①5月29日9時の天気図 気象庁HPより引用
②5月29日9時の日本付近雲画像図(水蒸気画像で拡大版) 気象庁HPより引用・加工
東北~近畿にかけては、29日11時現在、地上ではおおむね気温25℃以上となっているのに対し、本州の上空5500m付近では、-18度以下、さらに、これから夜にかけて、-20℃以下を観測する強い寒気が流れ込んでくる予想(各種予想図より)で、昨日よりも大気の状態が不安定となる見込みです。
このため、昨日以上に大気が不安定で、昨日以上に、雷や急な強い雨 突風や竜巻などの激しい気象現象が生じる恐れがあります。
では、天気図や雲画像上のどういう箇所に注目するべきでしょうか?
引用図②には、地上天気図の低気圧の位置を示し、水蒸気画像上の水蒸気の濃淡具合をしましております。画像上で、より白く映し出されている地域ほど、下層から中層の上昇流域が発達しており、発達した雨雲が存在し得うることを表現するものです。
まず(29日9時現在ですが)、
◆山陰沖の勾玉型になった白輝域Aがありますが、特に、当該Aの周辺(南側でより一層)で画像が白く鮮やかになっております。この箇所に、暖湿流が収束して特に発達した雨雲(積乱雲)が存在しているわけです。
さらに、Aの東側に注目しましょう!
◆Aの東側には、ほぼ南西~北東方向に帯状に白くぼやけた画像域があり、当該画像域は、幾重にも縞状に画像の濃淡のコントラストが広がっております。水蒸気画像でこのような画像が現れるのは、暖湿流が大量に流れ込んでいる証拠であり、とりわけ、当該水蒸気画像の濃い部分と、地表付近の気流が地形的要因などで収束した箇所とが合致した箇所(②ではBが該当します。)で、これまた、雨雲が発達するようになります。
事実、29日9時~11時頃にかけて、Bが掛かる千葉県九十九里上空では、成田空港の着陸進入アプローチラインに当たってしまい、この時間帯に成田空港に着陸する航空機の多数が、気流の乱れによる大きな揺れを受けた模様です。
今後は、前記したAの動向に注目!各種実況図より、Aは東進中の模様。
これからAが掛かる地域では、
◇A本体を形成する雨雲のみならず、Aの進行方向前側に発生する雨雲にもご用心!当該雨雲が(Aの前側に流れ込んでいる暖湿流と、Aを形成する積乱雲から周囲に吹き下りる気流とが収束して発生するものです。)がより発達する傾向もあります。
◇さらに、地表付近で気流が地形的要因などで収束している箇所にも注意!当該箇所上を、前記したAをはじめとする積乱雲の集団が通過するような際に、竜巻等の激しい突風が発生する危険が極めて強くなります!