カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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強い冬型続く 寒気居座り各地で大雪 中部国際空港では強風で混乱

2007-12-31 18:21:21 | インポート

①12月31日15時の天気図 気象庁HPより引用

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②12月31日15時の日本付近雲画像図(赤外) 気象庁HPより引用

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③1月1日15時の予想天気図 気象庁HPより引用

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31日も強い冬型気圧配置は続き、本州付近上空には強い寒気が居座っています。

このため、日本海側の各地では、北陸地方中心に、東北から山陰まで大雪となっており、31日15時までの24時間降雪量が、岐阜県長滝で88cm、福井県金山で82cmを観測したほか、九州熊本の阿蘇山でも、10cmを超す降雪を観測しました。

31日15時現在、宮城県西部、福島県会津地方、長野県(長野地域、大北地域、乗鞍上高地地域)と、岐阜県(中濃、飛騨北部)に大雪警報が出されています。

また、先日深夜より、飛行場強風警報が出されていた中部国際空港(愛知県)では、一時風速が20mを超えて、航空機の離着陸が出来なくなり、運行ダイヤが大きく乱れました。

引用図②より、1・日本海中部と、2・樺太の西には上空の気圧の谷に伴う雲が現れて、これた気圧の谷は、それぞれ、1が31日夜から1日早朝にかけて、と 2が1日夕方から夜にかけて本州上を通過する見込みですから、このタイミングにあわせて、日本海側の降雪も強まり、その範囲も広がりそうですね。

また、昨日や一昨日の記事での天気図と引用図①や引用図③を見比べていただければお解かりになるかと思いますが、日本海や北日本方面では、次第に等圧線の走向が南北方向(北西風卓越)へ移行しつつあります。

こうなりますと、岐阜県関が原~濃尾平野周辺~伊勢湾沿岸周辺にも雪雲が流れ込み易くなりますから、名古屋周辺でも、これから1日にかけては降雪には注意が必要です。

最後に、本年は、各方面の皆様が本ブログをご覧頂き、そこから、気象アドバイザーや講演・勉強会などの機会をいただくことが出来まして、私自身、大変うれしく思います。皆さん、どうもありがとうございました。

来年2008年は、本ブログから発展的に、これまでの本ブログの記事をジャンル別ごとに分けて見やすくし、ホームページ形式に運用する計画も着々と進んでおります。どうか、お楽しみに!

来年2008年は、気象災害や地震災害のない、穏やかな1年であってもらいたいものです。

それでは、皆さん、良いお年を!


年末寒波襲来 冬型気圧配置続く間は等圧線の くびれ に注意! 正月三が日まで日本海側は大雪に警戒

2007-12-30 23:55:51 | インポート

①12月30日21時の天気図 気象庁HPより引用

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②12月30日21時の日本付近雲画像図(赤外) 気象庁HPより引用

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③12月31日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

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④1月1日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

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30日は、冬型気圧配置が強まり、日本付近の上空に強い寒気が流れ込んで、昨日の記事で紹介しましたように、本州の日本海側の各地では軒並み雪となり、西日本では平地でも積雪となった箇所が続出しました。

引用図②より、日本海中部と北海道の西海上には、ひときわ白く輝いた雲が小さな渦巻き状に写っています。こういう箇所は、昨日の記事で紹介した、ノ の字型に映し出されると言いました、上空の気圧の谷を表現するものです。ノ の字型に映し出される場合は、寒気が流れ込む初期の段階で、当該気圧の谷の前面で、暖気と寒気が押し合いをして、寒気が段階的に流れ込んでいる状態になります。

引用図②のような、小さな渦巻き状に映し出される場合は、寒気の中にすっぽりと入っている状態の場合、上空の気圧の谷はこのように雲画像上映し出されるものですね。天気図上は、等圧線のくびれ として表現されます。

引用図①③④と見比べてみると、一見、気圧配置には大きな変化は見受けられません。が、引用図①では、等圧線のくびれが、日本海中部と北海道に西海上に、引用図③では北海道の西海上に見受けられますが、引用図④でも、日本海中部に見受けられます。

と言う具合に、同じような気圧配置(冬型気圧配置)が続きますが、上空の気圧の谷が頻繁に本州上を通過すると言うシナリオを描くことがわかりますね。

このように、冬型気圧配置が続いている場合、このように、本州上には波状的に上空の気圧の谷は通過するもので、当該上空の気圧の谷通過時に、季節風に伴う筋状の降水雲の活動が強まり、これに伴う降雪(雨)も強まると言う繰り返すを重ねるものです。

