カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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台風13号、先島諸島に接近。

2005-08-31 23:54:28 | インポート
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※引用図は31日18時の天気図です。(気象庁HPより引用)

台風13号が先島諸島に接近しています。

このため、石垣島などは31日朝から丸12時間、風速25メートル以上の暴風域に入り放しで、60メートル近い最大瞬間風速を観測しました。

風速60メートルというと、どんな強さの風でしょうか?

風速30メートルで、1平方センチメートルあたり56キロの風圧がかかります。おおむね、普通の体格の大人の人間は、瞬間32メートル程度以上で、吹き飛ばされてしまいます。
これが、風速60メートルというと、1平方センチメートルあたり、なんと225キロの風圧がかかる風の強さです。

もちろん、こんな風が吹くと、曙やボブサップなんかも当然吹き飛ばされますし(あたりまえですが)、高圧線の鉄塔も雨のように折れ曲がってしまいます。ああ、恐ろしい。

ところで、台風の勢力(強さ)を見極めるのに、台風のどの部分に着目するべきでしょうか?

答えは、台風の目ですね。

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引用図は31日18時と23時のレーダーエコー図(気象庁HPより引用)をごらんいただいていますが、台風の形がドーナツ型で、真ん中の台風の目の形がくっきりと円形をしています。

このように、台風の勢力(強さ)が強いほど、その台風の目は、はっきりと円形になるものです。

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※引用図は7月26日18時のレーダーエコー図です。(気象庁HPより引用)

一方、7月26日に房総半島に上陸した台風7号のレーダーエコー図をごらんいただいておりますが、この台風の目はぼけており、その形がはっきりしなくなっています。

引用図の時刻の中心付近の気圧が、台風13号が930ヘクトパスカルにたいし、台風7号は980ヘクトパスカルとなっていることより、前記の事がうなずけるものものです。

なお、台風は、陸地に上陸すると、陸地の摩擦の為に、目の大きさはは小さくなり、その形はぼやけてしまいます。


台風11号 首都圏直撃へ。

2005-08-26 02:33:20 | インポート
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※引用図は、26日2時のレーダーエコー図(甲信)です。(気象庁HPより引用)

台風11号は、26日2時過ぎに、神奈川県三浦半島付近に達しました。

東京や横浜、千葉など、首都圏ではこれから台風が直撃する見込みですので、明け方にかけて、暴風雨のピークです。

朝の通勤通学時には、皆さん。交通情報に注意されて、お気をつけてお出かけを。


台風11号 25日夜半に伊豆半島へ

2005-08-25 17:08:54 | インポート
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※引用図は8月25日12時の天気図です。(気象庁HPより引用)

台風11号は25日15時現在、静岡県御前崎の南海上を北北東へ毎時15キロで進んでいます。

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※引用図は8月25日12時と16時の雲画像図(赤外)です。(気象庁HPより引用)

台風自体の雲の形はしっかりしており、勢力は強い状態を維持している様子がわかります。関東から東海地方沖の海水温は27℃以上と、台風にとっては勢力を維持する好都合な状態ですので、台風自体、急に衰えることはなさそうです。

ただ、台風11号の進路ですが、午前中とくらべると、少しずつ、進路を東よりに変えてきています。台風11号はこのまま進んで、26日の0時には、伊豆半島に達する見込みですね。

そのあと、どうなるか?

私の考えとしては、台風11号は、伊豆半島付近に達すると、富士山などの高い山々の影響を受けて、台風の中心がさらに東よりに変化するのでは?と考えています。

台風の進路予想図では、表現されない様子ですが、台風11号は、伊豆半島に達したあと、神奈川県から東京付近を通過して、26日午前中に茨城県沖に抜けるのではないでしょうかね。

明日朝の首都圏の交通機関が相当影響を受けそうです。あ~あ、わずらわしいですな。


台風11号が本州めがけて北上中。

2005-08-25 00:01:56 | インポート
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※引用図は、24日18時の天気図です。(気象庁HPより引用)

台風11号が、本州めがけて北上中です。

このままの進路をたどると、25日夜半前に、静岡県から関東地方のいずれかの地域に上陸する公算が強まってきました。

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※引用図は24日18時と23時の雲画像図(赤外)です。(気象庁HPより引用)

