カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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北海道石狩地方胆振地方で局地的大雪

2007-01-29 23:12:14 | インポート

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引用図は、1月29日18時の天気図です。気象庁HPより引用です。

29日は、北海道石狩地方中部から胆振地方中部にかけて、局地的に大雪となりました。

このため、北海道の空の玄関である新千歳空港では、滑走路の除雪が追いつかず、29日午後から前面閉鎖となってしまいました。(通常、降雪3cmで一時滑走路閉鎖し除雪するのですが、降りしきる雪があまりにも強くかったためですね。)

29日1時から22時までに、札幌で、29cm 千歳で24cmの降雪を観測しています。

この大雪の原因は、

1・上空に強い寒気が流れ込んできたため(札幌の5400メートル上空付近で-38℃以下)

2・石狩湾に偏西風の谷があり、この谷が、石狩平野付近に接近通過するところである。

3・石狩平野に向かって、日高地方からは南東風が、渡島半島方面からは南西風が、そして、石狩湾方面からは北西風が吹き込んでいる様子で、これらの気流が、石狩中部から胆振中部付近で収束したため。

と考えられますね。

この様子を 前記項目1、2を紹介する引用図はありませんが、 ②29日15時の北海道南西部のアメダス風向風速分布図 ※気象庁HPより引用 ③29日18時の北海道南西部のアメダス風向風速分布図※気象庁HPより引用 ④29日18時の北海道南西部のレーダーアメダス解析雨量図※気象庁HPより引用 でご覧いただきましょう

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→③20070129180000

 ④200701291800001

本日の大雪と類似するものとして、本ブログの昨年2月10日の記事も参考になさってください。積丹半島方面まで南西風であれば(昨年2月10日の事例)、大雪は石狩地方中部から後志地方北部へ及んでいますが、今回のように、石狩湾からの気流の進入がある場合、石狩平野全域(特に中部や南部)から胆振地方中部へ、大雪の範囲が分布するようになります。

この大雪ですが、偏西風の谷が石狩平野上空から抜けきる、30日明け方までは降り続きそうです。


各地で不安定な天気 関東も夜には雨や雪も

2007-01-28 12:26:26 | インポート

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引用図①は、1月28日9時の天気図です。気象庁HPより引用。

上空に寒気を伴なった気圧の谷が本州を通過中です。

引用図①より、天気図上は、日本海の低気圧、さほど強いものではないように見えますし、本州のはるか南海上に前線がある程度となっていますが、油断は禁物!引用図にはありませんが、日本海や東北地方日本海側の低気圧は上空に寒気をともなっているおり、引用図②(1月28日9時の日本付近赤外雲画像図。気象庁HPより引用)より、本州のすぐ南海上では、東シナ海まで大きな雲の集団に覆われていますね。お椀をかぶせたような雲の形となっています。

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実は、雲画像で、このような雲のパターンが現れる場合、本州上は、偏西風の谷の前面にあたり、低気圧が発生・発達しやすい場でもありますね。28日9時現在に、日本海と東北地方日本海側に低気圧があるだけとなっていますが、今後、地形的に気流が集まりやすくなる、遠州沖から紀伊半島沖に、新たに低気圧が発生し、偏西風の谷の東進とともに、この低気圧も、本州南海上を東進するでしょう。

この様子を、引用図③1月28日21時の予想天気図 と ④1月29日21時の予想天気図で見てみましょう。※引用図③④は全て、気象庁HPより引用です。

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→④070127211

※ちなみに、本州上を偏西風の谷の前面にあたっている場合で、地表付近に低気圧が複数発生する場合、等間隔、等方向へ低気圧同士、発生するものです。

このため、各地で天気は不安定となり、私の住んでいる東京都渋谷区内を含めた関東地方は、28日午前中は青空が広がっていますが、午後になると次第に雲が広がり、夜には雨や雪が降り出しそうです。

今回は、各種予想図より、東京や横浜など、関東地方南部沿岸部では、雨(一時的に雪が混じるかも)の可能性が強そうです。そして、あす29日朝には止んできそうですね。量的には、関東地方南部中心にして、一時的に降り方がやや強まることも考えられます。

神奈川県箱根や静岡県東部や伊豆周辺ではあす29日朝にかけて積雪の恐れもあります。ご注意ください!

