カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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各地で強風!北日本では大雨や大雪も 交通機関に混乱

2009-04-26 23:53:52 | インポート

①4月26日9時の天気図 気象庁HPより引用

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②4月26日9時気象庁発表AXFE578図(上側・・・上空5500m付近の渦度分布図と等高度線分布図 下側・・・上空3000m付近の鉛直方向気流分布図と上空1500m付近気温分布図と風向風速分布図) 日本気象予報士会HPより引用

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昨日の記事の検証版のような内容となりますが、本日4月26日は、三陸沖と日本海中部で低気圧が発達したため、各地で強風や海上では高波となり、北日本の太平洋側では大雨、北海道の内陸や東部では、時ならぬ大雪となりました。

北海道のえりも岬では、最大瞬間風速が45・7mを観測したのをはじめ、10分間の最大風速でも34・3mと、強い台風並の暴風を観測しました。ほかにも、ほぼ全国に渡って、あちこちで、25m以上の最大瞬間風速を観測しています。

この強い風のため、交通機関には北日本や東日本を中心にあちこちで乱れて、26日9時36分に、23・7mの最大瞬間風速を観測した成田国際空港では、地表付近が乱流となって航空機の離着陸に支障が出てましたね。

雨ですが、東北地方の太平洋側では、24時間降水量が軒並み100㎜を超えて、寒気が流れ込んで時ならぬ大雪となった北海道の内陸部や東部では、あちことで24時間降雪量が30cmを超えて、北海道十勝支庁上札内では、実に55cmも、24時間に積もりました。

今回のように、悪天をもたらした低気圧が東に去っても、上空1500m付近で局地的に前線帯が残っていると(引用図②の下側関東付近参照)、当該前線帯の通過と相まって、風速が以外に強まりやすくなります。今回の事例ですと、関東地方周辺がそれにあたります。風速が特に強まる箇所の周辺では、上空3000m付近に目を向けると、下降流と上昇流が局地的に顕著になっていて、当該前線帯のすぐ後ろ側にあたる地域では下降流が特に顕著となっていることも特徴です。

このため、関東地方周辺でも、鉄道の運休や、前記した、成田国際空港での航空機の離着陸の乱れに繫がりました。


本州付近を発達中低気圧通過 26日も全国的に強風や高波に警戒 北日本は大雨や一部大雪も

2009-04-25 23:49:26 | インポート

①4月25日15時の天気図 気象庁HPより引用

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②4月25日9時気象庁発表のFXJP854図(上空1500m付近の風向風速と相当温位分布予想図※左上・・・25日21時予想 右上・・・26日9時予想 左下・・・26日21時予想 右下・・・27日9時予想) 日本気象予報士会HPより引用

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③4月26日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

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4月25日は、日本海と本州南岸とを低気圧が発達しながら東進してきたため、ほぼ全国的に風が強まり、関東以西の太平洋側では所々で大雨となりました。

関東より西の各地を中心に、あちこちで最大瞬間風速が25mを超え、24時間降水量も100㎜を超えた箇所が続出しました。関東平野の各地では、沿岸部で24時間降水量がおおむね60㎜以上となりましたね。

黄金週間初日は、まさに、踏んだり蹴ったりの1日となってしまいました。

26日も、北日本では太平洋側では大雨、寒気が北から流れ混んでくる北海道の太平洋側や内陸部では、季節はずれの大雪となる所も出てきそうです。

さらに、引用図②③より、26日は、ほぼ全国的に、上空1500m付近で風速40ノット以上(北日本や関東海域、日本海中部や東部では所々で50ノット以上)となり、地上付近でも、北日本中心に、経度1度につき2・5hpa   以上となる所も多くなりますから、強風(暴風警報クラス)や高波(波浪警報クラス)には充分な注意が必要ですね。!

