カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
講演依頼等連絡先は、tenki@air.ocn.ne.jpへどうぞ

冬型だが朝鮮半島から上空谷接近 夕刻から箱根周辺で降雪

2008-01-31 23:54:29 | インポート

①1月31日12時の天気図 気象庁HPより引用

08013112

②1月31日12時の関東甲信越周辺アメダス風向風速分布図 気象庁HPより引用

20080131120000

③1月31日のAXFE578図(31日9時の上空1500メートル付近の風向風速と気温分布図と上空5500メートル付近の気温と上空3000メートル付近の気流の鉛直分布の実況図) 日本気象予報士会HPより引用

1

31日は、本州付近では冬型気圧配置となり、日本海側ではおおむjね雪(一部雨)で、太平洋側は冬晴れとなった箇所が多くなりました。

が、関東地方周辺に限っては、冬晴れの良い天気というわけには行かず。日中は晴れたものの、関東南部から静岡県東部中部では午後から雲が湧き上がり、神奈川県箱根周辺や静岡県東部では雪となり、道路では滑り止め着装規制がしかれた箇所も随所で見かけられました。

これは、本ブログでも何度か紹介しましたが、関東地方周辺での、冬型気圧配置時における季節風の吹きかたの特性が大きな原因で、地形的に関東北部から吹いてきた気流と東海道を西から東へと吹く気流とが神奈川県西部から静岡県東部周辺で収束しているところへ、本州上空を気圧の谷が西から接近して、当該気圧の谷の前面(雲が発生・発達しやすい区域です。)に入り、前記した神奈川県西部から静岡県東部周辺で気流が収束しているところへ雲が発生・発達して、神奈川県箱根周辺や静岡県東部に雪を降らせたと言うストーリーです。引用図②③、そして次の引用図④よりこのことがうなずけられます。

④1月31日15時の関東周辺レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用

200801311500

この箱根周辺の降雪、31日深夜まで続きそうです。路面凍結にはくれぐれもご用心!

箱根は、気象の世界でも 天下の剣 ですね。


またまた本州の所々で雪 関東甲信でも29日朝にかけて積雪の所も

2008-01-28 23:53:09 | インポート

①1月28日18時の天気図 気象庁HPより引用

08012818

②1月29日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

08012809

③1月28日9時のFXFE5782図(28日21時と29日9時の上空1500メートル付近の風向風速と気温分布図と上空5500メートル付近の気温と上空3000メートル付近の気流の鉛直分布の予想図) 日本気象予報士会HPより引用

1_2

28日は、低気圧が東シナ海から本州の南海上に進んできて、東進中です。

このため、西日本各地では天気が崩れて、中国地方の広範囲や四国、九州の山間部では雪となり、積雪となっている箇所もあります。

この雪や雨の範囲は次第に東へ広がり、東京付近でも、午後10時頃から雨が降り出しました。

28日22時現在、中国地方の一部や山梨県富士五湖、静岡県東部や長野県の一部地域には大雪注意報が発表されております。これら、大雪注意報の発表されている地域では、あす29日朝までに10cm以上の積雪が予想(気象庁発表)されます。今後、交通機関に混乱が予想されますので、どうかご注意ください!

さて、関東平野ではどうでしょうか?

引用図③下側より、関東平野で降雪となる目安である、1500m上空の-3℃の等温線は、28日21時には、関東北部にかかる予想です。が、北日本方面からの寒気の流れ込みは弱く、29日9時には、1500m上空の-3℃の等温線は更に北上し、東北南部に達する見込みですね。

よって、今回は、関東地方では北関東や山沿いで雪から降り出しそうですが、平野部では雪が降ってもうっすら積もる程度で次第に雨に替わるところも多く、東京や横浜など、南部平野部の沿岸地域では、まず雨(一時的にみぞれとなる箇所があるかもしれませんが)で推移するでしょう。この方面では積雪の恐れはなさそうです。


冬型気圧配置やや緩むが北日本で大雪のところも 札幌周辺でも局地的に強い雪

2008-01-26 18:54:27 | インポート

①1月26日12時の天気図 気象庁HPより引用

08012612

26日は、昨日より若干緩んだものの、本州付近は冬型気圧配置が続きました。

特に、北日本の所々で大雪となり、26日17時までの24時間降雪量が、青森酢ヶ湯で81cm を観測し、これまでの積雪も363cmを観測しました。

また、26日朝方から昼過ぎにかけて、北海道石狩湾から石狩地方中部周辺で局地的に雪雲が発達し、この発達した雪雲がかかった札幌では、26日17時までの24時間に31cmの降雪量を観測し、札幌が位置する石狩中部には、一時、大雪警報も発表されました。

ただ、26日17時までの降雪量が、札幌より北西へ約30キロ離れた新篠津では、5cm 札北へ10キロ離れた石狩町では15cm 西北西へ30キロ離れた小樽では14cmとなっていましたから、局地性の強い降り方だったといえますよね。

なぜ、札幌周辺にこのように局地性の強い降雪があったのか?