雲画像図を見ても、この台風11号、雲の形はしっかりしており、台風としては勢力は強いものです。

この台風11号、このまま北上して、すんなりと本州を通過するでしょうか?(すんなりと、は御幣あります。なるべくなら本州に来てもらいたくないのですが)

答えは、???。なんともいえないと言えるでしょう。

それは、24日18時の天気図見ていただければわかりますが、台風の北側の日本海西部とオホーツク海には高気圧が控えています。

じつは、台風にとって、前面にオホーツク海高気圧があると、オホーツク海高気圧は、台風の進路をよく妨害することをします。まして、25日にかけて、このオホーツク海高気圧は、勢力を広がる模様です。

また、現在、台風11号を流す上空の風も弱く、台風11号は現在、台風自体の渦巻きの力により北上しているのです。

台風を流す上空の風という、後ろ盾 がないし、台風の進行方向前面には、オホーツク海高気圧がブロックしているので、
この台風11号、このままのろのろとした動きを続けるでしょう。

でありますので、現在の予想進路の西側になる、東海地方に上陸して本州を縦断するといった、本州にとって最悪のコースは、この台風は取りそうもないといえるでしょう。

台風自体も、勢力は強いですが、規模はさほど大きくはありません。台風11号自体、北上して、富士山や中部山岳方面に差し掛かると、これら地形的影響をどうしても受けるようになるでしょうね。

プロレス好きな方ならわかると思いますが、高山義廣選手を中部山岳や富士山にたとえるなら、今回の台風11号は、棚橋弘至選手のようなもの。高山選手に真っ向からぶつかると勝機はないので、突進をかわして、回転海老固めで丸め込んで、電光石火の勝利をもくろむべく(すみません。私、熱狂的なプロレスファンなもので)、この台風11号は、中部山岳や富士山を避ける進路を取るようになるでしょうね。

本州沿岸に差し掛かると、東よりに進路を変えるのでは、と思っています。

この結果、関東地方を、25日深夜から26日未明にかけて縦断するのか。否か?
ことによると、関東地方を縦断とは言わずに、沿岸部をかすめるようになることも考えられますね。

こうなりますと、台風の本州に与えるダメージは、幾分軽くなりそうです。(大きな影響はいずれにしても避けられませんが)




前線が本州上を南下。所々で雷伴う大雨。南海上では台風11号が不気味な動き。

2005-08-23 23:07:26 | インポート
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※引用図は23日12時の天気図です。(気象庁HPより引用)

23日は本州上を前線が南下しましたが、前線付近では大気の状態が非常に不安定で、所々で雷を伴った大雨が降りました。

さて、今日のように、大気の状態が不安定な場合、雷雲が発生、発達するのは当たり前なことですが、
この雷雲というものは

①おおむね上空1500メートルから1万メートルの風向を合成した方向に移動する
②①の移動方向周辺の一番気温が高い方向に広がるものである。
③雷雲の最盛期になると、当該雷雲から時計回りに気流が広がるようになり、その風向と相反する風向があれは、それらの衝突する箇所に雷雲は再び発生、発達するものである。

以上の癖があります。

以下の図を見てみましょう。(引用図はすべて気象庁HPより引用)
23日13時の関東周辺レーダーエコー図より、千葉県北西部に発生、発達していますが、23日13時の関東周辺アメダス風向風速図より、千葉県北西部にある雷雲から時計回りに風が吹き広がり、北東風となって、関東南部沿岸にの南よりの風と、東京都付近で合流している様子がわかります。
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そして、23日14時の関東周辺レーダーエコー図より、13時に相反する風向の気流が衝突していた東京周辺で、別の雷雲が発生発達している様子がわかりますね。
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雷雲は、その発達程度のよっては、短時間強雨ともたらすもの。今述べた雷雲の癖を熟知することは、防災上、非常に有効なことであると私は思いますね。

話は変わりますが、本州の南海上に目を向けると、台風11号が本州めがけて北上中です。
この台風11号、このまま進むと、25日の深夜に、近畿地方から関東地方のどこかに接近、上陸する公算が極めて大きくなりました。

この台風11号が西日本の水不足に、恵みの雨となれば、と私は祈っています。