カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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地震・・・ 揺れ方を局地的 定性的に捉えましょう

2007-09-01 00:17:58 | インポート

①関東地震(1923年9月1日発生 震源地相模湾 マグニチュード7・9)での関東地方震度分布図 

国立科学博物館ホームページ内 THE地震展(2003年開催)内 武村雅之「関東大震災─大東京圏の揺れを知る」(2003年鹿島出版会)より引用

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②兵庫県南部地震(1995年1月17日発生 マグニチュード7・2)震災の帯

国立科学博物館ホームページ内 THE地震展(2003年開催)より引用

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③阪神地区地下構造図 

国立科学博物館ホームページ内 THE地震展(2003年開催)より引用

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9月1日は 防災の日ですね。このため、地震ネタでいきましょう。

昨今、能登半島沖地震や新潟県中越沖地震など、大きな地震が発生し、巷では地震に対して大きな関心が集まっているようですね。

特に、本年10月1日からは、気象庁より、緊急地震速報(地震発生時に、まず始めにやってくる地震波のP波の振幅により、関係式に当てはめて、その地震の波形、マグニチュード、さらには、震度5弱以上の予想震度の地域を推定し配信するもの。これについては、今月末頃本ブログでも紹介します。)配信もスタートする予定です。

大雨や強風、大雪、高温や気温低下などの各 顕著な気象現象は局地性が強く、地域ごとに、癖(たとえば、どの気圧配置時に、どういう気象特性の時にどのような現象が発生するか?などですね。)があるもので、その、地域的な 癖 を見極めるためには、個々の顕著な気象現象を、定性的に捉えることが重要である と言うのが私の持論です。

本ブログでは、この持論に乗っ取って、おののの顕著な気象現象を、定性的に、紹介しておりますが、地震についても同様で、地域ごとの揺れ方や、それに伴う被害の発生形態についても、地域的な癖が強く その地域的な 癖 を見極めるためには、個々の地震を、定性的に捉えることが重要である と私は考えています。

まず、地震発生時の揺れの特徴ですが

1・地盤の軟らかい箇所 が大きく揺れる(これは、地盤が軟らかいほど、当該地震波の速度が遅くなるためです。) ことは、よく知られていることですが。

さらに、

2・その地域の地下の構造 も地震の揺れ方の強弱に影響するものです。

・・・これは、地下に断層があったり、比較的硬い地層(基盤ともいいます)が鍋状に分布しその鍋底の上に、比較的軟らかい地層が堆積している場合、当該基盤と比較的軟らかい地層との間で、地震波が屈折を起こし(地震波の速度は基盤と比較的軟らかい地層とが異なるためです。)、揺れが大きくなります。

引用図①より、昨年9月1日の記事(埋没谷のことですが)でも同様な内容の記事を書きましたが、1923年の関東地震の際に、震源地に近い神奈川県の広範囲ではもとより、静岡県東部の須走町周辺(この地域は富士山からの湧水地帯となっており、地盤は軟弱です。)千葉県の養老川、小櫃川や小糸川流域では、軒並み震度6強相当 一部には震度7相当地域も散見されます。や震源地から比較的離れた、埼玉県東部の軟弱地盤地域でも、広範囲で震度6強相当の揺れとなっています。

また、引用図②③より、前記 2 で紹介した地形そのものの地域で、震度7の、震災の帯 が分布していますね。

地震をもっと、定性的に捉えて、防災に役立てましょう!