それは、1・北海道の北に強い寒気の中心があったことと、2・北海道北西部沿岸から石狩湾を経て、石狩平野周辺にかけてにかけて、局地的に気流が収束(北海道北西部では弱い北東風から東より風でしたが、石狩湾の西部が位置する北海道後志北部周辺では北西風で、石狩平野南部では弱い東より風でした。この相異なる風向の気流同士が収束)したと考えられますね。

②1月26日9時のAUPQ35図 日本気象予報士会HPより引用

1

③1月26日12時の北海道北西部周辺アメダス風向風速分布図 気象庁HPより引用

20080126120000

④1月26日12時の北海道南西部周辺のレーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用

200801261200001

引用図②の下側図より、北海道の北の樺太周辺に強い寒気の中心があり、札幌上空5140m付近で-39・9℃と、札幌周辺では大雪が降りやすい大気の状態でした。

さらに、引用図③より、北海道北西部では弱い北東風から東より風でしたが、石狩湾の西部が位置する北海道後志北部周辺では北西風で、石狩平野南部では弱い東より風となっており、これら相異なる風向の気流同士が北海道北西部沿岸から石狩湾を経て、石狩平野周辺にかけてにかけて、局地的に気流が収束しているものと推測されますね。

そして、引用図④より、前記した北海道北西部沿岸から石狩湾を経て、石狩平野周辺にかけてにかけて、局地的に気流が収束しているものと推測される箇所では、局地的に雪雲が帯状(特に発達した部分がおおよそ10km~20㎞の幅となっています。)に発達し、札幌周辺に強い雪を降らせたことがわかります。

実は、石狩平野には、このようは局地的に強い降雪があることは珍しくなく、冬型気圧配置が少々緩み、等圧線の幅が広がっているが、上空の寒気の勢力が強い場合、このような局地的に強い降雪が発生しやすいものです。

この点、防災上、看過できないものですね。


まさに冬の嵐 各地で被害も

2008-01-24 23:57:26 | インポート

①1月24日15時の天気図 気象庁HPより引用

08012415

②1月24日9時のAXFE578図 日本気象予報士会HPより引用

1

③1月25日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

08012409

24日は、低気圧が日本海から北日本へ進んで急速に発達して、本州付近は強い冬型気圧配置となりました。

このため、全国的に風が強まり、青森県深浦で31・8m 秋田で31・3m 八戸で31m 三宅島で30mの最大瞬間風速を観測しました。

また、低気圧が通過した北海道や東北北部では大雪となり、北海道では24時間降雪量があちこちで45cmを超しました。

さらに、山越えおろし風が強まった関東平野や山梨県周辺でも強風(北西や北より風 一部で西より風)が吹き荒れて、鉄道が一時運転を見合わせた箇所もありました。

まさに、冬の嵐 というところでしょうか。

引用図②より、24日夜には、中部地方から近畿地方に正渦度移流域が差しかかってきました。このため、雪雲が北陸地方西部や近畿地方の日本海側、山陰地方の一部でも強まって来ており、24日23時現在、岐阜県関が原や滋賀県周辺でも強い雪が降っているとのことです。

引用図③より、25日9時になっても、北日本や東日本中心に等圧線が混み合っている予想ですよね。

北日本や東日本中心では、25日も、24日ほどではないにせよ、強い風や海上のしけには注意してください!また、寒気が本州上空へどっと流れ込んできています。

25日朝方は、全国的に厳しい冷え込みとなりそうですよ。暖かくしてお休みを!


東京で初積雪 24日は北日本中心に大荒れの天気

2008-01-23 19:33:02 | インポート

①1月23日15時の天気図 気象庁HPより引用

08012315

②1月24日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

08012309

23日は、低気圧が本州南海上を西から東へ進みました。

昨日の記事とおり、関東地方周辺でも降雪となり、東京都心でも最大1cmの積雪を観測しました。長野県や山梨県では、最大で10cmを超す積雪となった箇所も続出し、松本空港が閉鎖されたり、中央自動車道など、一部区間で雪に伴う多重事故発生のため、一時通行止めとなった区間もありました。

東京都心で積雪を観測したのは、平成18年2月7日以来、およそ2年ぶりとなりました。

さて、引用図①で日本海西部にある低気圧がこれから日本海を急速に発達しながら東進し、引用図②より、明日24日9時には、北海道付近へ進んで台風並に発達しそうです。

各種予想図より、本州付近は冷たい空気に覆われた状態が続きますが、当該寒気の中心は北海道の北となりそうです。

このため、北海道では、ほぼ全域に掛けてと、東北地方日本海側では大雪となりそうです。

また、引用図②より、24日は本州付近で等圧線が何本も走り、等圧線同士の間隔も狭まっていますね(北日本中心にして)。

また、引用図にはありませんが、上空寒気中心が北海道付近で、関東周辺では寒気の南縁部にあたります。このような状態では、関東地方で、山越えのおろし風(北西風や北より風)が強まりやすくなります。

24日は、ほぼ全国的(とくに北日本では)に強風(北西風、一部で北より風や西より風)が強まり、海上では北日本中心に時化そうです。強風や海上の高波にはご用心!降雪地域ではふぶきによる視程障害にも気をつけてください!

関東平野や山梨県などでも、山越えのおろし風(北西風や北より風)が強まりやすいですから、油断しないように!