カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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あすの初日の出 関東以西では望み薄

2006-12-31 16:14:15 | インポート

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引用図は、12月31日12時の天気図です。気象庁HPより引用。

31日は、大陸にある高気圧が移動性となって日本海西部に進んできました。

このため、昨日まで降り続いていた、北日本の日本海側の雪も小康状態となり、南西諸島や伊豆諸島南部を除いて、晴天に恵まれた箇所が多くなりました。

ただ、今後の天気(特にあす元旦の初日の出が見られるかどうかにもかかわることですが)を左右するであろう、懸念するべき現象が雲画像上に見られて、その現状が時間経過するにつれて、顕著になってきています。

それは、日本海西部にある高気圧の中心が、あす元旦1日は、本州の東海上に移動して、本州付近は、あす1日は、西から 気圧の谷の中に入り、天気が下り坂になりことですね。

その様子を、気象庁HPより引用した、1月1日9時の予想天気図でご覧いただきます。

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もうひとつ、今日31日未明より、伊豆諸島近海に シアーライン(関東平野からの北~北東風の気流と、東海道沖の北西風とが衝突している地域ですね)が、発生し、当該シアーライン上に雲(背の低い雲ですね。赤外画像では、ぼやけて写りますから、可視画像を引用しました。)が、さらにまとまってきていることです。

気象庁HPより引用の、①12月31日9時の日本付近雲画像図(可視)と ②12月31日15時の日本付近雲画像図(可視)でご覧いただきましょう。

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→②20061231150000

引用図では、伊豆諸島近海のシアーラインに伴う雲に注目です。

伊豆諸島近海に、シアーライン(関東平野からの北~北東風の気流と、東海道沖の北西風とが衝突している地域です)が発生すると、地形的要因と、房総半島南東沖からは、東~南東風も房総半島南部に入ってくることから、千葉県の館山周辺では、朝晩、局地的にかなり冷え込みます。今日31日も、隣接している、房総半島沿岸部や三浦半島沿岸部では、最低気温が3℃~4℃台でしたが、館山の31日の最低気温は、-0・7℃を観測しています。

当該シアーライン上に発生した雲の様子を、引用図①と引用図②とで比較すると、次第に雲の集団が広がっている様子がわかりますよね。

今後、日本海西部の移動性高気圧が東進するにつれて、当該移動性高気圧の南縁を吹く、湿った北東から東より風(一部、南海上より南東風も入ってくるでしょう)が吹き付けて、更に、この雲の集団は北へも広がり、あす1日未明以降、関東地方(特に南部沿岸部)を曇らすようになるでしょう。

ちなみに、この雲の集団は、その後、更にまとまって、1日日中には、低気圧として解析される(このシアーライン上に低気圧が発生する)ようになるでしょう。

よって、あす2007年元旦初日の出は、西日本の各地(特に太平洋側)や、関東地方南部沿岸では、期待薄ですね。、前記したシアーライン上の雲の動向によっては、関東地方南部一帯が、1日明け方から曇天となる可能性も大きいでしょう。

関東北部の山地の稜線や北日本では、初日の出拝める可能性は比較的高そうです。


29日は、まさに年末寒波襲来 日本海側各地で大雪 伊勢湾岸地域でも積雪

2006-12-30 01:22:32 | インポート

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引用図は、12月29日12時の天気図(左側)と、12月29日9時にのAXFE578図です。ともに気象庁HPより引用。

28日の記事で紹介したように、本州付近では冬型気圧配置が強まり、上空には強い寒気も流れ込んできたため、日本海側の各地では軒並み大雪となりました。29日丸1日で70cmを超す降雪となった箇所も続出しています。

本ブログ12月3日と12月24日の記事で紹介した通りに(特に12月24日の①で紹介したことですが) 、

1・引用図右側上側より、正渦度移流域のひとつが北陸西部上空から濃尾平野上空を通過していたこと

2・上空1500メートルから3000メートルの風向が北西から北北西で、地表まで風向はほぼ同一若狭湾から関が原を経て、伊勢湾岸までの地形的鞍部の方向と一致したこと

3・引用図にはありませんが500hpaの気温が北陸地方上空で-36℃以下となったこと 

が重なり、強い雪雲が、日本海側ばかりでなく、若狭湾から関が原を経て、伊勢湾岸まで帯状に延びてきたため、名古屋を含む、伊勢湾岸の各地でも雪となり、積雪となった箇所も多かったですね。