さしあたり、31日朝方にかけて、本州上を上空の気圧の谷がひとつ通過します。この通過のタイミングにあわせて、日本海側(北陸中心ですが)の降雪は強まり、太平洋側でも降雪となる箇所もありそうです。

正月三が日一杯、本州の日本海側では大雪に警戒が必要ですね。


年末寒波襲来 30日は日本海側では大雪の恐れ 西日本平野部でも積雪となる所も

2007-12-29 23:56:01 | インポート

①12月29日21時の天気図 気象庁HPより引用

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②12月29日21時の日本付近雲画像図(赤外) 気象庁HPより引用

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③12月30日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

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29日は、発達中の低気圧が本州南岸を通過して関東の東海上へ進み、別の発達中の低気圧が日本海を東進してきました。

このため、北海道では東部を中心に、大雪(湿った雪ですね)となり、十勝地方の一部には、一時、大雪警報も出されるほどでした。

関東地方など、昼前で雨はあがりましたが、夜になって、再び、雨が降り出した箇所もあります。これは、上空には気圧に谷が残って、強い寒気も流れ込んできつつある証拠ですね。いわば、強い寒気が襲来するぞと言う、のろし のようなものです。

と言うことで、本州付近上空には、強い寒気がどんどんと流れ込んできつつありますが、引用図②を見ていただきましょう。29日21時現在、黄海や東シナ海には、寒気の吹出しに伴う筋上の雲がびっしりを並んでいます。(冬型が次第に強まり、上空には強い寒気が流れ込んできたことですが)が、1.日本海中部 と2・朝鮮半島と中国東北部の境目付近、それに、3・中国東北部 には、ノ の字型の 帯状の雲があるのがわかります。

このような雲は、上空の気圧に谷に伴うもので、本州付近で上空の偏西風の流れが蛇行し、南北流型の流れの谷の部分(偏西風の流れがU字型になった部分です 寒気が波状的にやってくるタイプ)となっている時によくこのような雲画像の形となります。

偏西風が蛇行して U字型の流れとなりますが、当該、U字型流れの中にも、さらに、一回りも二周りもスケールの小さい、U字型の流れ(気圧の谷)があり、偏西風自体、ひだ のような流れをしている とイメージしてください。その、ひだ の部分で、まとまっているものが、前記した ノの字型の雲の画像として写しだされます。

前記した、上空の気圧の谷が通過する際に、冬型気圧配置に伴う筋状雲の活動も活発と鳴り、より風下側まで、降水の範囲が及ぶようになるものです。

ちなみに、前記した1 の気圧の谷が、30日未明から朝にかけて、2の気圧の谷が、30日夜から31日未明にかけて、本州上を通過する予想ですから、このタイミングに併せて、本州各地の雪も強まり、降雪の範囲も広がりそうですね。

ちなみに、30日は、各種予想図より、上空5500m付近の-32℃以下(大雪注意報基準の降雪が予想されます。)の等温線が、北海道から山陰地方上空まですっぽりと覆い、北陸地方上空には-35℃以下の等温線(大雪警報基準の降雪が予想されます。)が北陸地方上空にかかる予想です。さらに、30日は、西日本方面で筋状の降水雲が発達するパターンとなりますので(この根拠は、本ブログ内、本年12月23日の記事を参照ください。正渦度移流域の注目です。正渦度移流が西日本で顕著ですから。)、日本海側は、北陸地方中心に、北海道から山陰までの広範囲で大雪の恐れがあります。福島県中通りや、長野県全域、それに、西日本では平野部でも積雪となりそうです。

さらに、本州付近では、全般的に、西より風(一部で南西風や北西風となる箇所もありますが。)が強まり、海上では時化るでしょう。

各交通機関が混乱しそうです。帰省の足に大きな混乱のないことを祈ります。


発達中の低気圧本州付近を通過中 これから東北 関東 東海では大雨 北海道東部は29日は大雪に警戒

2007-12-28 23:47:45 | インポート

①12月28日21時の天気図 気象庁HPより引用

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②12月28日21時の日本付近雲画像図(赤外) 気象庁HPより引用

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③12月29日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

