カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
講演依頼等連絡先は、tenki@air.ocn.ne.jpへどうぞ

22日夜、長野県北部で強い地震!改めて、地震は個性豊富な自然現象です!

2014-11-23 12:43:49 | 日記
引用画像は、22日22時08分に発生した地震の震央と各観測地点(甲信越地域中心)震度分布図です。気象庁HPより引用・加工


22日22時08分頃,長野県北部(北緯36.7度、東経137.9度で、
震源の深さは約5km、地震の規模(マグニチュード)は6.8と推定される強い地震がありました。

震度5弱以上を観測した観測地点は次の通りです。
(地点名称の後ろ*印の地点は気象庁以外の震度観測点についての情報です。)

震度6弱 <長野県>長野市戸隠*長野市鬼無里*小谷村中小谷*小川村高府*

震度5強 <長野県>長野市箱清水長野市豊野町豊野*長野市中条*白馬村北城*信濃町柏原          東裏*

震度5弱 <長野県>長野市信州新町新町*長野市大岡*中野市豊津*大町市八坂*飯綱町牟          礼*飯綱町芋川*
     <新潟県>糸魚川市能生* 妙高市関川*


震源の深さと地震の規模が今回と同程度の地震が発生した場合、震源地付近では、地盤の良し悪し等の条件次第で、震度7程度の揺れに見舞われてもおかしくはありません(この点、本ブログの平成19年4月15日の記事も参照ください!)。また、観測地点周辺では、観測地点発表震度より、場合によっては、計測震度で0・7以上(震度階級で2段階程度以上)異なることは珍しくありません。地震の揺れ方、被害分布は局地性がたいへん強く、語弊承知な言い方ですと、個性が非常に豊富であるといえますね。

地震発生後、各メディアの報道では、長野県白馬村の神代地区の被害痕跡を放映されています。殆どすべての民家が倒壊もしくは被害を受けている様子がわかりました。
この神代地区、地図をみますと、地形的に窪地になっているようで、こういった、地盤の良しあしなどの地形的特性などが要因で、地震の揺れが局地的に相当増幅された
ようにも思われます。

さらに、今回地震が発生した地域周辺は、火山性地質が分布し、比較的地層が脆い個所が多くなっていますから、今後、余震が非常に多発しやすいと思われます。
強い余震による、建造物の倒壊、破損や、土砂災害には、充分に警戒なさっていただきたいものです。

寒気流入前に、必ず 有難くないセレモニーが・・・・・

2014-11-02 13:48:08 | 日記
①11月2日9時の天気図 気象庁HPより引用


②11月2日9時の日本付近雲画像図(水蒸気画像で拡大版)気象庁HPより引用・加工


日本海に前線を伴った低気圧が現れ、これから明日3日にかけて発達しながら北海道の北へと進む予想です。

発達する低気圧の寒冷前線の後ろ側では、強い寒気が入り込んでくることは定石ですが、
この寒気の流れ込む形状、実は、低気圧や周辺にお気圧配置などによって、さまざまな装いをするものです。

まず、今回の場合ですが、引用図①②より、
日本海にある低気圧から延びる寒冷前線の北西側、シベリア大陸には、水蒸気画像上で、画像が比較的鮮明に映る暗域がU字方に分布しておりますが、このU字型の暗行は、上空寒気の範囲を表します。

さらに、このU字型になった暗域の外縁部、特に、東側から南東側、南側にかけて、大きな帯状の白い画像域がありますが、この帯状白画像域、中層(上空およそ3000m周辺付近)の上昇流域を表現しているもの。つまり、流れ込んでくる寒気の外縁部の大気の状態は、
中層では、隣接する暖気と激しいせめぎあいをしている状態をしていることの証左
なのです。

私自身の調べでは、この寒気の外縁部の帯状白画像域が顕著になり、そして、より、その数が多くなるほど、流れ込んで切る寒気と隣接する暖気とのせめぎあいがより強まっている状態(寒気の暖気の温度差が、より大きくなっている状態)
を示しているといえますね。

ところで、この、水蒸気画像上での、帯状白画像域、中層の上昇流域であるわけですが、これまで述べたことより

気の外縁部は、

:中層の上昇流域を伴っている。つまり、中層では、気流が乱れており、対流性の雲を発生・発達させやすい場でもある。

:寒気と、その前側の暖気との勢力関係で、双方の温度差が増大するほど、寒気の外縁部の中層上昇流域はより顕著となり、
  帯状に幾重にも分布するようになる。

以上のことがわかりますね。

寒気の流入する前には、手痛い洗礼(急な強い雨、落雷や突風、竜巻。航空機では乱気流といった)を受けることを、しっかり認識したいものですね。