ちなみに、関東地方周辺に目を向けると、引用図②より、26日9時には、上空1500m付近で、東北地方から本州中部にかけて、等温位線が混んでおり(前線帯となっています)、そのすぐ南の関東沿岸や東海地方太平洋側では上空1500m付近で南西風がおおむね45ノット~50ノットとなっていますね。ただ、本州東海上にも等温位線が混んでいる部分(前線帯)があり、当該前線帯を挟んで、東側では高温位の気流が大量に流れ混んで東側と西側の温位のコントラストが大きくなっています。引用図③での、低気圧に伴う前線を表現しているものです。

このように、上空1500m付近での前線帯となっているが、相当温位のコントラストがあまり無く、風速が強め(40ノット以上)となっている部分ではその直下の地表付近では、特に風速が増大するものです。よって、関東地方や東海地方周辺でも、風速がことのほか増大することが考えられますから、油断なりませんよ!


週末は大荒れの天気 大雨や強風には警戒!

2009-04-24 14:18:20 | インポート

①4月24日9時の天気図 気象庁HPより引用

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②4月24日9時気象庁発表のFXJP854図(上空1500m付近の風向風速と相当温位分布予想図※左上・・・24日21時予想 右上・・・25日9時予想 左下・・・25日21時予想 右下・・・26日9時予想) 日本気象予報士会HPより引用

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③4月25日21時の予想天気図 気象庁HPより引用

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今週末、4月25日、26日は、発達した低気圧の影響で、ほぼ全国的に強風、また、太平洋側を中心に大雨となる恐れが出てきました。

引用図①③より、24日9時現在、中国大陸東岸に南北に横たわる気圧の谷が東進し、今後、25日には四国沖付近に低気圧を発生させて、日本海と本州南岸とを、それぞれ発達しながら東北東~北東へ進む見込みです。

引用図②より、25日9時には、四国沖に発生すると予想される低気圧に向かって、上空1500m付近では、南海上から相当温位330k以上と、この時期にしては大変暖かく湿った気流が、南~南西風でおおむね60ノット以上と、相当な強風となって流れ込む予想です。その後、相当温位330K以上の部分は25日21時には関東南岸に達して、東北~東海沖にかけて、南東~南西風がおおむね40ノット以上、関東沿岸では、50ノット以上となり、引用図③より、25日21時には、地表付近でも等圧線の幅が経度1度につき、おおむね2.5hpa程度まで狭まりそうです。

このため、4月25日は、東北より西の各地では風が強まり、夕方から夜には関東沿岸では暴風警報クラスの風速に達する所もありそうです。

ですが、25日は、本州南岸沿い地域を中心に、大雨となりそうですね。特に関東地方では、引用図②より、本州の東海上の縁を廻るようにして流れ込む暖湿流と、気圧の谷接近に伴う暖湿流とが合流して流れ込んできますので(引用図②より、24日21時には、関東地方周辺で、相当温位の値が周囲より高まってくる予想ですね。※このように相当温位が周囲より高まっている所や相当温位が局地的に混んでいる所では、上昇気流が局地的に発達しやすく、雨量が多くなるものです。)、雨の降りだしが周辺地域よりも早まり、24日夜から降り出しそうですね。その後、関東平野内陸部の下層には、冷気が対流しやすくなりますので、沿岸部には局地的に、沿岸前線が発生し、雨量が特に多くなる恐れがあります。

26日は、大荒れの地域は北日本へと移ってきそうです。メイストームと呼ぶには早いかな?

皆さん、お気をつけて!


南北に延びる深い気圧の谷が本州へ、これから21日は暴風や大雨に警戒!

