カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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台風20号は伊豆諸島の南を北東へ 大陸からは涼しい秋の気団が南下

2013-09-25 18:11:54 | インポート

①9月25日15時の天気図 気象庁HPより引用

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②9月25日9時の日本付近雲画像図(水蒸気画像で拡大版) 気象庁HPより引用

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③9月25日15時の日本付近雲画像図(水蒸気画像で拡大版) 気象庁HPより引用

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④9月26日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

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本州の南海上で勢力を強めた台風20号ですが、進路予想では、次第に進路を北東へとり、伊豆諸島の南海上を進んで、明日26日には、関東の南東海上へ進む予想です。(引用図④)

このため、太平洋沿岸では、北日本~西日本、それに南西諸島にかけて、台風からのうねりが明日まで高く、特に、関東南東海上や伊豆諸島近海では大シケが予想されます。

一方、引用図①②③より、北海道付近にある低気圧から延びる前線に沿って、水蒸気画像上で、白い帯状の画像域が中国大陸まで延びています。その北側では、水蒸気画像上の暗域がU字型に広がり、これは、比較的低温で乾いた秋の気団がある様子を示しておりますが、引用図②③と比較すると、次第にこの秋の気団が南下してきております。

引用図④より、26日9時には、本州付近では等圧線が混んで、前記した比較的低温で乾いた秋の気団が北より風(一部で北東風)となって、本州付近で流れ込んでくる予想です。

とはいえ、前記した、比較的低温で乾いた秋の気団の外縁に位置する、白い帯状の画像域は、上空3000m付近の上昇流が分布しているもの。この帯状の上昇流の通過時には、気流が乱れて、航空機にとっては、乱気流の原因にもなりますし、通過直後は上空3000m付近では、反対に下降流が顕著になりますから、風が強まり、山越えのおろし風が局地的に発生することも考えられますから、この点は、ご留意ください!


台風18号は今朝東海地方へ上陸 近畿、東海では記録的豪雨の所も 福井,滋賀,京都には初の特別大雨警報

2013-09-16 18:12:08 | インポート

①9月16日3時の天気図 気象庁HPより引用

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②9月16日3時の日本列島レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用

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③9月16日3時の全国ウインドプロファイラー風向風速分布図 気象庁HPより引用

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台風18号は、16日7時過ぎに愛知県豊橋市付近に上陸、その後、本州を速度を速めて縦断し、夕方には東北地方太平洋沿岸に達しました。

私自身、レーダー画像より、近畿地方(特に中部から北部中心)から北陸地方西部に、昨夜遅くから、1時間に30㎜~40㎜相当以上の非常に強い降水域が広範囲に停滞気味となっているのを発見、特に監視していて、この地域での大雨災害を懸念しておりましたが、案の定、近畿各地で河川の氾濫や土砂災害など多発してしまいました。

16日5時過ぎには、京都府、滋賀県、福井県に、運用開始初の特別警報(今回は特別大雨警報)が発表されました。

この、近畿地方中心とした記録的豪雨ですが、前日より、日本海に上空3000m付近の上昇流に台風からの暖気が入り、前線を形成し、この付近で、帯状に雨雲が発達して、本州へ移動してきました。引用図②より、北陸沿岸にこの形跡が見られますが、この前線の降水域と台風の降水域とがつながって、近畿地方中部から福井県周辺に、特に発達した降水域が見られます。

一方、引用図③より、紀伊半島の東側の下層では、、伊勢湾周辺から東南東風として、台風18号に伴う暖湿流がかなり強く(名古屋上空1000mで風速30m以上)流れ込んでいる状態であり、上空1000m付近の風向で、紀伊半島東側の尾鷲や名古屋では東南東の風向ですが、日本海側の福井や鳥取では、おおむね北東風と、近畿地方中部周辺に気流のコントラストが見られ、この地域に、前線が位置しているものと推定されます。

前線が位置する箇所に、台風からの暖湿流が入り込んだことと、さらに、関ヶ原や鈴鹿山地周辺の地形的鞍部を暖湿流が迂回し、暖湿流同士、収束されたことも加わり、この地域で、暖湿流の上昇が非常に強まって、その状態が、15日深夜から16日朝方まで数時間持続されたため、近畿地方周辺で、今回の、記録的豪雨を発生したと、私は考えます。

台風18号、この近畿地方周辺の記録的豪雨ばかりではなく、東海地方や甲信地方、関東地方山間部中心にかなりの大雨をもたらしましたし、紀伊半島沿岸や、関東平野の一部には、竜巻などの突風ももたらしました。また、台風が通過した、近畿や東海、関東、東北南部では、16日15時までに、瞬間で30mを超す暴風をあちこちにもたらしました。神戸市周辺には、六甲下ろし とみられる局地的な暴風が吹き荒れ、神戸では瞬間最大風速 38・2mを観測しております。