この雪のため、中部国際空港では、29日、一時、積雪のため航空機の離着陸ができず、滑走路が閉鎖されたほどでした。

この様子を、12月29日12時の日本付近レーダーアメダス解析雨量図でご覧いただきましょう。

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冬型気圧配置の降水雲の強弱分布については、本ブログ、12月3日と12月24日の記事を今一度参考されて、活用なさってください。


年末寒波 これから日本海側は広範囲で大雪 名古屋でも積雪の恐れ 海山は大荒れ

2006-12-28 19:03:33 | インポート

06122815 引用図は12月28日15時の天気図です。気象庁HPより引用。

引用図にはありませんが、この時間、本州中部上空を偏西風の谷が通過中で、500hpaの正渦度の南端にあたる伊豆諸島や静岡県伊豆地方南部など、特に西風が強まり、瞬間で30メートル近い突風を観測しています。

これから、本州付近は冬型気圧配置が強まり、上空には強い寒気も入ってきますので、日本海側の広い範囲で大雪 また、本州付近では等圧線が縦縞状に非常に混みますので、全国的に季節風が強まり、海山では大荒れとなるでしょう。

06122809 その様子を。引用図の12月29日9時の予想天気図(気象庁HPより引用)でご覧いただきましょう。

引用図はないものの、冒頭で、この時間、500hpaの正渦度が本州中部を通過中といいましたが、この後ろ側に、別の500hpaの正渦度があり、明日朝には、若狭湾上空から濃尾平野上空を通過する予想です。ちなみに、この正渦度にあたり、当該正渦度の縁の方向と地表の風向が一致するようになる、関東地方周辺では、北西から北より風が、特に強まるでしょうね。

また、明日29日9時には、各種予想図(引用図がなくてすみません)より、北陸地方上空5300メートルで気温が-36℃以下まで下がる見込みです、また、若狭湾から伊勢湾上空にかけて、北西風が40ノット程度と強まる見込みです。こうなると、濃尾平野から名古屋付近では、日本海側からの雪雲が発達するところへ、若狭湾から関が原、濃尾平野と広がる、地形的鞍部に、当該雪雲が帯状に広がって、名古屋付近でも積雪となる恐れがあります。(この名古屋周辺の大雪ついては、本ブログでも、昨年12月23日の記事で紹介しています。)

あすからは、年末年始の休みに入り、規制される方々も多いと思われますが、広範囲で交通機関に影響が出そうですね。最新の情報を入手して、くれぐれも事故のないように!


冬の嵐は北日本へ広がる28日は再び西から天気荒れ模様 平地でも積雪のところも

2006-12-27 22:23:55 | インポート

06122715 引用図は、12月27日15時の天気図です。気象庁HPより引用。

昨日26日からきょう27日明け方にかけて、関東地方などに12月としては観測史上最高の大雨を降らせた低気圧は、今日27日朝には、東北地方の太平洋側に達して、更に発達を続けながら三陸沖を北上しています。

このため、大荒れの天気は北日本へも広がり、北海道や東北北部でも、12月としては珍しい大雨となりました。

また、北日本、東日本を中心に等圧線が混んで、風が相当強まり、栃木県の奥日光では14時53分に最大瞬間風速が42・3メートルを観測したのをはじめ、八戸、深浦、石廊崎、三宅島で、最大瞬間風速が30メートルを超えました。

気象庁のある東京都大手町でも、14時31分に最大瞬間風速27・4メートルの強い風を観測し、特に関東地方では、北部や西部の山脈を気流が越える際にフェーン現象が発生したこともあって気温が上昇し、最高気温が、軒並み20℃を超えて、まるで冬とは思えない暖かな1日となりました。

この、各地に荒れ模様の天気をもたらした低気圧は、あす28日には千島近海に進みます。北海道では、あすまで荒れ模様の天気は続くでしょう。

引用図は①12月28日9時の予想天気図です。気象庁HPより引用。②は、12月27日9時のAXFE578図です。この図は日本気象予報士会HPより引用しました。

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引用図②より、あす28日は、上空の偏西風の谷が西から本州に接近してきて、夕方から夜にかけて、本州中部付上空を通過するでしょう。