2009-04-20 23:06:50 | インポート

①4月20日18時の天気図 気象庁HPより引用

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②4月20日18時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用

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③4月21日9時の天気図 気象庁HPより引用

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西から本州付近へ、南北に延びる深い気圧の谷が接近してきました。

本ブログの昨日4月19日の記事では、西日本を 背の高い高気圧が覆って、各地に高温をもたらしたと言いました。背の高い高気圧は、広範囲に好天や高温をもたらすものですが、当該背の高い高気圧の進行方向後面に入ると、

Ⅰ・後続でやってくる低気圧との間では、等圧線が混み、風が強くなりやすい。

Ⅱ・南から暖湿流が広範囲に流れ込んで、後続でやってくる低気圧の進行方向前面や南側を中心に雨雲(冬季では一部で雪雲)が発達しやすい。

Ⅲ・後続の低気圧の進行速度は該して遅め

以上の特徴があります。

今回4月20日も同様、西日本各地より、南~南東の風が強まり、地形的に南北方向や南東~北西方向に鞍部となっている箇所では、20日夕方より、所々で風速20mを超す非常に強い風となっています。

20日21時現在 愛媛県、大分県、長崎県の一部に、暴風警報や波浪警報が出されています。

引用図①③の等圧線の走向や幅などを勘案すると、これから明日4月21日にかけて、ほぼ全国的に強風が吹きそうで、とりわけ、九州西岸や豊後水道周辺、紀伊水道周辺や、鳥取県、それに、伊勢湾沿岸~若狭湾周辺にかけて富山県、新潟県や山形県庄内平野などの地域中心に、南~南東風が相当強まりそうですね。

更に、引用図②より、黄海や東シナ海にある低気圧の周辺やその進行方前面では、所々に白く輝く雲(雲の活動が活発で強い雨を降らせやすい)が見られますし、引用図③より、引用図①で黄海と東シナ海にある低気圧は、明日4月21日9時になっても、ようやく朝鮮半島のすぐ東と四国沖に進んでくる予想で、低気圧の進行速度が遅いことが解ります。

4月21日は、ほぼ全国的に強風や海上では高波、それに、太平洋側を中心に大雨にはご注意ください!


西日本の一部で本年初真夏日

2009-04-19 23:21:20 | インポート

①4月19日12時の天気図 気象庁HPより引用

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②4月19日9時気象庁発表のAXFE578図(上側・・・・・上空5500m付近の等高度線と渦度分布図 下側・・・・・上空3000m付近の気流の鉛直方向の動向と上空1500m付近の気温と風向風速分布図) 日本気象予報士会HPより引用

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4月19日は、西日本を中心に晴れて気温が上がりました。

最高気温は、大分県玖珠と広島県加計で30・3℃、大分県犬飼で30・2℃と、本年になって始めて、最高気温が30℃以上となる 真夏日 となりました。

他の西日本各地でも、軒並み、最高気温が25℃以上を観測しています。

今回の高温ですが、引用図②の上側図より、西日本の上空5500m付近では、気圧の峰があり、引用図②下側図より、上空3000m付近では、下降流が卓越しており、このため、西日本の広範囲で気温が12℃以上と、夏の陽気となっています。さらに上空1500m付近では、山陰沖で時計周りの気流の流れとなっているのが解りますよね。

つまり、西日本上空では上空まで高気圧の勢力が及んでおり、山陰沖に高気圧が隠されているわけです。このため、西日本の各地で、気温が上がった理屈です。

引用図①より、地上天気図上では、日本海中部の高気圧の中心がありますが、当該高気圧、等圧線の走向より、ほぼ南方向へ勢力を広げて、西日本各地は、高気圧の勢力下に入っていますが、高気圧が、このように、南北に広く張り出す場合(東西方向に広く張り出す場合も同様)が、当該高気圧は、決まって、上空まで勢力が及んでいる、背の高い高気圧 となっているものです。

背の高い高気圧は、下降流が水平方向のみならず、鉛直方向にも広範囲に卓越していますから、下層では気温が高いなり、地表付近の高温に繫がります。ただ、梅雨期のオホーツク海高気圧のように、上空5500m付近で、当該高気圧の前面が気圧の谷になっていて、上空1500メートル付近で寒気移流が強まっている場合だと、話は別。高気圧の進行方向前側や南縁側にあたる地表付近では、気温が低くなってしまいます。