カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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台風15号 1日以降本州南海上を東へ進む見込み 

2008-09-30 23:53:00 | インポート

①9月30日21時の天気図 気象庁HPより引用

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②9月30日21時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用

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③10月1日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

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④10月2日9時の天気図 気象庁HPより引用

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台風15号が九州に接近してきています。

と言っても、台風の北側や西側からが高気圧が張り出してきており、引用図にはありませんが、台風の中心位置よりすぐ西側から南西側には、雲の切れ間が広がってきました。これは、比較的気温の低く乾燥した気流が台風の西側からどんどん流れ込んでいる証拠で、このような状況になると、台風に伴う強い雨雲は、進行方向前側(東側)や南西側に分布するようになります。

さらに、台風の進行方向前側にあたる東方向へ、お椀をかぶせた形のような ⌒の形をした雲がの集団が、東西方向へ広がっています、これは、台風の周辺を廻るようにして南海上から流れ込んできた暖湿流が上昇して上空に広いがったものの、上空を吹く強い西風に流されて東西方向に扁平した形で打ちしだされる雲の集団となったわけです。

こうなると、台風というもの、進行方向前側に広がった雲の集団の分布方向へ移動するようになりますから、今後、台風15号は、九州南部へ接近した後、本州南海上を東へ進む進路をとりでしょう。

九州への上陸の可能性は低くなったと言えそうですが、10月1日朝まで、九州南部では大雨となりそうですし、10月1日は、西日本の太平洋沿岸や対馬海峡、神戸周辺から明石海峡付近を中心に強風(北東~北より風)となりそうですから、注意が必要です。


台風15号 今後は本州南海上の前線に沿って移動か?

2008-09-29 23:53:09 | インポート

①9月29日21時の天気図 気象庁HPより引用

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②9月29日21時の日本付近雲画像図(赤外画像拡大版) 気象庁HPより引用

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③9月30日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

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台風15号ですが、昨日台湾を直撃しましたが、その後東シナ海を北上して、本日9月29日夜になって、進路を少しずつ北東へ変えてきました。

先日の記事内での引用図②と、本記事の引用図②とを比較していただければと思いますが、昨日と本日とを見比べると、台風自体の雲の形が円形や螺旋系ではなくなりつつあり、本州南海上に横たわる前線の雲の帯に吸収されるような形をしてきました。

台風が前線に接近してきた場合、それ自体の雲の形が円形から崩れて、前線に伴う雲の帯に吸収されるようになってきた場合は、当該台風の進路は前線の走向に沿って進むようになり、強い降水の範囲は、台風の進行方向前側の前線に沿っての部分と、台風の中心からおおむね南西方向に沿って帯状に分布するようになるものです。

引用図②より、台風15号の前側の前線に沿っての部分であり、九州の西方海上と南西側の東シナ海中部から南部にかけて、ひときわ白く輝く雲の集団(激しい降水をもたらすエリアですね。)があります。

9月30日は、台風15号の移動に伴い、これら激しい降水をもたらすエリアが九州地方や四国、紀伊半島などにもかかってきそうですから、これらの地域では、雨の降り方に注意!大雨災害発生が懸念されます。


今季最強勢力の台風15号は台湾へ 29日は西日本で激しい雨

2008-09-28 20:12:06 | インポート

①9月28日15時の天気図 気象庁HPより引用

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②9月28日15時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用

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③9月29日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

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今シーズン最強勢力を誇る(と言うと語弊ありますが)台風15号ですが、9月28日午後に、台湾東部へ上陸しました。

この台風15号の接近のため、八重山諸島では27日夜から暴風雨となり、与那国島で28日午後3時54分に49・2m 石垣島で28日午後12時39分に35・5m 西表島で28日午後3時14分に33・3mの最大瞬間風速を観測しています。

引用図①②より、台湾付近~東シナ海南部には台風15号に伴う雲の集団と、その北側の東シナ海中部から本州の南海上には東西方向に長々と前線に伴う雲の帯があります。台風15号の北東側の九州南海上では白く輝く雲の集団(発達した雨雲)があることが判りますね。

また、大陸から本州付近には、西北西~東南東方向へ延びる帯状の雲の帯がありますね。この雲の帯は、上空で特に強い風が帯状に吹いている区域(ジェット気流)に伴うものです。

ということは、本州付近上空では西北西の風が相当強まっている状態であり、引用図にはありませんが、各種予想図を見ると、この、本州付近上空の強い西北西風はここ数日続く予想で、台風15号も、明日9月29日は東シナ海を北上し、前記した本州付近上空の強い西北西風の指南を受けて、次第に進路を北東から東よりへ進みそうです。

台風15号の北上に伴って、明日9月29日は、西日本で幾分北上し、台風の周辺と太平洋高気圧の周辺を廻るように、暖湿流が大量に西日本方面へ流れ込んで本州南海上から東シナ海へ延びる前線は西日本で、幾らか北上し、活動が活発となるでしょう。

このため、9月29日は、西日本の太平洋沿岸と南西諸島を中心に激しい雨が降る箇所がありそうです。!


