カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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京都市内でも大雪!大雪警報も!!本年1月21日の事例より

2022-02-04 01:25:32 | 日記
①1月21日6時の天気図 気象庁HPより引用


②1月21日12時までの近畿地方周辺12時間降雪量日最大値画像


1月20日夜遅くから翌21日昼頃にかけて、京都市内周辺でも大雪となり、京都で最大14㎝の降雪を観測しました。

引用図②より、降雪量は通常降雪量多い近畿地方日本海側よりも、京都市内周辺で降雪量が多くなっておりました。

これは、なぜか?ですが


③20日21時と21日9時の日本付近上空5500㍍付近渦度分布図 日本気象予報士会HPより引用
(気象学上、渦度は渦巻の度合いを示す。正渦度は縞状表示で
低気圧性循環の度合い。負渦度無地上表示は高気圧性循環の場の度合い。図内数値は当該度合いを数値化したもの。
正渦が移流する場は、雲を発生発達させる場、反対に負渦度移流する場は雲を衰弱させる場となります。正渦度移流域と負渦度移流域の中間は渦度0線といいまして、中層から上空5000㍍でも強風域で、中層では、上昇流と下降流の境界をしますもの)
ⅰ:

ⅱ:


④1月21日3時、6時、9時の近畿地方周辺レーダーエコー図 日本気象協会HPより引用
ⅰ:21日3時 ⅱ:21日6時 ⅲ:21日9時を示す
ⅰ:

ⅱ:

ⅲ:


引用図にはありませんが、前日から21日早朝にかけて、石川県輪島上空5500㍍付近-35℃の寒気の中心が通過して能登半島周辺を通過して、引用図③より、近畿地方では、20日夜以降偏西風帯の谷Aが通過したとみられ、 正渦度移流の場となって、北〜南方向から北北西〜南南東方向に帯状に正渦が移流してます。帯状に雪雲が発達する場となっていますね。
また、概ね北〜南方向北北西〜南南東方向に走る渦度0線が21日9時頃差し掛かっていることより、中層から上空5500㍍付近も北〜北北西の強風域に入りつつありますので、日本海の雪雲が近畿地方内陸部にも流れ込みやすい状況下であったといえます。

引用図④ 近畿地方地形図 国土地理院HPより引用



そこに、引用図④より、京都府北部〜中部上空1000㍍付近より上側は、地形的にほぼ南北方向に京都市街周辺へ向かって鞍部となっています。このため、とりわけ、京都市内周辺でも、雪雲がかかり続け、大雪となったわけです。

石川県輪島上空5500㍍付近-35℃以下、500㍱正渦度移流域が帯状で概ね北〜南から北北西〜東南東で、渦度0線のすぐ前側にあたる 京都市内で大雪警報クラスの降雪となる目安です。

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