台風18号は、16日夕方には、東北地方太平洋沿岸に進んで、北海道東部に向かっております。大きな災害が発生しないことを切に祈っています。


台風18号 16日に本州縦断か

2013-09-15 18:10:53 | インポート

①9月15日15時の天気図 気象庁HPより引用

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②9月15日15時の日本付近雲画像図(水蒸気画像で拡大版) 気象庁HPより引用・加工

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③9月16日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

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台風18号は本州目がけて北上中です。

すでに、台風の外側を取り巻く活発な雲の集団がかかり、関東や東北では所によって1時間に60㎜を超す非常に激しい雨を観測し、浸水家屋が発生したり、一時、東海道新幹線も神奈川県内で不通となるなどの被害も発生しました。

台風18号は、引用図①より、15日15時現在、四国のはるか南海上を北へ進んでいます。引用図③より、台風18号の北北東側の北海道や、東北、関東の一部では、白く輝く画像域も見られます、さらに、台風の北北東側には、帯状に白い画像域が広く広がり、大陸方面から移動してきた暗域の外縁部も、日本海北部~東シナ海東部へとくっきりと見られます。

私自身、台風が本州接近時には、水蒸気画像に注目し、台風の進行方向前側の雲の形や、水蒸気画像の暗域の位置に注目しております。

ⅰ:台風は、水蒸気画像上で、台風から進行前側方向へ延びる帯状の画像域に沿って進む

ⅱ:前記した、台風の進行方向前側方向の帯状画像域と、隣接する暗域との画像のコントラストが明瞭になるほど、台風を帯状画像行きの方向へ押し流す上空の気流の風速は強くなる

ⅲ;台風の北西側からの暗域が流れ込む範囲が広がるほど、台風の北西側からは寒気移流が強い証拠で、こういう台風は、進行方向右側のみならず左側でも広範囲で強風に見舞われる。ⅱ、ⅲの状態を併せ持つ場合、台風の進行方向右側と左側の双方で、広範囲に渡って強風に見舞われる。

(ⅰ、ⅱ、ⅲとも筆者調べ)

という経験則がありますが、今回の事例に当てはめると、台風18号の進行方向の本州上では、帯状画像域が北北東方向へ分布し、その西側の暗域がくっきりとしてします。

よって、今回の台風18号、気象庁の台風進路情報を参考にすると、本州へ接近するにつれて、次第に速度を上げて進路を北北東へとり、紀伊半島~東海地方へ明日16日午前中に上陸し、本州を北北東へ進むものと見られます。

これから16日にかけて、東北から関東、中部、近畿、四国東部にかけて大雨、さらに、東北から関東、中部では、台風が通過したり、台風の進行方向右側に入るため、暴風に厳重な警戒が、さらに、近畿や中国、九州北部でも、暴風やかなりの強風が吹くものと思われます

兵庫県神戸市周辺の 六甲おろし や 岡山県北部奈義地域の 広戸風 などの局地風も強まり気象状況となりますから、どうが、お気をつけてください!

最後に、関東地方から東海地方沿岸~紀伊半島沿岸では、台風が接近する夜間~朝方にかけて、局地的に地表付近での気流のコントラストが生じやすく、こんな状態下の場所に、台風を取り巻く発達した雨雲が差し掛かると、竜巻などの激しい突風も起こりやすくなるもの。この点にも、どうかご留意ください!


4日午後から夕方にかけて 近畿や中京地区で記録的大雨!

2013-09-04 23:05:55 | インポート

.①9月4日15時の天気図 気象庁HPより引用

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②9月4日15時の全国ウインドプロファイラー風向風速分布図 気象庁HPより引用

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③9月4日15時の全国レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用

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9月4日は、台風17号から変わった低気圧が本州南岸を進んで、寒冷前線が日本海から本州上を南下してきましたが、台風17号から変わった低気圧の縁を廻るようにした入り込んだ暖湿流と、日本海から本州に南下する寒冷前線に伴う暖湿流とが合流した、近畿地方や中京地区では、記録的が豪雨となりました。

特に、名古屋市を中心とした、愛知県や岐阜県、三重県などの中京地区では、4日15時過ぎより、所によっては、1時間に100㎜を超すような記録的な大雨となり、4日夕方、名古屋市全域に、避難準備情報も出されたほどでした。

このような、記録的大雨になる場合、地表付近の気流の局地的な収束もさることながら、暖湿流の収束(上空1000m付近)も大きな要素になると、私は考えています。

引用図②より、4日15時現在、上空1000m付近で、名古屋では南南東風で20m以上とといまっています。これは、四国沖にある台風17号から変わった低気圧の外縁を廻るようにして南南東風として伊勢湾方面に流れ込んだ暖湿流が強まっている様子ですが、名古屋の北西側の福井では、北より風10m以上と、寒冷前線が通過直後である様子で、4日15時現在、寒冷前線が濃尾平野付近に差し掛かっていることが推測されます。

通常、寒冷前線は、前面に南西風として、暖湿流が流れ込んでいるもの。前記した、四国沖にある台風17号から変わった低気圧の外縁を廻るようにして南南東風として伊勢湾方面に流れ込んだ暖湿流と、濃尾平野周辺で暖湿流同士が合流していることが解ります。