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昨日の記事で紹介したように、28日仕事収めは、低気圧が発達しながら、東シナ海より本州南岸沿いを東進中です。

また、別の低気圧が日本海西部に発生し、この低気圧も発達しながら日本海をゆっくり東へ進んでいます。

引用図②より、紀伊半島沖付近の低気圧に伴う雲は、ひときわ白く輝いて、ちょうど にんじんの形をしていますね。これは、テーパリングクラウド(にんじん状雲)と呼んで、強い上昇気流のため帯状に積乱雲が非常に発達して、その上昇気流が上空(10000メートル以上の高所ですが)で広がり、圏雲を形成し、当該画像のように映し出されているものです。

この、テーパリングクラウドのある箇所では、激しい雨や雷、突風や竜巻などが発生しやすく、厄介なものです。今後、引用図①で紀伊半島沖にある低気圧の東進に伴い、このテーパリングクラウドを形成する雲は、おおむね東進する予想ですから、これから、当該雲がかかる、東海や関東(とりわけ、沿岸前線が発生する、関東地方の千葉県や神奈川県沿岸から伊豆諸島北部、それに静岡県沿岸)では、これから29日朝方にかけて、激しい雨や雷、突風や竜巻などの発生する恐れがあります。

その後、29日は、低気圧の移動に伴い、大雨の範囲は東北地方太平洋側へ広がり、北海道東部では湿った雪が強風を伴って降り続き、大雪となる見込みです。

また、本州付近全般的に風が強く、海ではしけるでしょう。

各地とも、気象情報には充分注意し、くれぐれも事故のないように!


28日は 低気圧が発達しながら本州南岸沿いを東進。その後は強い冬型 年末寒波か?

2007-12-27 23:57:31 | インポート

①12月27日18時の天気図 気象庁HPより引用

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②12月27日18時の日本付近雲画像図(赤外) 気象庁HPより引用

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クリスマスも過ぎて、本年も残すところ、今日を含めて5日となりました。

例年、年末のこの時期、どういうわけか、本州付近を低気圧が発達して通過し、その後は冬型気圧配置が強まり、本州上空には強い寒気がどっと流れ込んで、日本海側の各地では大雪 と言う天気パターンが出現することも多くなります。

昨年12月26日~12月28日にかけても同様な気圧配置となりましたね。

本年も、あす12月28日は、低気圧が本州南岸を発達しながら東進する予想で、この低気圧が本州東海上へ抜けた後、本州上空には強い寒気が流れ込んで、まさに、年末寒波襲来という様相になりそうです。

引用図②より、大陸奥地と朝鮮半島、それに、東シナ海に白く輝く雲の集団があります。これらは、上空3000メートル付近の上昇流域を表現するものであり、この、上空3000メートル付近の上昇流域とは、今後、低気圧が発生しやすい場ともいえる区域です。また、大陸奥地の雲の集団は、勾玉型、ちょうど、コンマを打ったような形をしていますが、こういう雲の形が出現すると言うことは、上空の偏西風がこの付近で蛇行していることを示すもので、今後、本州付近にも強い寒気がどんどんと流れ込む兆しがあると言えるものです。

③12月28日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

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引用図③より、28日には、前記した、3つの雲の集団のひとつの東シナ海に低気圧が発生し、この部分が、さし当たって、暖気と寒気のコントラストが大きいことから、この低気圧が本州南岸を発達しながら東進する予想(詳しく言うと、山陰沖と四国沖とに低気圧が一旦分裂しますが、四国沖の低気圧が発達しながら本州南岸を東進する というシナリオです。)です。

また、28日は、朝鮮半島の雲の集団に対応して、日本海西部にも別の低気圧が発生し、次第に、大陸から流れ込む強い寒気を伴って、この低気圧も、日本海を発達しながら東進するでしょう。

まさに28日は、各地の天気は西から下り坂。本州南岸沿いの地域では雨脚も強まる箇所もありそうです。特に、明日28日夜以降、等圧線の走向から見て、関東南部の、千葉県付近から伊豆諸島北部、それに静岡県沿岸付近では、本ブログで何度も紹介した、沿岸前線が発生する可能性が極めて強く、この沿岸前線周辺では、とりわけ雨量が多くなり、突風や竜巻の発生する恐れもあります。

本州南岸沿いの各地では、28日は気象情報に充分注意しましょう!