線状の降水域から北東側には、前線が描かれています。

この降水域を挟んで、北側の東京など関東平野の各地点では、おおむね、北よりの風向ですが、一方、引用図にはありませんが、南側では、銚子や勝浦など、千葉県太平洋沿岸の各地点では、東風、さらに、大島の南側にいちする新島や三宅島では、東風~東南東風となっており、同時に、南側に各地点の気温はおおむね23℃以上にたいし、北側ではおおむね18℃以下となっていました。

台風が本州南海上を北上あるいは東進する際に、関東平野が台風の北側に入る場合、関東平野東海上~関東平野を流れる北東から北より風の相対的に気温の低い気流と、台風の外縁を廻るようにして千葉県沿岸から伊豆諸島に流れ込む相対的に気温の高い気流とが、丁度、千葉県周辺から伊豆諸島大島付近で局地的に互いに収束しやすいことは、いわば定石 といえることですが、今回も、この定石通りである、局地的な気流の収束が発生し、双方の気流の温度差が大きい大島周辺でとりわけ雨雲が発達して、台風26号の進路の関係で、当該局地的な気流の収束が長時間維持されたこと が、今回の記録的豪雨の要因であると私は考えますね。


本年最強 の台風26号 16日朝に関東へ再接近 上陸の恐れ!

2013-10-15 12:56:35 | インポート

①10月15日9時の天気図 気象庁HPより引用

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②10月15日6時の日本付近雲画像図(水蒸気画像で拡大版) 気象庁HPより引用

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③10月15日9時の日本付近雲画像図(水蒸気画像で拡大版) 気象庁HPより引用

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本年最強の勢力である台風26号ですが、15日9時現在、南大東島の東海上を北上しています。

引用図②③より、台風を取り巻く、螺旋状の帯状にに白く輝く画象域が見られますが、この箇所ではとりわけ発達した対流性の雲であり、今後、当該画像域がかかる地域では、非常に激しい雨、竜巻などの突風が発生する恐れがあります。

一方、台風の北西側の朝鮮半島から大陸方面と西側の東シナ海南部には、水蒸気画像上で、U 字型に、帯状に白くぼやけた画像域(上空の中層以上で強風となっている箇所)があり、その北側には、水蒸気画像上の暗域(上空3000m付近の下降流に対応する乾いた気団)が広がっていますが、15日6時から9時になるにしたがい、朝鮮半島から大陸方面のU 字型に帯状に白くぼやけた画像域は、南東方向へ広がってきており、一方、台風の当該帯状に白くぼやけた画像域の北東方向へに延長線上の千島近海では、北へ移動していている様子が解ります。さらに、これら帯状の画像域の北側に広がる水蒸気画像上の暗域は、台風の方向へ移動してきております。

台風の前側の中層以上に分布する強風軸が、台風を挟んで東側~北東側で北上し、北西~西側で南下する状態は、台風の北西側から上空の気圧の谷が深まりながら東進してきて、当該強風軸の風速は更に強まる傾向を示すもので、台風は、この強風軸に沿って、衰えずに速度を上げて移動するようになります(筆者調べ)。

さらに、併せて、前記した強風軸の北西側に広がる 水蒸気画像上の暗域が台風が位置する方向に移動してきていますが、こういう状態は、台風の北西側で寒気移流(上空3000m付近の下降流)が次第に強まりつつある証拠。こういう状態ですと、台風の左側でも、広範囲で強風に見舞われ、山越えの下ろし風も強まりやすくなります(筆者調べ)。

このことより、台風26号、今後、次第に進路を北東へ変えて移動速度を早めてきそうで、引用図にはありませんが、各種予想図より、15日夜には紀伊半島沖へ 明日16日朝には関東地方へかなり接近して、場合によっては上陸する恐れがありますが。進路くあたる地域では、急に大雨や暴風に見舞われる恐れがあります。

最新の台風情報に留意し、早目の対応を!


東京都心で観測史上最遅真夏日 30・2℃ 

2013-10-11 16:52:02 | インポート

①10月11日12時の天気図 気象庁HPより引用

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②10月11日15時までの全国各観測地点最高気温一覧図 気象庁HPより引用

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低気圧が日本海へ進んで、この低気圧に向かって暖気が東日本や西日本中心に入り込んだため、関東以西の各地では、今日も季節はずれの暑さが続きました。

東京都心では、午後1時過ぎに気温が30・2℃まで上がって、10月としては、1915年(大正4年)10月9日(この日の最高気温は31・3℃) よりも2日遅い、観測開始以来最も遅い真夏日を観測しました。

他も、東日本や西日本を中心に、全国観測地点927地点のうち、85地点で、最高気温が30℃以上となる真夏日を観測しております。

東京都心等がある関東平野周辺で特に高温になりやすい気圧配置は

ⅰ:日本海に低気圧がある場合 

ⅱ:台風や低気圧が日本海を進んで、北日本周辺や、本州東海上へ移動し、大陸から寒気が吹き出す前の状態

が、主だったものですが、これらの気圧配置では、併せて、以下のような特性があるものです。

(1)暖気が残っている  

   +

(2)中部山岳や関東西側の山地を吹き降りるような気流(南西~北西)が関東平野に入り込んだり、総観場の気圧配置の関係で、日中、海風が入り込みにくくなる場合

さて、明日12日9時の予想天気図を見てみますと

③10月12日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

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樺太付近に進んだ低気圧から延びる寒冷前線が、12日9時現在では、まだ、三陸沖から福島県沖までしか南下せず、東京都心など位置する関東平野では、前記(1) (2)の条件を満たしてしまう気圧配置ですね。

東京都心など関東平野周辺の気圧外れの暑さは、明日も続いてしまいそうですが、各種予想図より、あさって以降は、大陸からは、少しずつ秋の涼しい気団が関東平野周辺にも流れ込んで予想で、次第に秋めいてきそうな様子ですね。