カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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27日は西から天気不安定 急な雨や雷も

2007-02-27 00:48:15 | インポート

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引用図は、2月27日9時の予想天気図です。気象庁HPより引用

26日は九州の一部では雨となりましたが、本州各地は晴天に恵まれたところが多かったですね。

しかし、27日は、上空に寒気をともなった谷が本州へ接近してくる予想です。

引用図①より、27日9時には、一見、天気を崩す低気圧は本州付近には見当たりませんが、各種予想図(引用図になくてすみません)より、本州の南海上から本州南岸方面に暖かく湿った気流が流れ込み、前記した上空の谷の接近に伴い、27日夜には、四国沖付近に低気圧が発生して、この低気圧が東進して、本州の南岸沿いの地域に雨を降らせ、所々で雷も発生する予想ですね。

また、地形的に、南海上からの気流と、東海上からの気流とが衝突する関東地方付近では、局地的に低気圧も発生することが考えられ、この方面では、雨の降りだしが以外に早まり、27日宵の内以降には雨天となりそうですね。

さらに、本ブログ昨年8月12日の記事に紹介した

※(850hpa気温-500hpa気温)+(850hpa露点温度-500hpa気温)+(地表の気温-37)+C(定数ですが、今日のように正渦度移流や、日中海陸風収束で地形的低気圧が発生する場所、地形的に山の斜面にぶつかり上昇流が発生する箇所、または北を360°として、850hpaの風向と地表付近の風向との差が90°で+8。※前記の現象が複数発生する場合は、8×当該現象発生数。負渦度移流の場合 -8)=48~51で、大雨注意報基準の降雨が、52以上で大雨警報基準の降雨が発生。

の式に、27日の各種予想図より、予想値を当てはめると、27日午後以降、関東以西の本州南岸の地域では 48以上(一部50以上)の地域が散見するようになりますね。よって、この時期としてはかなりまとまった雨量となりそうですよ。

関東以西の本州南岸の地域の皆さん。朝、雨が降っていなくても、雨具は忘れずに!


あす24日は関東東部沿岸で暴風 高波に警戒 関東では花粉も多く飛びそう

2007-02-23 23:57:47 | インポート

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→②07022309

引用図は①2月23日18時の天気図 ②2月24日9時の予想天気図です。ともに気象庁HPより引用

23日は、本州の南海上を低気圧が発達しながら東進したため、本州南岸沿いの地域の一部で強い雨も降りました。23日夜には、この低気圧は関東に東海上に進んで更に発達し、関東地方近海を中心に等圧線がかなり混んで、東北南部や関東地方、それに、東海地方伊勢湾岸では、北あるいは北西の風がだいぶ強まってきました。

特に、関東東部沿岸では、ウインドプロファイラー風向風速データより、23日午後9時以降、上空1000メートル付近で風速25mを超え始めて、更に強まっており(上空1000メートル付近の風速がおおむね28m以上となれば、地表では暴風警報クラスの風速となります。)、千葉県銚子では、23日午後10時23分に、北の風で27・9mの最大瞬間風速を観測しています。台風並の風ですよね。

23日午後11時40分現在、千葉県北東部と茨城県北部鹿行地域に暴風・波浪警報が、千葉県夷隅・安房に波浪警報が出されています。

この、関東東部沿岸の暴風は、あす昼頃まで続きそうですね。また、東北南部から関東地方、東海地方では、あす日中一杯、北あるいは北西の風は強まりそうです。

さらに、24日の日中の最高気温は東京都心で12℃まで上がることが予想され、関東地方では北よりの風も強いです、雨上がりと言うことも重なり、そうです、花粉 が大量に飛散することが考えられます。特に、花粉の飛散の多くなる箇所は、気流同士が地形的にぶつかりあうところに対応しています。あす24日のように、関東平野で北より風が卓越する場合、東京23区西部や、東京多摩地区青梅付近から八王子付近を通り、神奈川県中部に至る地域に、花粉飛散量の増大する地域が分布するようになります。(通常、風が穏やかで、日中 東京湾からの海風が吹き込みやすい場合には、関東北部や西部、千葉県内陸部中心に、花粉飛散量は多くなるものです。)

