カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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広範囲で濃霧発生!気圧配置はどうなってる?

2015-03-30 08:19:16 | 日記
広範囲で濃霧発生!気圧配置はどうなってる?

昨夜から今日朝にかけて、本州の広範囲にわたり、所々で濃霧が発生しました。
所々で、視界が100㍍以下まで落ち込み、高速道路での速度規制など、交通機関に影響が生じました。

春先のこの時期、夜間から早朝にかけての濃霧は、よく発生しますが、濃霧発生時の気圧配置、条件を紹介していきましょう。

①3月29日21時の天気図 気象庁HPより引用


②3月30日3時の天気図 気象庁HPより引用


引用図①②より、昨日、本州周辺を気圧の谷が通過し、本州の所々で降雨となりました。

さらに上空では

③3月29日21時の全国ウインドプロファイラー風向風速分布図 気象庁HPより引用


④3月30日3時の全国ウインドプロファイラー風向風速分布図 気象庁HPより引用


本州付近を気圧の谷が通過後、上空1000㍍〜3000㍍では、おおむね風速10㍍以下と比較的弱めで、風向は、本州付近で、時計回りとなっている様子がわかります。


地表付近で濃霧が発生する気象条件は、:地表付近が湿っている(濃霧発生前日18時の湿度が85%以上) :上空が比較的気温が高い時で上空700㍍〜1000㍍付近に気温の逆転層がある ことも特徴の一つです。

◇気圧の谷が通過して降雨・降雪となった後、上空1000㍍〜3000㍍では、南〜南西風となっているか、高気圧性循環となっている。このような気圧配置になると、夜間から朝方にかけて、濃霧が発生するという目安となりますね。

とりわけ、降雨・降雪量が比較的まとまっていたり、降雨・降雪の収量が夜間、遅くなるほど、濃霧発生の範囲はより広範囲になりますし、濃霧の程度もより顕著になります。(以下、筆者調べ)

東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)から4年、発生の地震波には、実はこういう側面が

2015-03-11 00:00:51 | 日記
地震予知振興研究会HPより引用 東北地方太平洋生き地震の震央と各観測地点震度分布図です。


4年前の今日、午後2時46分、宮城県金華山の東およそ130㌔の海底で大規模な破壊活動が始まり、
更に、更に宮城県沖の陸地に近い海底の地殻、さらには、福島県沖から茨城県沖にかけての海底の地殻が
破壊されて、宮城県栗原市で震度7 他、宮城県、福島県、栃木県、茨城県の一部で震度6強 更には、東京都心周辺の京浜、京葉地区でも、震度5強~5弱といった広範囲に激しい地震動を発生させました。これこそ、東北地方太平洋沖地震で、この地震動と、当該地震に伴う津波で引き起こされた地震災害を東日本大震災と呼ばれるものです。

この東日本大震災で、北海道から東北、関東、中部、近畿、四国の一部にわたって、死者 19225人、行方不明者 2614人 負傷者 6219人 全壊家屋 127830棟 半壊家屋 275807棟 一部損壊家屋 766671棟 浸水家屋 13626棟 (総務省消防庁調べ)と、未曾有の大災害となってしまったのは
周知のとおりです。

この東北地方太平洋沖地震、実のところ、各地の地震波を見ると、語弊ある表現のようですが、なかなか個性ある地震波が発生したといえます。
気象庁HP内、強震観測データの項目をひも解くと、東北地方太平洋沖地震発生時の、各観測地点の波形や、加速度、震度などが閲覧できますが、と以外強震観測データより、地震波の加速度(瞬間的な揺れの強さ)に地域性があり、総じて、加速度が高かった地震といえそうです。

strong>>地震波は、加速度は高くなるほど、当該地震波の周期は小さくなり(比較的がたがたと揺れる)加速度が低くなるほど、当該地震波の加速度は大きくなる(比較的ゆさゆさと揺れる)ようになる性質があります。
一つの地震の中には、様々な周期加速度の地震波が含まれてはいるものの、おおまかに地震波の加速度と周期の間には次のような関係があります。引用画像は気象庁HPより)
東北地方太平洋沖地震では、震度7を観測した宮城県栗原市(栗原市築館)での最大加速度(南北、東西、上下3成分合成)で、2933ガルなのに対し、20年前の兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)発生時の、
震度7と推定される地域の最大加速度(3成分)は、おおむね700ガル〜800ガルでした(気象庁等調べより)同じ震度7でも、栗原市は、周期0・1秒程度だったのに対し、兵庫県南部地震での震度7観測地域では、
地震波の周期は0.8秒~0.9秒程度だったことになります。

strong>地震波とその周期との関係として(筆者調べ)

◆地震波の周期が1秒程度であると、建造物と共振して揺れが大きくなり、建造物にかかるダメージは大きくなってしまいますが、周期0・1秒~0.4秒の短周期の地震波は、山がけ崩れや、
建造物の外壁破損や屋根瓦のずれ・落下などは発生しやすくなるものです。

◆地形的に、台地や丘陵などの比較的固い地盤では、周期の短い地震波(周期0・3秒以下)が共振しやすく、三角州や埋め立て地などの軟弱地盤では、
比較的周期に長い地震波(周期0・6秒以上)が共振しやすくなります。

◆さらに、周期の短い地震波ほど、崖の周辺や硬軟が不均一な地質を伝番する際に、地震波が屈折、反射して、より周期な短く、加速度が高い地震波を
発生しやすくなります。


まさに、東北地方太平洋沖地震、比較的周期の短い地震波が多かった地震といえますね。東京都内でも、山の手地域の観各観測地点が、下町地域の観測地点よりも加速度は高く観測されております、

山の手地域の属する、杉並区や中野区、千代田区の一部では、加速度が、300ガル台〜400ガル台を観測しており、被害状況(総務省消防庁)見ましても、一部破損家屋の戸数は山の手地域でもまんべんなく発生しており、杉並区で956棟も発生していることからも、このことが伺えられますね