カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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本州付近は、様々な方向からの暖湿流が入り乱れ!

2014-06-28 00:59:33 | インポート

引用画像は、6月27日21時の日本付近雲画像図(水蒸気画像で拡大版)です。気象庁HPより引用・加工。

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本ブログの随所で、水蒸気雲画像からの暖湿流の動向の見極め方を紹介しております。水蒸気画像上で、帯状に白くぼやけた画像域が暖湿流 ということで、当該、白くぼやけた画像域が より白く輝くような画像になるほど、流れ込む暖湿流はより大量であることを物語るということですね。

このことを念頭に、引用画像(6月27日21時の水蒸気雲画像図)を見てみましょう。

暖湿流が流れ込んで入る箇所を、それぞれ、A、B、Cと記していますが、

A→偏西風の蛇行が顕著になって発生した高気圧(温暖高気圧)の外縁を流れてきたもの

B→梅雨前線に向かって、太平洋高気圧(一部は東南アジアのモンスーンを引き起こす気流としてですが)の外縁を流れてきたもの

C→偏西風が蛇行して発生した500hpa(上空およそ5500m付近)の気圧の谷の進行に伴って当該気圧の谷の前側に流れ込んでいるもの。

以上、異なる成因をもつ、3つの暖湿流が、本州付近には混在しています。

さらに、注意するべきことは、このような異なる成因の暖湿流同士が相合流したり、同一成因同士の暖湿流の中でも、流れ込む方向が異なったりして、一部、互いにやはり相合流して入り箇所というもの、暖湿流の量がより増大して、強い降水を一層発生させやすいということです。こういった箇所では水蒸気画像上では、白く輝いた画像域となるわけですね。


北海道へ猛暑の中心移る 37℃超えた個所も

2014-06-03 23:52:59 | インポート

?6月3日15時の天気図 気象庁HPより引用

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②6月3日15時の全国ウインドプロファイラー風向風速分布図 気象庁HPより引用

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6月3日は、北海道東部や中部の内陸部中心に猛烈な暑さに見舞われました。

日中の最高気温は、北海道十勝地方駒場で37・8℃を観測したほか、北海道の網走北見紋別地域の美幌と北見で37・2℃、境野で37・0℃を観測、いずれも観測開始以来最高気温となりました。

他にも、北海道の中部や東部の内陸部を中心に最高気温35℃以上となる猛暑日となった観測地点が散見しております。

この北海道を中心とした猛烈な暑さの要因ですが、引用図②より、北海道付近上空3000mと2000mでは、北東風で、西日本の各地ではおおむね南東風であることから、北海道上空3000mと2000mあたりは、気流が高気圧性循環となっており、同時に下降気流で気温が上昇している様子が伺えられます。

一方、上空1000mでは、西寄り風となっています。北海道の中央部には、おおむね2000m程度の脊梁山脈が控えており、西寄り風が、この脊梁山脈を 山越えする際に、上空2000m付近の暖気を引きずりおろし、さらに、下降する過程で断熱昇温を引き起こしたもの(フェーンを引き起こした) と推測されます。

このような要因で今回の北海道 東部や中央部内陸部では猛烈な暑さとなったものの、前記した山越えの フェーンの効果が及ばない、北海道東部沿岸部の各地では、最高気温が20℃に届かない観測地点も多く、この点が、北海道のフェーン昇温時の特徴の一つですね。


早すぎる猛暑 勢い増す 全国16観測地点で猛暑日 404観測地点で真夏日観測!

2014-06-01 18:04:35 | インポート

①6月1日16時までの全国最高気温分布図 気象庁HPより引用

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②6月1日15時の天気図 気象庁HPより引用

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③6月1日15時の全国ウインドプロファイラー風向風速分布図 気象庁HPより引用

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沖縄を除き、この時期としては記録的ともいえる猛暑となったいる本州各地ですが、6月1日も、昨日よりも一層の猛暑となりました。

最高気温は、岐阜県揖斐と群馬県館林で36・3℃を観測したほか、岐阜県多治見で36・2℃、同じく岐阜県美濃と京都で36・0℃を観測したほか、全国927観測地点のうち、16観測地点で、最高気温が35℃以上となる猛暑日を、さらに、東北から沖縄までの広範囲にわたっての404観測地点で、最高気温が30℃以上となる真夏日となりました。

この暑さですが、

引用図②③より、本州付近を高気圧がすっぽりと覆っていますが、意上空2000m付近と上空3000m付近の風向を見ますと、ともに、本州中央部で風向が時計回りとなる高気圧性循環をしております。

上空3000m付近まで気流が高気圧性循環の場合、勢力の強い高気圧が覆っている証拠で、この状態は昨日あたりから顕著となってきております。勢力が強い高気圧におおわれますと、持続性があり、36時間程度は、同じ地点上空を覆い続けます(筆者調べ)。こうなりますと、日に日に上空(3000m以下)の気温は上昇しますので、地表付近の気温はますます上昇するというわけですね

さらに引用図③より、本州付近上空3000mと上空2000mでは、明瞭な高気圧性循環が見られますが、上空1000m付近では、風向はまばらで風速は概して弱めとなっております。こういう状況は、上空3000メートル付近まで高気圧性循環を持つ勢力の強い(背の高い)高気圧に覆われた結果、上空1000m付近では、全般的に下降気流が卓越した結果であります。このことも同時に、本州上で気温が上昇しやすい気象条件であることを物語っているものです。

この厳しい暑さですが、前記した、本州上空3000mと2000m上空の高気圧性循環が開所されるまで となるでしょう。本州上空3000mと2000mの風向に注目ですね。こういう気圧性循環が弱まったり、東へ移動しつつあると猛暑は収まりつつあるといえそうですが。こう見ますと、あさって3日までは、本州各地の猛暑は続きそうですね。