26日は本州上を寒冷前線通過 通過後はめっきり秋めく

2008-09-25 23:27:48 | インポート

①9月25日21時の天気図 気象庁HPより引用

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②9月25日21時の日本付近雲画像図(赤外) 気象庁HPより引用

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③9月26日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

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9月もあと残すところ6日 天気図上にも 秋 の気配が現れてきました。

これから9月26日にかけて、本州上を寒冷前線が通過する予想です。

寒冷前線に限らず、前線は、前線を挟んでの高気圧の張り出し具合に注目!

前線と言うもの

<1>南側の高気圧の張り出しが強い場合は、前線に向かって暖湿流が流れ込んで、当該前線の活動は活発となる。

<2>北側の高気圧の張り出しが強い場合は、冷たい空気が前線の北側にどっと流れ込んでくるため、当該前線通過ご、前線の北側や西側に入ると、気温がぐっと低下するもの

<3>前線を挟んでの北側南側の両高気圧の張り出しが拮抗している場合は、前線の走向は南北方向から東西 方向へ走るようになり、広範囲に前線に伴う悪天が分布するようになる(当該前線が寒冷前線の場合も同様)。このような場合、前線が寒冷前線であると、前線を挟んでの両高気圧の勢力が拮抗している状態の箇所では、前線の移動が停滞気味となり、悪天が長続きしてしまうこともある。

以上3つの特徴があります。

さて、これから、9月26日の場合はどうでしょうか?

答えは、前記<3>と<2>両方の特徴を持ち合わせています。引用図②より、前線の周辺には、白く輝く雲の集団も散見されて、前線に向かって暖湿流が流れこんでいる様子がわかりますね。そして、引用図①と引用図③を見比べると、寒冷前線が東西方向へ走り、前線の北側の大陸方面には優勢な高気圧があって、本州付近へ張り出してくる見込みです。

よって、9月26日は、本州各地では、寒冷前線通過時に軒並み天気が崩れ、つよいあめが降る箇所もありそうですね。当該寒冷前線通過後は、気温が下がり、めっくり秋めいてきそうです。


本州南岸沿い地域で 所々激しい雨 大雨区域は時として前線の走向通りにはならず

2008-09-21 18:25:22 | インポート

①9月21日15時の天気図 気象庁HPより引用

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②9月21日15時の日本付近レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用

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③9月21日9時のAXFE578図 日本気象予報士会HPより引用

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④9月22日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

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9月21日は、本州付近上空に寒気が入り、南海上からは暖湿流が大量に流れ込んで、本北中部地方や西日本の各地を中心に大気が不安定となり、所々で雷を伴なった激しい雨が降り、一部で浸水被害も発生しています。

引用図①と②と見比べてみると、天気図(地上天気図)上の前線の位置と、強い雨の区域は一致していません。引用図②より、強い雨の区域は南西~北東方向へ幾重にも帯状に分布しています。

引用図①の天気図上の前線の位置から杓子定規に考えると、前線に沿って、ほぼ東西方向へ分布しているように思われますけどね。

でも、これは、引用図①での前線の位置は、おそらく、地表付近の風向のコントラストの大きい箇所だけをたどって描かれたいると思われますね。強い雨の位置と一致しないことはこのためと思われます。21日9時の天気図には前線は描かれてなかったですからね。

このように、地上天気図上の前線の位置に固執することはナンセンス。雲の活動が活発化して強い雨を降らせるようになることは、当該雲周辺の鉛直方向の気流の動向によって左右されるものですね。

引用図③より、21日9時現在、日本海西部から朝鮮半島の南にかけて上空5500m付近の気圧の谷の移動に伴う正渦度移流流域となっており、関東以西上空3000m付近で、南西~北東方向へ上昇流域が分布しており、当該上昇流域に対応して、強い雨雲の区域が中部地方や西日本には南西~北東方向へ帯状に幾重にも現れています。

強い雨雲の区域がこのように帯状に幾重にも現れるのは、当該強い雨雲の現れている方向に、暖湿流が大量に流れ込んでいる証拠です。引用図にはありませんが、21日9時現在、関東より西の各地では、地表付近から上空5500m付近まで湿数が3以下と湿っており、地表と上空5500m付近の気温差は、おおむね23以上と、下層が高くて湿っていて、中層(上空5500m付近)との気温差が大きくなっており、大気が非常に不安定である様子がわかります。

問題の、21日9時現在日本海西部から朝鮮半島の南の上空5500m付近にある気圧の谷は、引用図にはありませんが、各種予想図より、あす22日朝には本州の東海上へ達しそうですが、その一部が本州の南海上上空にかかったままとなりそうです。(今回のように、北東~南西方向へ上空の気圧の谷が分布する形であると、当該気圧の谷はすんなり本州上空から遠ざからないものです。)

これから、強い雨の区域は東へ移動し、関東地方でも雨脚が強まるでしょう。そして、関東では、明日22日明け方まで雨脚が強まり、天気の回復は遅れて、22日昼過ぎまで雨が残りそうですね。

関東以西の各地では、大雨災害にご用心ください!