カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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本日から 特別警報 実施!

2013-08-30 16:32:13 | インポート

引用図は、特別警報基準一覧図です。気象庁HPより引用

<気象関係>

Kizyun

<地震、津波、火山噴火関係>

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気象庁より、本日8月30日0時から、特別警報運用がスタートしました。

特別警報が運用される基準(数十年に一度の降雨量や強度)の指標は、気象関係では

http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/tokubetsu-keiho/shihyou.pdf

にその詳細が記されておりますので、ご参考いただければ、と思います。

大雑把に言って、

◇大雨の場合、3時間で150㎜~200㎜以上の降水地点が散見されたり、

◇台風や低気圧の場合、沖縄、奄美、小笠原で、中心気圧910hpa以下、中心付近の最大風速60m毎秒以上、沖縄、奄美、小笠原以外の地域では、中心気圧930hpa以下、中心付近の最大風速50m毎秒以上の台風が襲来する地域

といったところですが。

特別警報が発表される場合、事前予報にて発表されるケースは、前記したような、非常に強い勢力の台風や低気圧が直撃される場合が考えられますが、昨今、多発している、ゲリラ豪雨 については、事前予報での特別警報は、まず困難といって良さそうです。

そのために、従来の、注意報・警報の発表される意味合いを今一度しっかりと認識して、早めの対応を取ることが、防災活動には不可欠であると、私は思います。

私自身、このために、警報発表後についても、気象業務法での関係機関への周知義務を仮説べきだと考えていますが。特別警報発表前に、必ず 警報が発表される訳ですから。


ついに日最高気温記録を更新!高知県江川崎で41・0℃

2013-08-12 17:58:56 | インポート

①引用図は8月12日16時までの全国観測地点日最高気温分布図です。気象庁HPより引用。

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②8月12日9時の天気図 気象庁HPより引用

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③8月12日9時の気象庁AUPQ78図 日本気象予報士会HPより引用

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③8月12日9時の気象庁AUPQ35図 日本気象予報士会HPより引用

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④8月12日9時の気象庁AUPA20図(200hpa東圧面の位置を示します。圏界面付近です。)日本気象予報士会HPより引用

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連日、東北地方より南の各地域では、灼熱ともいえるような猛烈な暑さが続いています。

東京都心も、11日は、23時49分に30・4℃間でしか気温が低下せず、日最低気温の最高を更新してしまいました。(ちなみに、これまでの記録は、平成16年7月21日の29・6℃です。)

12日、とうとう、日最高気温の記録更新を迎えました。高知県江川崎(四万十市)で、最高気温が41・0℃を。観測しました。これまでの日最高気温の最高記録は、平成19年8月16日に、埼玉県熊谷と岐阜県多治見で観測した、40・9℃となっていました。

引用図②③④より、本州付近(特に東北地方より南側)では、地上から圏界面(高度およそ12400m)まで勢力を広げる高気圧がデンと居座っております。これは、上空5500m付近までは、太平洋高気圧、その上側上層ではチベット高気圧ということになりますが、こういう、太平洋高気圧の上側にチベット高気圧が重なっている状態は先週中旬から続いており、少なくとも、今週一杯までこの状態は続く予想です。

特に、太平洋高気圧とチベット高気圧とが重なり合って、太平洋高気圧がより背の高い状態ですと、海岸部で日中卓越する海陸風が吹きにくくなり、内陸、海岸部ともに高温となってしまうのが特徴です。

まだまだ猛烈な暑さが続きそうです。熱中症には充分に注意をなさってください!!


まさに灼熱列島!2日連続40℃以上の地点も!

2013-08-11 17:32:33 | インポート

①8月15日15時までの全国各観測地点最高気温分布図 気象庁HPより引用

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②8月11日9時の天気図 気象庁HPより引用

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③8月11日9時の気象庁AUPQ78図 日本気象予報士会HPより引用

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④8月11日9時の気象庁AUPQ35図 日本気象予報士会HPより引用

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8月11日も、日本列島では、東北以南の各地で猛暑が続きました。

東京都心では、11日9時までの最低気温が30・9℃までしか下がらず、このまま、11日中に29・6℃以下にならないと、観測史上最高となる最低気温(現在までの1位は、平成16年7月21日の29・6℃)となってしまいそうです。

日中の最高気温ですが、甲府で40・6℃、高知県江川崎では40・4℃を観測し、それぞれ2日連続の40℃以上の最高気温となりました。

さらに、千葉県茂原で39・9℃、静岡県天竜やおなじく静岡県浜松では39・8℃を観測したほか、関東以西の各地で、軒並み最高気温37℃~39℃と、体温を凌ぐ猛暑となりました。

主な各観測地点の最高気温は以下の通りです。

千葉 38・4℃

東京都心 38・3℃

横浜 37・4℃

名古屋 37・3℃

京都 39・0℃

大阪 37・6℃

神戸 37・2℃

広島 35・7℃

福岡 36・6℃

この、連日にわたる灼熱のような猛暑、引用図②③④より、中国大陸の上空10000m付近にあるチベット高気圧が本州上空まで勢力を広げて、太平洋高気圧の上側に重なるようになって、上空10000m以上の高さまで背を連ねている太平洋高気圧に、ここ数日覆われており、地表付近の温度が上昇しているため ですが、こういう、極めて背の高い状態の太平洋高気圧に覆われ続けられると、海岸部では日中の海陸風も吹きにくくなり、内陸から海岸部まで、猛暑が続いてしまうようになります。


まさに記録的猛暑!国内4観測地点で最高気温40℃以上!

