カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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低気圧が関東沿岸を北上 大雨の区域は東北北海道へ

2006-09-27 14:10:51 | インポート

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引用図は9月27日9時の天気図(左側)と、9月27日13時の日本付近レーダーアメダス解析雨量図(右側)です。ともに気象庁HP より引用。

低気圧や前線の影響で、昨日夜から関東や東北南部では太平洋側を中心に大雨となり、がけ崩れや浸水被害、そして、鉄道が運行をストップした箇所があります。

引用図より、今回、強い雨雲のある地域は、低気圧の中心付近と、低気圧の伴う前線付近、そして、温暖前線の前面の地域に帯状に幾重にも広がっています。

このように、前線の前面の高気圧の勢力が強い場合は、当該前線の活動が活発であればあるほど、前線に伴う雨雲は、前線の前面に幾重にも帯状に広がることは、本ブログでも本年5月の記事で紹介しました。

今後、大雨に警戒するべき地域は北へ移り、東に開いた山の斜面に地域になる、東北地方太平洋側や北海道南部や東部などが要警戒地域となるでしょう。また、関東地方南東部には、まだ強い雨雲が残っていますので、今日の夕方までは、千葉県や茨城県でも、雨の降り方には注意が必要です。

そして、今回のように、高気圧が北から張り出す場合、北側や西側に山地がある地域では、特に内陸部に冷気がたまりやすく、その冷気と前線や低気圧の北上に伴って、南東海上からの比較的暖かく湿った気流とがぶつかって、沿岸部に局地的な前線(沿岸前線)を発生しやすく、当該沿岸前線上でも特に雨量が多くなります

昨日夜から千葉県や茨城県の一部でかなりの雨量を観測しましたが、この 沿岸前線 の発生によるためですね。


低気圧がゆっくりと北上 東日本や北日本では天気が荒れ模様。

2006-09-26 23:39:47 | インポート

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引用図は、9月26日18時の天気図(左側)と、9月27日9時の予想天気図(右側)です。ともに気象庁HPより引用。

前記事で紹介したように、24日以降、大陸から進んできた上空の気圧の谷の蛇行具合が強まり、当該上空の気圧の谷の前面では、南海上から暖かく湿った気流が流れ込んで雨雲が発達してきました。

26日18時の天気図より、東海道沖には低気圧が解析されてあろ、この低気圧の中心から温暖前線が東方向と寒冷前線が南方向へ延びています。特にこの低気圧の中心付近から温暖前線沿いにかけての部分で雨雲が発達しており、この低気圧や前線は、ゆっくりと北上しています。

そして、この低気圧は明日午前中に関東地方東岸を通過して、27日夜には東北北部太平洋沿岸へ達する見込みです。

ですので、これから、関東より北の地域で大雨となり、関東では明日27日午前中、東北では明日午後には大雨のピークを迎えるでしょう。低気圧や前線の動きがゆっくりしていますから、特に雨量が多くなることが考えられます。東よりに開いた斜面沿いの地域や、低気圧の南東方向から吹き込む暖かく湿った気流と内陸部に対流する比較的冷たい気流との間に局地的に沿岸前線が発生することが予想されますので、千葉県や茨城県、福島県浜通りや宮城県、それに岩手県沿岸地域では、いっそう、雨量がまとまりますので、警戒が必要です。

また、この低気圧の周辺は等圧線が込んでおり、千島近海には勢力の強い高気圧がありますので、これから、東日本や北日本では風がだいぶ強まりそうです。強風や海上に高波などにも注意してください。


台風14号は関東の南東海上へ ただ、懸念することが・・・

2006-09-23 23:36:49 | インポート

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引用図は9月23日18時の天気図(左側)と、同じく9月23日18時の日本付近アメダス風向風速図です。ともに気象庁HPより引用。

台風14号は、昨夜から今日朝にかけて、父島の西の海上を通過しました。予想よりも幾分西よりに進んだことが幸いだったですが、それでも小笠原諸島は今日午前中にかけて暴風雨となり、父島では、昨夜半に最大瞬間風速58・8メートルもの猛烈な風を観測しました。

台風14号今日になって、進路を北東へ変えて、明日にかけて関東の南東海上を北東に進む見込みで、本州の陸上では、台風の直接的な影響はなさそうです。

ただ、東北から南九州までの太平洋沿岸では、台風からのうねりが高まり、特に、関東沿岸から伊豆諸島では、明日にかけて波の高さ5メートルから7メートルとおおしけとなりそうです。マリンスポーツや海のレジャーなどは充分に注意ですね。

引用図より、関東沿岸から伊豆諸島は、風が強まっていますが、もうひとつ、九州の対馬海峡周辺でも風が強まっています。ここの周辺も気圧の傾きが大きくなっているためで、千島と日本海北部の高気圧の勢力が優勢である証拠です。

200609231800001 引用図は、9月23日18時の日本付近雲画像図(赤外)ですが、この図より、紀伊半島沖から南西諸島にかけて雲がややまとまっていますが、これは、上空の気圧の谷に伴う雲です。台風14号も、この上空の谷の東進に伴って、進路を北東に変えたわけですが、実は、上空の気圧の谷の北側で高気圧が強まり(上空も高圧帯となっています。)、気圧の谷の前面に台風が進んでくるような場合、当該上空の気圧の谷周辺で気流が南北流の度合いが強まって、その上空の気圧の谷は移動速度を緩めて、停滞気味になってしまうものです。

このことは、上空の気流の流れの南北流の度合いが大きくなり、当該上空の気圧の谷の前面での高圧帯が強まることのよります。そして、この停滞気味になる上空の気圧の谷の前面の下層では、暖かく湿った気流が入り込みやすくなり、強い降水となりやすいものです。