引用図は、関東平野で北より風が卓越した、本年2月21日12時の花粉飛散状況図(東京都福祉保健局HPより引用)を引用図③でご覧ください。なお、この引用図③の2月21日は、東京湾岸西部で、海風が吹き込みましたので、花粉飛散量の多い地域が、東京23区西部から、若干西側にずれています。あすは、東京湾岸西部からの海風の流入は殆どありません。)

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さて、引用図③の25日9時の予想天気図(気象庁HPより引用)より、あさって25日も、関東東海上~関東東部沿岸 伊豆諸島では、等圧線が24日と同様な走向で、その幅も非常に混む予想です。このため、この方面では、これから25日にかけて、同じ風向の風(北ないし北東風)が風速が強い状態で長時間吹きますので、高波(うねりを伴います)には特に警戒が必要!海のレジャーや船舶はくれぐれもご注意ください!


あす23日は本州付近を低気圧が3段構え

2007-02-22 23:55:53 | インポート

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引用図は2月22日18時の天気図です。気象庁HPより引用。

高気圧が東海上に去り、西から低気圧や前線を含む気圧の谷が本州付近へ近ずいてきました。

引用図①より、天気図上(地上天気図ですね)では、A樺太付近 と B九州のすぐ南 に前線を伴なった低気圧があり、Bの南側の沖縄近海には C前線が東西に横たわっています。

前にもお話したように、低気圧の発生・発達には、1.500hpa(上空約5500メートル付近)の谷の前面にあたっており、正渦度が移流し、かつ、深まる箇所 で 2.地表付近では暖気と寒気のコントラストが大きい部分 3.地表で気流が集まる箇所 の全てを満たす場所であることが必要ですが、アメダス実況図や各種予想図(いずれも引用図がなくてすみません)より、今後、Cの前線上に低気圧が発生し、大陸から高気圧がぐっと南東方向へ張り出し、本州付近には、北西方向より寒気も流れ込んで来る予想です。一方、Bの低気圧と、このCの前線の対応する500hpaの正渦度が、それぞれの西側に位置して、渦度として深まる見込みです。

こうなると、CとBは南から暖かく湿った気流が大量に流れ込み、この周辺の雨雲は発達しそうです。また、Bの前線上で発生する低気圧が、今後発達して、本州の南海上を北東へ進み、あさって24日朝にかけて更に発達し、関東の南東海上へ進む予想です。Cの低気圧のすぐ北側に入る伊豆諸島では、あす夜にかけて大雨の恐れがあります。

また、Aの低気圧から延びる寒冷前線があす23日日中、本州上を通過し、夜には関東から東海道沿岸へ南下しそうですが、この際に、この寒冷前線と、Bの低気圧とがバッテングする形となり、この付近で雨雲が発達することが考えられます。関東南部から東海地方南部でも、強い雨や雷、突風や竜巻には注意ですね。

この様子を、②2月23日21時の予想天気図 と③2月24日9時の予想天気図でご覧いただきましょう。※引用図は全て気象庁HPより引用です。

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→③070222091


あす20日は東北地方へ移動性高気圧 しかし関東は?

2007-02-19 23:54:47 | インポート

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→②07021909

引用図は①2月19日18時の天気図 ②は2月20日9時の予想天気図です。ともに気象庁HPより引用。

今冬は多聞にもれず、冬型気圧配置が長続きしません。超暖冬などと言われるゆえんですが、今日19日は、大陸の高気圧が移動性となって日本海に進んできて、あす20日には東北地方へ中心を移す見込みです。

天気図上で関東以西の太平洋側から見ると、高気圧の南縁に入り、等圧線が東西に走っています

このようなときに気をつけなければいけないことがありますね。それは、

1・本州の南海上の上空1000m周辺の気流が何処で、収束するか?

そして、1より

2・本州の南海上の上空1500m周辺の気流の湿っているところは何処か?