追伸ですが、東北の日本海側や山陰にかけては、これから29日朝方にかけて、上空に寒気を伴なった低気圧の接近・通過のために、雷や突風などにはご注意!です。


26日は上空寒気伴った低気圧が本州に接近通過。各地で雷や突風?雲画像や上空風には注意

2007-01-25 23:29:18 | インポート

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→②070125091

引用図は、①1月26日9時の予想天気図 ②は1月27日9時の予想天気図です。ともに気象庁HPより引用。

あす1月26日は、上空に寒気を伴った低気圧が日本海から本州に接近してきて、夜には、東北地方を通過する予想です。

このため、西日本より、次第に天気が不安定となり、急な雨や雷、場所によっては突風が吹くところもあるでしょう。注意が必要ですね。

今回のような、低気圧、とりわけ、上空に寒気を伴った低気圧の接近時は、レーダー画像でのエコー強度の動向が強い部分に気を配る(発達した積乱雲が分布しやすくなりますからね。)であるためですが)ことが定石ですが、これに、もう二つの動向に注意する必要があると私は思うものがあります。これは、おもに、突風対策ではありますが

それは、

1・雲画像の輝度にみならず、輝度のコントラストが大きい部分・・・・・これは、雲(積乱雲ですが)に伴う上昇流と、その反動で当該雲の隣接部分で発生する下降流も強まっている証拠です。上空の強い風が下降流で吹き降りている状態を示すもので、これが帯状に分布すると、当該雲の縁部分周辺に帯状にわたって、特に強い風が吹くようになります。

このような気象状況の場合、いったん降水が弱まったり、止んだりしてから強い風が吹くのが特徴です。昨年3月17日早朝に、関東南部沿岸や伊豆半島での暴風(静岡県網代で最大瞬間風速38m)や、古くは昭和54年3月31日の、神奈川県小田原市周辺の突風(小田原漁港の観測で最大瞬間風速43m以上を観測)も、同様な気象状況で発生しました。

さらに 、

2・地表ばかりでなく、上空の風の様子に注意・・・・・地表で風が比較的弱めでも、上空で強風の場合に、積乱雲が通過すると、局地的に突風や竜巻が発生しやすくなります。

おおむね、地表の風向と上空1500メートルの風向とのコントラストが大きく(風向が一様でなく、相反する状態になっている)、地表と上空1500メートルの風速差が40ノット以上の時に、顕著な竜巻やダウンバーストが観測されていますね。

また、上空3000メートルより上で風速50ノット以上の部分が広範囲に及んでいる場合も、突風災害には要注意と言えます。

あすから、27日頃まで、本州付近では、偏西風の蛇行に伴い、上空に寒気を伴った低気圧が頻繁に通過しやすい気象状況となります。ひとつ、前記した1、2の点にも気をつけて、くれぐれも事故のないように!


これから関東甲信では積雪のところも あす22日は再び夕方に雪や雨

2007-01-21 20:39:02 | インポート

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引用図は①1月21日15時の天気図 ②は1月22日9時の予想天気図です。ともに気象庁HPより引用です。

本州の南海上を前線を伴った低気圧が東進中です。

この低気圧が南西諸島を通過する際には、1時間に60ミリを超す猛烈な雨が観測されて、一時、南西諸島の一部には、大雨・降水警報が発表されるほどでした。

低気圧の東進に伴って、降水域は本州南岸へ広がり、21日19時現在、関東南岸の地域までも雨(一部で雪)が降り出しています。

首都圏の地域で雨になるか雪になるか、また、雪になるとすれば積雪となるが関心のあるところですが、東京や横浜、千葉と言った南関東の沿岸部の地点では、21日19時現在、気温が8℃前後で、湿度(相対湿度)が52パーセント以上となっています。そして、まもなく降水が始まる段階になっていますから、雪となって、積雪となるには気温や湿度は少々高めですね。これら、南関東の沿岸部の地域では、降り出しは雨で、21日夜半から22日未明に一時雪が混じることがあっても、雨やみぞれで推移し、積雪にはならないでしょう。

一方、南関東でも、箱根や丹沢、多摩地域(特に西部)、埼玉西部や北部では、21日19時現在、気温が4℃以下なっている地域が多く、北関東の地域では、気温が5~6℃程度の箇所もありますが、降水の始まりが南関東より2~3時間程度遅れることと、内陸部で、降水の始まりまでに気温の低下も見込まれますので、こちらは、振り出しが雨の箇所もあるものの、大部分の地域は雪となり、積雪となる箇所も多そうです。

よく、低気圧接近通過で、関東地方が雨か雪になるひとつの目安となるのが、関東地方1500メートル上空で、-3℃以下となる ことが言われていますが、今回、1500メートル上空で-3℃以下となるのは、各種予想図より、関東地方北部あたりとなりそうです。が、あくまでも一応の目安ですので。

実際に関東地方が降雪となり、まして積雪となるのは、地表付近の気温や湿度(相対湿度)の変化(勿論、降水をもたらす低気圧の進路や、寒気が流入している地域はどこか?、北日本で広範囲に寒気が流入継続中であれば、関東地方では、雪となって降雪となる地域が広がります。)がキーポイントとなります。