異なった気流の暖湿流同士が合流すれば、当該合流箇所では、上昇気流が周辺地域よりより一層強まることは当然の成り行きとなります。

引用図③より、4日15時現在、寒冷前線に伴う南西風の暖湿流と、台風17号から変わった低気圧の外縁部を流れてきた、南南東風の暖湿流とが合流している濃尾平野周辺で、特につ陽降水域が発生ていることが判ります。

台風(台風から変わった低気圧も同様)、前線、太平洋高気圧の外縁が、天気図上にある場合、それぞれから暖湿流が流れ込んで、当該暖湿流同士が合流した箇所で、特に雨雲が発達するものです。

そして、このような、異なった気流の暖湿流同士が合流して引き起こす大雨は、当該暖湿流を供給している台風、低気圧や前線の移動と共に、その移動方向へ移動するといった保存性もあります。

よって、これから、5日は、東海や関東、東北では、大雨には充分な警戒が必要ですね!


今度は 栃木県内で竜巻発生 家屋被害も!

2013-09-04 14:58:51 | インポート

①9月4日12時の天気図 気象庁HPより引用

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②9月4日11時のアメダス関東周辺風向風速分布図 気象庁HPより引用

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③9月4日12時のアメダス関東周辺風向風速分布図 気象庁HPより引用

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④9月4日13時のアメダス関東周辺風向風速分布図 気象庁HPより引用

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おととい、埼玉県さいたま市や、越谷市や松伏町、千葉県野田市や茨城県坂東市などに竜巻が発生、かなりの被害が発生しましたが、その余韻さめやらね4日、今度は、関東地方北部の栃木県内鹿沼市や矢板市、塩谷町などに竜巻が発生、家屋被害など生じている模様です。

⑤栃木県を含む関東地方各観測地点の位置 気象庁HPより引用

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引用図②③④より、栃木県内には、11時から13時にかけて、南部から南より風が次第に吹き込んで、北部や西部の風向が疎らな地域とぶつかり、風向の明瞭な不連続部分(シアーライン)を形成している様子が解りますが、今回も、このシアーライン上を発達中の積乱雲が進んでいったことは、2日の事例と同様です。

まず、鹿沼市内には、4日12時頃~12時30分頃にかけて、竜巻が発生した様子ですが、

⑥4日12時~12時30分まで5分間間隔での、レーダーエコー合成図関東地方周辺の画像(⑥ⅰ12時 ⑥ⅱ12時05分 ⑥ⅲ12時10分 ⑥ⅳ12時15分 ⑥ⅴ12時20分 ⑥ⅵ12時25分⑥ⅶ12時30分)をご覧下さい

⑥ⅰ                           

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⑥ⅱ

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⑥ⅲ

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⑥ⅳ

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⑥ⅴ

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⑥ⅵ

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⑥ⅶ

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引用図⑤での、鹿沼市の位置を参照しながら画像7枚の変化をご覧頂ければと思いますが、引用図②③で紹介した、栃木県内の風向のシアーライン上の鹿沼市周辺に、発達中のエコー(積乱雲)やってきて、当該シアーライン上で発達しながら、エコーの形を、南北方向に長円を持つ楕円形から、その長円が、北西~南東→ほぼ西~東方向へと変化しており、このエコー(積乱雲)は半時計方向へ回転している様子が解りますね。

さらに、鹿沼市の北東側、矢板市や塩谷町などには、竜巻は13時10分頃発生した様子ですが、

⑦4日13時~13時30分まで5分間間隔での、レーダーエコー合成図関東地方周辺の画像(⑦ⅰ13時 ⑦ⅱ13時05分 ⑦ⅲ13時10分 ⑦ⅳ13時15分 ⑦ⅴ13時20分 ⑦ⅵ13時25分⑦ⅶ13時30分)をご覧下さい

⑦ⅰ

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⑦ⅱ

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⑦ⅲ

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⑦ⅳ

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⑦ⅴ

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⑦ⅵ

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⑦ⅶ

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⑦内の画像においても、引用図⑤での、矢板市や塩谷町の位置を参考にしながらⅰ~ⅶまでの矢板市や塩谷町周辺に掛かるエコー(画像域)の変化に注目いただきたいと思います。

⑥ⅰ~ⅶまでの鹿沼市周辺に竜巻を発生したと思われるエコー取りも小さいですが、13時より時間経過するにつれて、矢板市周辺や塩谷町周辺のエコーの形状は、発達しながら点型が次第に大きくなり、丸型から、北西~南東方向へ長円を持つ楕円形型に変化しており、このエコー(積乱雲)は半時計方向へ回転している様子が解りますね。さらに、矢板市付近~塩谷町付近にかけて、反時計回りに回転するエコーが3個連なっている様子も解ります。

つまり、今回の竜巻は、鹿沼市周辺と、矢板市周辺~塩谷町周辺とは、異なる竜巻が発生したといえますし、矢板市周辺~塩谷町周辺では、少なくとも、3つ以上の竜巻がはっせいしていたのでは、と私は、考えています。