3.本州南岸沿いでは、500hpa  (上空5500メートル付近)で西谷となっているか?

以上、1、2、3を満たせば、1、2を満たす箇所で雲が発達しながら広がり、(そこで低気圧が発生することも多いものです。)悪天となるからです。

この点を検証すると、まず引用図③2月19日15時のウンンドプロファイラー図 と引用図④の2月19日15時のウンンドプロファイラー図 ※ともに気象庁HPより引用より

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→④200702192100001

八丈島で19日15時に上空1000メートルで北東風となっており、19日21時には、紀伊半島西部以西は北西風ですが、それより東側の地域では北から北東風となっています。ちょうど伊豆諸島近海から遠州灘あたりが、前記1の、本州の南海上の上空1000m周辺の気流が収束する箇所と言えそうですね。

また、引用図にはありませんが、上空1500メートル付近では、19日9時より、伊豆諸島近海から遠州灘沖にかけて、湿った気流が帯状に分布し始めています。

また、本州南岸500hpa (上空5500メートル付近)では、19日、大陸方面から谷が移動してきており、20日にかけて、西谷となる予想ですね。

よって、あす20日は、伊豆諸島近海から遠州灘沖にかけて雲が発達しながら周囲に広がり、この方面には低気圧も発生するでしょう。そして、伊豆諸島や南東南岸、静岡県沿岸周辺の天気をぐずつかせそうです。

この方面の方々、あす20日は念のため、雨具の用意をなさったほうが良さそうです。

最後に追伸して、前記したような、あす20日に予想される気圧配置時には、伊豆諸島三宅島周辺で、ことのほか北東風が強まるものです、伊豆諸島周辺では、この点踏まえて、高波や三宅島周辺での強風にも注意しましょう!


日本海で低気圧急速に発達 各地で大荒れの天気 東京では春一番

2007-02-14 23:57:34 | インポート

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2月14日18時の天気図です。気象庁HPより引用。

14日は、低気圧が日本海で急速に発達しながら東進したため、ほぼ全国的に荒れた天気となりました。

北海道や東北の山間部では雪(一部でふぶき)となり、本州の南岸沿いの地域では、降り始めてからの総雨量が100ミリを超えたところも多く、高知県の一部では、190ミリを超えた箇所もありました。この時期としては、かなりの大雨となりましたね。

また、も、高知県の宿毛で最大瞬間風速が35・0mを観測したほか、北海道から四国までの広い範囲の所々で最大瞬間風速が30mを超えました。※ちなみに、関東周辺で最大瞬間風速が30m以上を観測したのは、千葉、大島、三宅島、石廊崎、御前崎となっています。

東京でも最大瞬間風速が20mを超え、気象庁から、東京に、14日 春一番が吹いた との発表がありました。東京では今冬は初雪もまだ観測していないのに。一足先に春の便りとはね。

あす15日以降はどうなるでしょうか?引用図②2月15日9時の予想天気図 と引用図③2月16日9時の予想天気図をご覧ください。

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→③070214091

あす15日からあさって16日にかけて、北海道の周辺に発達した低気圧が居座り、北日本や北陸を中心に荒れ模様の天気が続きますが、あす15日からあさって16日にかけて、注意していただきたい点があります。

それは、関東や甲信地方では、引用図にはありませんが、各種予想図より、あす昼ごろ、上空5500メートル付近(500hpa)を、正渦度(前にも話したように、上空の谷と思っていただければ結構ですね。この正渦度が通過する箇所のおおむね3000メートル上空では気流が上昇し、正渦度の周辺部では、特に風が強まっているものです。)が通過する見込みです、通過後は、東北南部から関東・甲信地方上空での風速(西北西から北西風)が増して、なおかつ、会津方面から関東山地、中部山岳からの山越えのおろし風が強まってきそうですね。

このため、あす15日午後からは、東北南部から関東・甲信地方では、山萌えのおろし風(西北西から北西風)にも気をつけましょう!この状態はあさって16日も続きそうです。