この偏西風の谷の後面からは、強い寒気がどっと流れ込む予想(上空1500メートル付近でも-6℃以下となります)で、西日本では、日本海側は広範囲で大雪となり、平地でも積雪となる箇所もある模様で、関東周辺でも、北陸地方や北部山間部はもとより、普段雪が少ない、長野県中部や南部あたりでも、まとまった降雪となる恐れがあります。

関東地方平野部でも、午後から宵の内にかけて、大気が不安定となって雲が広がり、雨や雪がぱらつくところもありそうです。

さらに、あす午後から夜にかけて、関東南部沿岸から伊豆諸島北部、静岡県沿岸上空では、引用図②の上方の図に注目すると、正渦度(斜線部分)の南縁(上空の特に風が強い部分です。強風帯などとも呼んでいます。)に入り、上空と地表が同一風向(西より風)となりますので、西よりの風が相当強まるでしょう。

地形的に西より風が強まりやすい、伊豆諸島(とりわけ新島周辺)や伊豆半島などは要注意です。暴風警報クラスの風速となる懸念もあります。

海上では、北日本近海や日本海周辺のみならず、西より風が強まる、関東南部海域から東海沖でも、かなりしけますから、船舶関係は警戒してください!


冬の嵐次第に北へ広がる

2006-12-26 18:11:15 | インポート

06122615 引用図は、12月26日15時の天気図です。気象庁HPより引用。

低気圧が発達しながら本州の南海上を北東へ進んで、今夜半には関東南岸へ達する見込みです。

すでに、今日26日未明より、沿岸前線に伴う強い雨雲が伊豆諸島南部にかかり、三宅島阿古では、26日17時までの24時間に154・5ミリを観測したほか、26日17時現在、沿岸前線に伴う発達した雨雲に覆われた千葉県の館山では17時までの24時間に92ミリの降水を観測しております。

この雨雲に後続して、低気圧本体の発達した雨雲が、低気圧の北東への移動とともに、本州の太平洋側にかかってきます。

すでに、千葉県付近には、沿岸前線が発生しており、低気圧の接近に伴って、南からに暖気が当該沿岸前線に吹き込んできていますので、この沿岸前線は、その活動をさらに強めそうです。

その様子を ①左側が26日12時のアメダス関東周辺風向風速図と右側が26日12時のアメダス関東周辺気温分布図 と②左側が26日17時のアメダス関東周辺風向風速図と右側が26日12時のアメダス関東周辺気温分布図 でご覧いただきましょう。※引用図は気象庁HPより引用です。

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200612261200002 → ③20061226170000

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この千葉県の沿岸前線上で雨雲がまとまっています。気象庁HPより引用の、③26日12時の本州付近レーダーアメダス解析雨量図と ④26日17時の本州付近レーダーアメダス解析雨量図で比較してみましょう。

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→④200612261700

今後、この沿岸前線上に、低気圧が接近・通過しそうです。当該沿岸前線の活動はさらに活発になり、この沿岸前線上で特に雨量が多くなるばかりでなく、沿岸前線上を低気圧が接近・通過する際には、竜巻や突風が発生する懸念もありますね。

今後、明日明け方にかけて、紀伊半島や関東や東海の沿岸部(特に千葉県周辺)、伊豆諸島では大雨に警戒が必要です。

また、低気圧が発達しながら関東沿岸から東北地方太平洋岸へと進むため、関東地方沿岸(特に千葉県、茨城県の太平洋側)や東北地方では 暴風や海上の高波にも気をつけてください。

26日17時現在、千葉県北東部や、夷隅・安房地域には暴風警報が、茨城県から伊豆諸島までの広い範囲に波浪警報が出されています。

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引用図は、気象庁HPより引用の、27日9時の予想天気図です。

この引用図より、低気圧は、さらに発達して、明日27日朝には、東北地方太平洋岸に達する予想です。

この冬の嵐の区域は、北へと広がってきそうです。あすは、東北や北海道太平洋側で、大雨や強い風に要注意です!