カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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大雨の範囲は東日本へも 東京では16日ぶりに真夏日から開放

2010-07-29 23:55:56 | インポート

①7月29日9時の天気図 気象庁HPより引用

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②7月29日9時気象庁発表AUPQ78図 日本気象予報士会HPより引用

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③7月29日9時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用

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7月29日は、本州上には、太平洋高気圧の縁を廻るようにして南から暖湿流が流れ込んで、二西日本や北日本の一部では所々で大雨となりました。

高知県東部の山間部にある繁藤では24時間に321㎜もの降水量を観測したほか、大雨の範囲は次第に東へと移動してきており、神奈川県の箱根でも、29日22時までの24時間に降水量が146㎜を観測しています。

関東地方でも、29日は、朝から雨が降ったり止んだりの天気で日差しがなく、東京では、最高気温が27・9℃と、14日から続いていた真夏日から16日ぶりに開放されました。

引用図③より、29日9時現在、北日本の一部や西日本の所々に、ひときわ白く輝く雲がみらてます。このような雲の下では激しい雨が降っているわけですが、引用図②と引用図③を見比べると、上空1500m付近(引用図②の下側)と、上空3000m付近(引用図②の上側)まで湿数3以下で、上空1500m付近(上空3000m付近の同様ですね。)で、本州のすぐ南海上から西日本、北日本へと、南南東~南西風が周辺よりも強まっている地域で、雲が白く輝いており、当該白く輝く雲の集団の南側には、刷毛で書いたような形の雲が見られますね。

これらは、暖湿流が南海上から南東方向~西南西方向とから大量に流れ込んで、西日本、北日本の上空で収束している様子を示しているものですが、相違う方角から流れ込んでくる暖湿流同士が収束すると、その地域では、とりわけ雨雲が発達します。

暖湿流の動向を見極めるのには、上空1000m~1500mの風向風速に着目!と言うことは、以前、本ブログの記事で紹介しました。

この暖湿流の収束部分が東海上へ移動するまで、東日本や北日本では大雨に要警戒!!ですね。特に南~南西側に開いた山の斜面の外縁部にあたる地域や、地形的に、地面付近で、海上からの南~南西風と、内陸部に滞留する気流と収束する箇所では、とりわけ雨量が増大しそうですよ。!!


太平洋高気圧は一休み となると またまた厄介者が!!

2010-07-28 23:21:03 | インポート

①7月28日15時の天気図 気象庁HPより引用

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②7月28日15時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用

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③7月29日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

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この半月、各地に猛暑をもたらしていた太平洋高気圧ですが、今週に入って、その活動を、一休み と言った感じになってきました。

太平洋高気圧というもの、ひと夏の間には、活動を強める時期と、活動を一休みする時期を繰り返し、本州付近を覆うものですが、その活動を強める時期(本州付近へその勢力を広げて最盛期までの期間)はおよそ10日程度程度となります。太平洋高気圧は、最盛期を過ぎ衰退期に移行し、本州付近が太平洋高気圧の縁にはいると、そうですね。太平洋高気圧の縁には、大雨の基となる、暖湿流が南海上から伝わってきます。

こうなりますと、本州のあちこちで、大気が非常に不安定となり、雷を伴なった激しい雨に見舞われるようになります。

引用図①②より、28日15時現在、朝鮮半島南部ある低気圧の進行方向前面から西日本の各地には、南から刷毛で書いたような雲が箒のような形(ハ の字型)に分布し、当該刷毛状の雲の集団の中には、所々、白く輝いた雲の集団が見られますが、このような雲の分布は、西日本は次第に太平洋高気圧の縁に入り、南海上から暖湿流が大量に流れ込んで大気が不安定となり、所々で雨雲が発達している状態を示すものです。

引用図③より、7月29日9時には、引用図①で朝鮮半島南部にあった低気圧は、ロシア ウラジオストック付近に進む見込みです。これに伴い、前記した南海上から暖湿流が大量にながれ込む区域は次第に、東日本の各地へも広がってきそうです。

これから29日にかけて、西日本や東日本の各地では、南海上からの暖湿流による大雨にご用心!特に、南から南西方向に開いている山の斜面に当たる地域のみならず、南から南西方向に海岸線が分布する地域(特に海岸線が入江状になっている地域は尚更です。)では、内陸部に滞留する冷気との間で局地的な前線が発生し、局地的に大雨となる恐れもありますよ!!


広範囲での雷雨 雲画像上にははっきりと兆しあり!

