※以下記事内記載の風速値は、毎秒値を記載しております。
①11月27日6時の天気図 気象庁HPより引用
②11月27日6時の日本付近雲画像図(水蒸気画像で拡大版) 気象庁HPより引用
11月27日は、北日本中心に冬型気圧配置が強まり、北海道や東北地方では、台風並みの暴風や海上では高波、そして、北海道や東北地方山間部を中心に大雪となっています。
北海道日高地方のえりも岬では、午前9時42分に42・1m(西風)、10分間の平均風速最大では午前9時49分に32・2m(西風)を観測したほか、北海道や東北地方日本海側のあちこちで、瞬間風速で30m以上、10分間の平均風速で20m以上の暴風が吹き荒れています。
さらに、引用図②より、低気圧が北海道南西部から北海道南海上へと進む場合、青森県の八戸市周辺では、地形的特性で南西~西風が強まりやすく、本日も、午前10時44分に、10分間の最大風速が21.2m(西風)の猛烈な風を観測しております。
また、北海道や東北地方では山間部を中心に大雪となっており、24時間降雪量が30㎝を超えた箇所もあります。仙台では初雪を観測しました。
冬型気圧配置時における、大陸からの寒気の流れ込み具合ですが、実は、波状的に流れ込んでくるもので、当該寒気が流れ込む波(先端部分)にあたる部分が通過する際に今回のような強風や津様降水などの激しい気象状況をもたらすものなのです。
引用図①②を比較参照頂ければ、と思いますが、27日6時現在、北海道南西部にある低気圧の周辺では、一際白く輝く画像域があり、発達した雲の集団(この場合雪雲でしょうね)があることが解りますが、当該雲の集団から南~南西方向に、帯状に白くぼやけた画像域があります。同じような帯状の白くぼやけた画像域は、千島列島にある低気圧から延びる前線に対応する箇所と、もうひとつ、低気圧から前記した前線の西側にあたる三陸沖~南東南岸へも延びています。
前記した、帯状の白くぼやけた画像域で、千島列島にある低気圧から低気圧に伴う前線の西側にあたる三陸沖~南東南岸へも延びる部分と、北海道南西部にある低気圧に伴う雲の集団から南~南西方向に延びる部分は、寒気が段階的に吹出してきて、当該寒気の吹出しの先端部分にあたる箇所を反映するものです。
今回、この、寒気吹出し先端部分が通過したと推定される時間帯(北海道や東北日本海側では、27日2時~6時、北海道胆振日高地方や青森県八戸付近で6時~10時頃)に10分間の最大風速や最大瞬間風速を観測しており(気象庁HPより)、当該、寒気の吹出し先端部分通過時は要注意!と言えそうです。
当該寒気の吹出し先端箇所は、上空3000m付近の顕著な上昇流域や、地表付近の風向。風速の不連続部分(シアーライン)に対応するものですが、水蒸気画像での白輝域では激しい降水が、そして、水蒸気画像上で、画像の明暗のコントラストが強い箇所では、特に強い風を伴う傾向がありますね(筆者調べ)。これは、画像の明暗のコントラストが強い箇所で、上空での強い風が吹き降りてくるためです。