カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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各地で厳しい暑さ 東京では本年初猛暑日

2011-06-29 23:49:49 | インポート

①6月29日21時までの全国最高気温分布図 気象庁HPより引用

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②6月29日15時の天気図 気象庁HPより引用

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③6月29日9時のAXFE578図 日本気象予報士会HPより引用

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6月29日は、夏の太平洋高気圧が本州の南半分をすっぽりと覆い、東北地方以南の各地では、各地で厳しい暑さとなりました。

特に、最高気温が、山梨県勝沼では38・5℃ 甲府で38・1℃、群馬県館林で37・5℃を観測したほか、東京(気象庁のある千代田区大手町)では最高気温35・1℃と、本年初の猛暑日を観測し、名古屋、京都、大阪でも猛暑日を観測しています。

東京の6月中の猛暑日は、平成17年6月29日の最高気温36・2℃を観測して以来、およそ6年ぶりとなるものです。

引用図②の上側図より、500hpaの等高度線5860が本州の南半分をすっぽりと覆い、太平洋高気圧の勢力下に入っていたことと。引用図②の下側図より、本州中部の上空1500m付近では風向がおおむね北西風となっているのに対し、中国地方や四国地方付近では、おおむね南よりとなっています。丁度、高気圧性循環の気流の流れとなっていますね。つまり、本州中央部に高気圧が隠された形となっているわけですね。

6月29日の本州中央部を中心とした猛暑ですが、前記した、本州中央部の高気圧性循環に覆われて本州中央部では、局地的に下降気流が発達したことと、もう一つ、当該下降気流が本州中央部で発達したことで、関東平野や甲府盆地、濃尾平野、大阪平野では、日中、海上から山地へ吹く海陸風(甲府盆地では関東平野の海陸風に伴う、盆地から山地へ吹く気流となります。)が弱められたためと、さらに、当該高気圧性循環の気流が、中部山岳を吹き降りる際に、山越えのフェーン現象を発生させたことも幾分寄与したことであると、私は考えております。

現に、引用図にはありませんが、通常ですと、日中、海陸風が発生する関東平野の東京湾岸に位置する東京や横浜、千葉などでは、最高気温が観測されるまでは、風向は疎らで、風速はおおむね4m以下と弱目となっていました。


各地で梅雨中休みの猛暑 熊谷で39・8℃ 

2011-06-24 23:44:09 | インポート

①6月24日15時の天気図 気象庁HPより引用

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②6月24日9時のAXFE578図 日本気象予報士会HPより引用

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6月24日は、東北地方に梅雨前線が停滞して、東北地方日本海側を中心に大雨となりましたが、関東以西の各地では、梅雨は中休みで、青空が広がり、関東地方や東海地方、近畿地方の一部を中心に猛暑となりました。

特に、埼玉県の熊谷で39・8℃、同じく埼玉県の鳩山で39・4℃、群馬県館林で39・3℃、埼玉県寄居で39・2℃、群馬県上里見で39・0℃の最高気温を観測したほか、埼玉県秩父や群馬県前橋で最高気温が38℃を超えました。

この、猛烈な暑さですが、原因として

Ⅰ:梅雨前線の南側には、台風5号や太平洋高気圧の縁を廻るようにして暖湿流が本州付近へ南西~西より風となって大量に流れ込んだこと。

Ⅱ:引用図②下側図より、前記Ⅰで紹介したように、本州上で西より風となってふき今田暖湿流が中部山岳を超える際に、風下に当たる関東平野や甲府盆地などで、山越えのフェーン現象による気温上昇をもたらしたこと。

Ⅲ:引用図②の上側図より、24日9時現在、関東地方の500hpaの顕著な負渦度移流域に入っており、このことは、同時に、関東地方上空の3000m付近での下降流が卓越した状態となっていたと推定される。関東平野では、より一層、前記Ⅱで紹介した、山越えのフェーン現象が顕著となったことが考えられる。

この3点に尽きると私は考えますね。

現に、24日は

◆引用図②の下側図より、上空1500m上空の気温は、関東平野付近では21℃以上と高温となっている。

◆関東平野北部内陸部では、日中、南西~西より風が7m~10m程度とやや強まったこと。

◆熊谷や前橋、秩父では、最高気温出現時(24日午後12時30分~14時30分頃にかけて)には、相対湿度が25%~30%程度まで下がっていたこと。

以上の現象が発生しており、これらは皆、中部山岳から関東山地での山越えのフェーン現象が顕著になっていることに他なりません。


東京で本年初真夏日 だが 本当の夏はまだまだ先

2011-06-22 23:49:32 | インポート

①6月22日9時の天気図 気象庁HPより引用

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②6月22日9時のAXFE578図 日本気象予報士会HPより引用

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6月22日は、九州の一部を除き、梅雨は小康状態。ほぼ全国的に夏空が広がり、各地で、軒並み最高気温が30℃以上となる真夏日を観測しました。

特に、暖かな西より風が、中部山岳などを越える際に、山越えのフェーン現象による昇温も引く起こされたことも加わり、関東地方や甲信地方南部、静岡市周辺では特に気温が上昇して、群馬県館林では36・5℃、同じく群馬県の伊勢崎では36・2℃、前橋では36・1℃の最高気温を観測しています。