2010-07-26 09:55:13 | インポート

①7月25日12時の天気図 気象庁HPより引用

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②7月25日12時の日本付近雲画像図(水蒸気画像で拡大版) 気象庁HPより引用

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③7月25日15時の日本付近雲画像図(水蒸気画像で拡大版) 気象庁HPより引用

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④7月25日18時の日本付近雲画像図(水蒸気画像で拡大版) 気象庁HPより引用

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7月25日は、東京では最高気温34・4℃と、観測史上最多の猛暑日連続観測日数5日とはならなかったものの、各地で厳しい暑さとなりました。そして、本州の上空には寒気が流れ込んで大気が不安定となったため、昼過ぎより、あちこちで雷雲が発達して、茨城県内では25日夜に、レーダーアメダス解析で、1時間に100ミリ以上の猛烈な降水を解析されたりしました。

通常、今回のように本州の広範囲で雷雲が発達する場合、

Ⅰ:上空(5500m付近)に寒気が入っていることが、言うまでもなく指摘されますが、

もうひとつ、

Ⅱ:下層(ここでは上空1000m以上)から中層(上空3000m付近)で上昇流が卓越していること

が必要条件となります。

さらに前記Ⅱの状態は、

500hpa面(上空5500m付近)での正渦度移流域の前面(上空3000m付近の上昇流域)や850hpa面(上空1500m付近)での相当温位が混んでいる部分(前線)に対応するもので、帯状に分布することが多いものです。雲画像上では水蒸気画像上で、白くかすんだ形で帯状に表現されますね。赤外画像でも表現されることも多いですが、水蒸気画像よりははっきりしません。

引用図②③を充分に見て比較してみましょう。

引用図②で25日12時現在、東北地方から九州地方にかけて、水蒸気画像上で、白くかすんだ部分が帯状に表現されていますが、この帯状に表現されている部分上のあちこちで、引用図③④より、25日15時と18時と時系列で、点々と白く輝いた部分(発達した雷雲)が発生している様子が判りますね。

本州の各地で広範囲で雷雲が発達する場合、水蒸気画像では、お決まりのように、前記した帯状に表現されている部分が現れるもので、この部分で雷雲が発達するようになります。

こう見ると、雲画像情報図って、気象現象を予測する、レントゲン写真 と言っても過言ではありませんよね!


猛暑続く 三重県桑名で38・9℃ 熊谷で38℃ 東京は3日連続猛暑日35・7℃ 仙台でも本年初猛暑日

2010-07-23 18:03:20 | インポート

①7月23日12時の天気図 気象庁HPより引用

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②7月23日9時気象庁発表のAXFE578図 日本気象予報士会HPより引用

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③7月23日15時までの全国最高気温分布図 気象庁HPより引用

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7月23日も、東北から近畿地方中心として、各地で厳しい暑さとなりました。

三重県桑名や岐阜県多治見 群馬県館林では最高気温38・9℃を観測したほか、熊谷で38・0℃ 名古屋で36・6℃ 京都で37・3℃ 大阪で36・0℃の最高気温を観測しています。

さらに、東京(気象庁のある千代田区大手町)では最高気温35・7℃と3日連続の猛暑日を観測しましたし、仙台でも本年初猛暑日となる35・0℃の最高気温となりました。

この数日、地上付近から500hpaにかけて、ほぼ同様な気圧配置が続いていますが、引用図②の上側図に注目!シベリアから中国東北部にかけて、500hpaの気圧の谷が姿を見せてきました。次第に南下してきています。

大雑把な言い方になりますが、500hpaの気圧の谷=上空5500m付近で周辺よりも相対的に気温の低い部分 となるもの。換言すれば、上空5500m付近で500hpaの気圧の谷は寒気を伴っている と言うことになりますから、日本列島各地とも、次第に、上空(5500m付近)に寒気が流れこんで、大気が不安定になっていくでしょう。急な強い雨や落雷等に用心する必要がありそうです。

明日7月24日以降、屋外でのレジャー・行事等には充分注意してください!!


23日早朝 関東で強い地震 茨城県鹿嶋で震度5弱

2010-07-23 08:42:05 | インポート

引用図は7月23日6時06分発生の地震の震央と各地震度分布図です。気象庁HPより引用・加工

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23日06時06分頃関東地方で強い地震がありました。

震源地は千葉県北東部 ( 北緯35・9度、東経140・5度)で震源の深さは約30km、地震の規模(マグニチュード)は5・3と推定されます。※この地震のマグニチュードは、その後、4・9と訂正がありましたが。

この地震で、茨城県鹿嶋市鉢形では震度5弱を観測したほか、茨城県南部から千葉県北東部や印旛地区の所々で震度4を観測しました。

震度5弱を観測した鹿嶋市内では、一部地域で水道が断水したり、窓ガラスが割れたり、屋内の棚の物が落下したりしたようですが、大きな被害は報告されていない様子です。

なお、この地震は、関東平野が載っている北米プレートの下側を沈み込む、フィリピン海プレート(伊豆半島や伊豆諸島が載っているプレート)との境界部分で発生した地震と推定されます。