カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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関東~東北太平洋側で大雨 千葉県内ではまたまた罹災!!大雨原因の雨雲集団は2種類要因で形成!!

2019-10-29 02:28:44 | 日記
①10月25日9時の天気図 気象庁HPより引用


②10月25日15時の天気図 気象庁HPより引用


10月25日、低気圧が本州南海上を東進し、この低気圧の外縁部と、千島にある優勢な高気圧と、本州東海上の台風21号の周りを
通って関東や東北太平洋側に流れ込んだ暖湿流の影響で、関東地方と東北地方太平洋側で大雨となり、関東地方や東北地方南部
太平洋側では、前回の台風19に伴う大雨に続いて、土砂災害や河川決壊、広範囲の低地浸水などの災害が発生してしまいました。

千葉県内では、台風15号、台風19号、そして、今回の大雨と、3回にわたって気象災害の罹災を受けてしまいました。



③特に降水量多かった関東南部から東部と東北南部太平洋側の24時間雨量日最大値一覧画像
気象庁HPより引用

ⅰ:関東南部から東部周辺


ⅱ:東北南部太平洋側周辺


引用図③より、24時間雨量200㍉を超えた箇所は、福島県浜通り山間部や茨城県一部、そして、千葉県中央部に散見しています。
他、引用図にはありませんが、千葉県の観測で、市原市や佐倉市、茂原市の一部地域など、総雨量で300㍉を超えた地点も見られました。

この大雨ですが

④10月25日 9時、12時、15時のウインドプロファイラー風向風速分布図※気象庁HPより引用 と全国レーダーエコー図※国土交通省川の防災情報HP
より引用

ⅰ9時:



ⅱ12時:



ⅲ:15時




まず、ⅰ、ⅱ、ⅲ、ⅳのウインドプロファイラー風向風速分布図より、北海道東北では、上空1000㍍から2000㍍、3000㍍にかけて、一様に、高気圧性循環がみられ、優勢な高気圧のおおわれていることがわかります。そして、高気圧の外縁部に当たる関東地方~東海地方にかけて、東より~南東風が強まっており高気圧の外縁を流れる暖湿流がこれらの地域に大量に流れ込んでいる状態を示しています。
また、四国沖には、低気圧に伴う手気圧性循環が見られますね。

千葉県の勝浦上空1000㍍付近で、9時では東風10㍍以上となっており、低気圧接近時、勝浦上空1000㍍でこの程度の風向風速であると、千葉県内東部沿岸部から中央部に雨量がまとまる傾向にあります※筆者調べが、
千葉県内中央部に発達した雨雲かかかっております。
南海上の低気圧に伴う低気圧性循環は、紀伊半島沖から東海道沖まで東進してきました。

12時になりますと、勝浦上空1000㍍では、南東風で風速20㍍以上と強まり、勝浦上空1000㍍で南東風で風速10㍍以上ですと、千葉県内中央部から北西部、そして、東京23区東部でも雨量がまとまる傾向にあります.
※筆者調べ が、まさに、強い雨雲が千葉県内、中央部から北西部、一部は東京23区東部にも広がってきました。

15時なりますと、低気圧性循環は伊豆半島に南西にあると推測され、低気圧が次第に伊豆半島域に接近しつつあることがわかりますが、この低気圧性循環にそって、新たに螺旋状の発達した雨雲委が分布、この発達した雨雲の集団が再び
千葉県内にかかり始めてきました。ⅰ、ⅱで先行して千葉県内中心に発生した発達した雨雲の集団は、茨城県内や関東平野内陸部へと移動しています。

このように、今回の大雨の原因となった発達した雨雲の出処ですが、
イ:千島にある優勢な高気圧の外縁部を流れる暖湿流 と 台風21号の外縁を流れる暖湿流 に



本州南海上を東進する低気圧の外縁部を流れる暖湿流


といえるでしょう。

優勢な高気圧の後続を進む低気圧がある場合、このように、大雨のピークは 2回 やってくる!※筆者調べ
これ、鉄則!!と認識しておいてください!!