もっとも、今回は、低気圧の移動が早く、雨や雪も22日の明け方にはいったん止むため、積雪となっても量は少なくて済みそうです。引用図にはありませんが、各種予想図より、北関東や南関東の山間部、甲信越地方南部では、おおむね積雪数cm程度、一部で10cm程度といった程度でしょうか。

そして、22日昼までは、天気が小康状態となるものの、夕方には、上空に寒気を伴った気圧の谷が、再び本州上に接近して22日宵の内にかけて、本州中部を通過するため、日本海中部から北陸地方、関東甲信越地方へと帯状に降水雲が発達する見込みです。

このため、22日夕方から宵の内にかけて、関東地方や甲信越地方では、ふたたび雪や雨となり、一時的に降り方が強まって、積雪となる箇所(山間部中心ですが)もありそうです。

関東地方や甲信越地方の皆さん。22日はいったん雪や雨が止んでも油断禁物です。雨具は忘れずに!また、内陸部や山間部を車でお出かけの方々は、これから22日にかけても、道路情報に注意し、念のため滑り止めは忘れずに!


横浜 千葉で初雪 東京もことによると?

2007-01-20 15:45:38 | インポート

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引用図は、①1月20日12時の天気図 と②1月20日12時のレーダーアメダス解析雨量図です。ともに気象庁HPより引用。さらに③は日本気象予報士会HPより引用の1月20日12時のAXFE578図です。

1月20日は、西から本州上を上空の偏西風の谷が通過中のため(引用図③の上図より、本州上が Uの字型の部分、すなわち偏西風の谷が通過中であることがわかりますね)関東以西の太平洋側では天気がぐずつき、所々で、雨や雪となり、横浜や千葉で、本冬になって、初雪を観測しました。

天気図上は、通常、雨や雪を降らせるべき低気圧は本州の南海上には解析されてなく、前線も、西日本のはるか南海上にある程度です。が、引用図③より、本州上は、上空の偏西風の谷が通過中で、その前面に入っていることで、雲が発生発達しやすい場であります。このような場であると、地表の気流が集まっている場所(すなわち上昇流が発生している場所ともいえますね)の上空で雲がまとまり(この場所に低気圧や前線が発生しやすいものです。)、雨や雪を降らせるというシナリオになるわけです。

今回、とりわけ、伊豆諸島から遠州灘近海に注目です。まず、引用図④の、1月20日12時の関東地方周辺アメダス風向風速図(気象庁HPより引用)をご覧いただきましょう

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20日12時現在、伊豆諸島北部では北東の風が卓越しておりますが、南部の八丈島では南西風となっています。実は、20日未明より、八丈島では東より風から南東より風となっており、三宅島の南海上を境に、風向の不連続部分(シアーラインと呼んでいます。こういう箇所で気流が集まっていると言えます。)が発生していました。

これは、引用図①より、関東地方からみて、高気圧が北側にあり、当該高気圧の張り出しが、関東地方南東海上へ及んで、この方面に気圧の峰が表現されている気圧配置時によく発生するものです。伊豆諸島三宅島近海に局地的な前線が発生している証拠ですね。

この気圧配置時に、八丈島の風向が南分を帯びるとともに、三宅島周辺では北東風が局地的に強まる特徴があります。今回20日も、12時現在、三宅島坪田で北東の風15mを観測しています。

この、三宅島周辺のシアーラインですが、南側の八丈島の風向が20日12時以降、南西風となっています。引用図にはありませんが、北西側の愛知県渥美半島や、三重県志摩半島周辺では、北西風が卓越してきました。

以上のことより、今後、この、三宅島近海から西側の遠州沖にかけて、特に降水雲がまとまり、この部分に低気圧も発生して、当該低気圧の東進とともに、この降水雲がさらに北側に広がりながら東進する様相ですね

このため、今夜からあす21日明け方にかけて、関東地方南部中心に、雨や雪となるでしょう。

東京でも、初雪を観測する可能性も大ですが、20日15時現在、東京都心では気温5℃台で、湿度も63%ですので、積雪となるには少々気温が高そうですね。東京都心周辺では、雪となっても、積雪となることはなさそうです。ただ、東京でも多摩地域や、他南関東の山間部では積雪となりそうです。

※雨と雪の判別や積雪となるか否かの点については、前回の記事を併せて参考になさってください。

追伸ですが、あす21日夜からは、再び低気圧の接近で、関東地方は雨や雪となる見込みです。こちらのほうが、低気圧も発達するため、雪であれば積雪となる可能性が大きいですね。

引き続き、雨か雪、また積雪となるかの判別に充分気を配りましょう。