他にも、熊谷、秩父、甲府、静岡などで、最高気温が35℃以上となる猛暑日を観測したほか、東京(気象庁のある千代田区大手町)では、最高気温が31・9℃と、本年初の真夏日を観測しました。

引用図①より、本州上では梅雨前線が姿を消して、一見、梅雨明けの様相にも見えますが、ところが、梅雨はまだまだ健在!昨日、日本海から北日本を500hpaの気圧の谷が通過した後、その反動ともいえましょうか、22日は、日本海から北日本、東日本にかけて、500hpaの気圧の峰に覆われて、当該気圧の峰が、本州の南海上の太平洋高気圧と一時的に合体して、今回の夏空をもたらした と言えそうです。(引用図②)

このような現象は、実は、梅雨の期間には必ず発生するもの。来るべき、梅雨のもう一つの主役となる オホーツク海高気圧 の発生前の前兆と言えるものです。

引用図②の上側図より、500hpaの等高度線5820が日本海から東北地方南部まで北上したように見えますが、これは、前記したように、日本海から北日本、東日本にかけて、500hpaの気圧の峰に覆われて、当該気圧の峰が、本州の南海上の太平洋高気圧と一時的に合体したことが原因ですが、当該、等高度線5820や5860は、本州の東海上では、西北西~東南東方向へ走り、太平洋高気圧の勢力は、梅雨明けというには、まだまだ と言えそうです。

私自身、前記した、日本海から北日本、東日本にかけて、500hpaの気圧の峰に覆われて、当該気圧の峰が、本州の南海上の太平洋高気圧と一時的に合体することで、日本海から東日本、北日本上空の偏西風の蛇行を加速させたことで、オホーツク海高気圧を発生させる布石となると考えています。当該オホーツク海高気圧は、今後、本州付近を通過する500hpaの気圧の谷通過後、発生するようになると考えています。


北陸地方で梅雨入り 梅雨はまだまだこれからが本番!!

2011-06-16 23:46:06 | インポート

①6月16日9時の天気図 気象庁HPより引用

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②6月16日9時のAXFE578図 日本気象予報士会HPより引用

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気象庁より、6月16日、北陸地方が梅雨入りしたと見られる との発表がありました。

北陸地方の梅雨入りは、昨年より3日遅く、平年と比較すると4日遅い梅雨入りとなります。

本ブログの前回の記事(6月9日沖縄地方が梅雨明け)内の引用図②の上側図と、本記事引用図②の上側図とを、双方比較してご覧いただきたいのですが、

◆太平洋高気圧の勢力圏内の境界線ともなる、500hpaの等高度線5860、および、等高度線5820(私は、梅雨前線を形成する前線帯の中間と考えております。)の位置は、殆ど変化ありませんね。

◆引用図②より、中国大陸中部では、500hpaの高圧部となっていますが、シベリア東部~オホーツク海周辺~北海道の東にかけて、500hpaでは気流の流れが蛇行しており(傾圧性が強まっていると言えます。当該地域での500hpaの傾圧性の大きな区域の分布状況に注意!!当該500hpaの傾圧性の大きな区域が、本州各地で梅雨明けになり始める頃には、シベリア東部~オホーツク海周辺~千島列島中部あたりまで北上し、500hpaの等高度線5820は、北日本~千島近海にかけて北上しているものです。※筆者調べより

以上のことから見て、本州ではまだまだこれから梅雨は本番(第一、東北地方では梅雨入りすらしていませんからね。)!!東北地方太平洋沖地震で、東北から関東の広範囲で罹災していることもあり、これらの地域では、本年の梅雨では、これまでよりも一層、土砂災害や河川周辺での洪水には警戒が必要ですね。!!


沖縄地方で最も早い梅雨明け

2011-06-09 23:20:02 | インポート

①6月9日9時の天気図 気象庁HPより引用

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②6月9日9時のAXFE578図 日本気象予報士会HPより引用

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本日6月9日午前中に、沖縄気象台より、沖縄地方が梅雨明けしたと見られる との発表がありました。

沖縄地方の梅雨明けは 昨年より10日早く 平年と比較すると14日も早い 史上最も早い梅雨明けとなります。

そもそも、梅雨と言うもの、誤解を承知で言うなら、気象歳時的な意味合いを持つもので、天気図上、明確に判定できる基準はありませんが、強いて言えば、私自身、500hpaの等高度線が5860以上の箇所が太平洋高気圧の圏内と考えています。こと、沖縄地方周辺に限っては、500hpaの等高度線5820が中国大陸中部まで北上し、当該状態が今後持続すると認められると、梅雨明けになるのでは?と考えていました。引用図②の上側図を見る限り、私自身の見解を満たしており、なるほど、という感じですね。

ただ、沖縄地方が梅雨明けしたと言うことは、本州が太平洋高気圧の縁に入りやすく、梅雨前線の活動が活発化して、大雨が降り易くなるという、本州にとっては、いわば、夏を迎える、一つの試練を迎えることになります。

そして、ことに、本年は、夏を迎えると言うことは、我々日本国民にとっては、また、別の大きな試練を迎えることとなってしまいそうです。

節電対策や意識を一層深めましょう。皆さん! このことが、ひいては、今後のエコ対策に大いに寄与する結果ともなるのですから!!