台風19号、関東東北甲信に記録的大雨 他にもこんな特徴が!

2019-10-17 01:30:08 | 日記
①10月12日12時、15時、18時、21時の天気図aと全国レーダーエコー図b天気図は気象庁HPより引用、レーダーエコー図は国土交通省川の防災情報HPより引用
※レーダーエコー図凡例
12時
a:

b:


15時
a:

b:


18時
a:

b:


21時
a:

b:

日本の南海上で、一時猛烈な勢力にまで発達した台風19号、各方面とも厳戒態勢の中、12日19時過ぎに、静岡県伊豆市付近に上陸、その後、神奈川県西部から東京と町田市付近を通過し、関東平野を北東へ進んで13日未明に福島県沖へ達しました。

台風の進路に当たった地域では猛烈な暴風に見舞われ、東京都心では、12日21時14分に最大瞬間風速41.5㍍毎秒(戦後最高)を観測しました。

さらに、台風19号の規模は大型だったためと台風の進行方向前側には前線もあったため、引用図①より、関東地方山間部や甲信越地方、東北地方の太平洋側には発達した雨雲がかかり続けてしまい、引用図②の各画像ご覧のように、あちこちで24時間雨量が500㍉以上と記録的な豪雨となり、関東、東北、甲信越、静岡県の1都11県に一時、大雨の特別警報が発表されて、東北や関東、甲信越では
、河川の氾濫、土砂災害が相次いでしまいました。

②10月12日の24時間雨量日最大値画像 気象庁HPより引用
岩手県周辺:

東北南部周辺:

関東北部甲信北部周辺:

関東南部甲信南部周辺:

引用図②各画像図より、

24時間降水量日最大で、
岩手県では、沿岸地域で150㍉~200㍉程度、

宮城県では、牡鹿半島東側と仙台湾沿岸沿い~南部地域でおおむね200㍉~300㍉、南部では一部600㍉超えた地点もあります。
さらに
福島県では浜通り地域や中通り地域山間部で200㍉以上、一部で300~600㍉程度。、

関東地方甲信越地方では、千葉県や甲府盆地、長野県東部地域の一部を除き、おおむね200㍉以上、関東北部西部山間部や甲信越山間部では、軒並み400㍉以上を観測して、
神奈川県の箱根では942・5㍉を観測しております。

筆者調べですが、
一級河川程度の河川で

源流地域で

おおむね総雨量200ミリ以上で、河川沿線洪水注意、内水氾濫発生し始める。
おおむね総雨量300ミリ以上で、河川沿い洪水警戒、氾濫危険水位達する箇所で始める。内水氾濫多発。


でありますから、これらの地域にこのような記録的な降水量を観測したため、当該地域に源を発する、阿武隈川、信濃川、那珂川、多摩川などの、一級河川の氾濫につながったわけです。

さらに今回の台風19号、台風自体及び周辺部の風の吹き方に、以下のような特性が見られました。

③引用図①と同時刻の、12日12時、15時、18時、21時の全国ウインドプロファイラー風向風速分布図※気象庁HPより引用

12時:

15時:

18時:

21時:

引用図③各時刻とも、北陸西部地域では、上空2000㍍、3000㍍よりも、上空1000㍍での風速が強めとなっており、この傾向は、15時、18時と、台風が本州へ接近とともに、
新潟付近から東北南部地域へと広がっています。

このように、上空2000㍍、3000㍍よりも、下層(上空1000㍍)での風速が強い地域は、寒気移流が強まっている証拠!で、併せて、下層や地上付近での風速が強まりやすい状況下にある と言えます。山越え颪風が強ま誌やすい状況下でもあるわけです。

事実、当該状況下にあった、12日昼頃からは、東北南部、北陸、近畿北部中部、山陰、九州北部にかけて、台風の中心から比較的離れているのにかかわらず、20㍍毎秒を超す暴風があちこちで観測されております。