カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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18日 台風12号は南西諸島南部を通過 西表島で瞬間65・9m 東海以西は暑さ復活だが関東は?

2007-09-19 01:07:12 | インポート

①9月18日12時の天気図 気象庁HPより引用

07091812

台風12号は、非常に強い勢力を保ったまま9月18日未明から朝方にかけて南西諸島南部を通過しました。

このため、最大雨瞬間風速が、西表島では65・9m 石垣島では59・5mと すさまじい暴風を観測しました。家屋の停電などの被害も発生した模様ですね。

台風12号は、その後、進路を引き続き北西に進んで、19日には中国大陸へ上陸する見通しです。

本州付近では、西日本を中心に太平洋高気圧の勢力が強まり、暑さが復活して、各地で最高気温が30℃を超す真夏日となりました。が、関東地方だけは、鹿嶋灘方面からの湿った北東の風(北東気流)が入り込み、雲(背の低い雲ですが)に覆われた1日となってしまいました。

③9月18日10時の日本列島周辺雲画像図(可視) 高知大学ホームページより引用

Jpn

※雲画像図の可視画像は、雲の粒子の密度が高い部分ほど、白く輝いて写ります。

そもそも、18日、関東平野の各地を曇らせた、鹿島灘方面から流れ込む北東気流は、地表付近から せいせい700m~1000m程度の上空 までしか及んでなく、それより上空の部分は風向が異なっているものです。

このため、北東気流が及ぶ 700m~1000m程度上空より下側で、鉛直方向への気流の流れ(気象学上 鉛直シアーが大きくなる といいます。)が生じ、地表付近では、鹿島灘方面から吹き付けてくる気流ですので湿気がありますから、雲が発生するようになります。雲(背の低い雲ですが)が発生するのですが、前述したように、700m~1000m程度上空より上側には雲が及びません。

このため、関東平野を取り巻く、関東山地の山々より西側に、前記した雲は分布することはないため、関東平野のみ曇天になってしまう というわけです。

引用図③より、18日10時現在 関東平野各地では曇っていますが、お隣の県の、山梨県方面では雲がなく、晴れ渡っていることがわかります。

18日は、1日中雲に覆われた東京(気象庁のある千代田区大手町)では、最高気温が28.7℃でしたが、晴れ渡った山梨県甲府では、最高気温が35・3℃と猛暑日を観測しています。