この事例と同様な気圧配置で、㍻3年9月10日午後から翌9月11日午前中にかけて、伊豆半島で集中豪雨をもたらしたことがあります。

今後は、この、紀伊半島から南西諸島周辺の雲の集団の動向に注意が必要ですね。


台風14号 小笠原諸島直撃か

2006-09-22 19:24:19 | インポート

06092215_2 引用図は9月22日15時の天気図です。気象庁HPより引用です。

台風14号は、猛烈な勢力を保ちながら、小笠原諸島に接近しています。このままの進路ですと、あす未明から明け方にかけて、小笠原諸島付近を通過し、その後は、本州付近上空を吹く偏西風に流されて、明日後半には、進路を北東方向へ変えて、伊豆諸島の南東海上を北東に進むものと思われます。

20060922150000_1 もうひとつ、引用図ですが、9月22日15時の日本付近雲画像図(赤外)です。気象庁HPより引用。

台風14号は、現在の時期でも海水温が28度から30度と高い海水温の海水面上を進んでいますので、目がはっきりしていますね。台風自体の勢力が強いことを示しているものです。

台風14号は、明日明け方には、小笠原諸島父島付近を通過する見込みで、これから、小笠原諸島では、猛烈な暴風雨や高波には厳重に警戒が必要ですね。父島では、最大風速(31・8m 1997年10月22日)や最大瞬間風速(59・7m 1986年9月28日)の極地記録を更新する可能性も大きいですね。

さらに、明日朝は父島では満潮を迎え、大潮の時期でもありますから、高潮にも充分お気をつけください。父島付近では、平常の海水面より、2メートル以上海水面が上昇する地域もありそうです。


台風13号 今日宵の内に長崎県へ上陸か?宮崎延岡では竜巻も

2006-09-17 18:35:15 | インポート

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引用図は、左側が9月17日15時の天気図, 右側が9月17日17時気象庁発表の台風13号進路予想図です。ともに気象庁HPより引用。

台風13号は、先日の記事で紹介したとおり、東シナ海を北東へ進み、今日の宵の内には長崎県付近へ上陸する見込みとなりました。

台風13号は、17日17日現在、中心気圧950hpa 中心付近の最大風速は40メートルで、北北東へ35キロで進んでいます。が、今後、九州や中国地方など、台風の進行方向右側に入りますので、移動速度35キロを時速換算すると、約10メートルとなりますから

実際に吹く風速=台風の中心付近の最大風速+移動速度(秒速換算値)×{COSθ(θは台風自体の気圧経度風の風向と台風の進行方向との20060917170000 91621差角)}※この式は、NHK気象キャスター村山貢司さんの「台風学入門」の記述を引用し、私が加工した式です。 より  44メートルから47メートル程度を見込んで警戒する必要があります。

気象庁HPより引用の図で、左側が17日17時の日本付近赤外雲画像図と、右側が昨日16日21時の日本付近赤外雲画像図をご覧いただいておりますが、台風13号に大陸から進んできた上空の気圧の谷が接近、合流しかかり始めたため、台風13号自体、少しずつ温帯化が進んできましたね。今日になって、台風13号の雲の形は、先日までのように目がはっきりしなくなり、台風の進行方向西側から南側に乾いた空気が流れこんで、雲の切れ間ができて、台風自体の雲の形も、円形から勾玉のような形(温帯低気圧のく雲の形ですよね)になってきました。

台風がこうなると、台風に伴う強い雨雲が、台風の進行方向右後面から真後方向にも及ぶようになりますし、台風に伴う特に強い風の区域も、進行方向左側や真後方向に及ぶようになります。

ということは、今回の台風13号も、今後、日本海に進みますから、本州の広い範囲で相当強い風が吹き、太平洋側中心に大雨の恐れがあるということですし、台風自体が通過した直後に暴風雨のピークを迎えるということになりますね。

それに、今夜は九州地方の沿岸で、明日朝には中国・四国地方の沿岸で満潮をむかえます。今後は高潮や高波にも充分に警戒していただきいですね。

20060917170000k 引用図は、17日17時の、九州付近のアメダス風向風速図です。気象庁HPより引用です。

引用図より、17日17時現在、すでに長崎県の野母崎では、平均でも風速45mの猛烈な暴風雨となっていますが、進路に当る九州た中国地方では、これからが猛烈な暴風雨のピークを迎えることとなるでしょう。大変な暴風を観測するようにもなりそうですね。

最後に、この台風13号の接近に伴って、17日14時過ぎに、宮崎県延岡市内の日豊線で、特急列車が竜巻で脱線する被害が発生しました。

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①②③とも気象庁HPより引用の図で、①は延岡市付近に竜巻が発生した直後の17日14時30分のレーダーエコー解析図 ②は17日14時の九州付近アメダス風向風速図と③は17日15時の九州付近アメダス風向風速図をご覧いただいておりますが、竜巻発生当時、台風13号に伴う活発な雨雲の帯の一部が南西から北東へ移動してきましたが、宮崎県延岡市付近では、風向が東から北東で、風速は弱めです。

このように、台風の進行方向右側前面に位置して、なおかつ、台風に伴う活発な雨雲の帯の移動方向と、地表の風向が相違っていて、風速も弱めである地域(平野部)に、竜巻が発生しやすいんですよ。過去にも以外に多発しています。実は、台風の進行方向面々に入る場合、地形的に宮崎平野は竜巻が発生しやすいといえますね。

そのほか、前記したように、台風の進行方向右側前面に入る場合、高知平野や愛知県東部沿岸から静岡県沿岸、それに、関東平野では、竜巻の発生頻度が高いんですよ。

今後は、これらの地域では、竜巻の発生を懸念する必要もあります。