2013-08-10 17:53:36 | インポート

①8月10日16時までの国内各観測地点最高気温分布図 気象庁HPより引用

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②8月10日9時の天気図 気象庁HPより引用

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③8月10日9時の全国ウインドプロファイラー風向風速分布図 気象庁HPより引用

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④8月10日9時の気象庁AUPQ35図 気象庁HPより引用

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猛暑続いている日本列島(東北地方より南側)の各地ですが、10日は、前日を凌ぐ猛暑となり、国内の観測地点のおよそ4分の1となる294地点で、最高気温が35℃以上となる猛暑日を観測しました。

さらに、最高気温が 

高知県江川崎 と 山梨県甲府で 40・7℃

山梨県勝沼で 40・5℃

群馬県館林で 40・1℃

と、国内観測地点4地点で40℃以上を観測しました。

このほか、主要な各都市での最高気温は、

京都で 38・2℃

名古屋で 37・6℃

東京(都心)と千葉で 37・4℃

大阪で 36・8℃

横浜で 36・7℃

福岡で 36・6℃

仙台で 35・6℃

広島で 35・5℃

と、猛暑日は、東北地方から九州地方までに広範囲で観測されました。

この猛暑ですが、今月7日以来、本州付近で、太平洋高気圧と、上空10000m付近のチベット高気圧とが合致して、太平洋高気圧がとりわけ背の高くしっかりした状態が続いており、本州付近の上空の気温が上昇してきているため ですが、引用図②③④より、太平洋高気圧の中心がが地表付近で、南西諸島の東海上にあるものの、東北地方より南側で本州上空は、1000m付近~3000m付近にかけて、高気圧性循環の気流となっており、その上の500hpa(およそ上空5500m付近)や300hpa(上空およそ10000m付近)まで高気圧となっており、いかに太平洋高気圧がチベット高気圧と合致して、背の高い状態になっていることがうなずけられますね。


9日の東北北部豪雨について 

2013-08-10 12:24:33 | インポート

①8月9日9時のの天気図 気象庁HPより引用

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②8月9日9時の秋田エマグラム図 オハイオ州立大学HPより引用

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③8月9日9時の全国ウインドプロファイラー風向風速分布図 気象庁HPより引用

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④8月9日9時の東北地方周辺雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用・加工

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⑤8月9日9時の日本付近レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用

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昨月28日に、山口県と島根県県境付近での記録的豪雨がまだ記憶に新しいところですが、8月9日朝方から昼頃にかけて、今度は北海道南西部から東北地方北部にかけて非常に激しい雨が降り、特に、東北北部秋田県から岩手県付近では、1時間に100㎜以上、1日で300㎜を超す、この地域としては観測史上前例の無いような記録的豪雨となりました。

この豪雨ですが、

ⅰ:上空10000m付近で北西風で比較的乾燥 (引用図②より)

ⅱ:上空3000m以下で、湿数3以下と非常に湿潤のところへ、

ⅲ:下層1000m付近での局地的な気流の収束(地形的特性要因も含む)

が大きな要因とかんがえられますが、さらに、

ⅳ:上空3000m付近の顕著な上昇流域(500hpaの正渦度移流域)に掛かっている

ことで、前記ⅲを加速させて、更には、前記ⅰ、ⅱの条件下で、局地的に対流活動を非常に活発化せしめた ため と私は考えています。

引用図③より、豪雨発生している9日9時現在、上空1000m付近で、北海道南部~青森県東海上付近にかけて、低気圧性循環がみられますが、この低気圧性循環、前記ⅳの影響下で上空1000m付近の気流が上昇した所へ、北海道南部~東北北部地形的特性を受けて発生したものと思われますが、こういう、上空1000m付近に低気圧性循環が現れると、当該低気圧性循環の暖気側がより一層気流の収束が起こりやすく、この地域に覆われた北海道南西部~東北北部で非常に激しい雨を観測したわけです。

さらに、引用図にはありませんが、9日早朝からのレーダーエコーズを時系列で見ると、9日早朝、北海道南西部で非常に激しい雨となり、北海道渡島地方の一部では1時間に100㎜を超す雨量が降った様子ですが、この非常に激しい雨をもたらした降水域が弱まった後、その南側の東北地方北部で雨雲が急激に発達して、東北北部秋田県から岩手県付近での記録的豪雨を引き起こしたという流れとなっていました。発達した降水域の暖気側に、新たに降水域が発達するという事例は、過去の大雨の事例でも頻発していることです。この点、大雨発生時、注目するべきことかと、私は再認識しましたね。