カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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7月12日 九州北部豪雨から1週間 今回の九州北部豪雨 中層の上昇流収束が大きな要因

2017-07-13 01:07:23 | 日記
①7月5日15時の天気図 気象庁HPより引用



7月5日15時頃より、九州北部の福岡県と大分県境地域では、1時間に100㍉を超す猛烈な雨が凡そ数時間降り続き、総雨量が700㍉以上の達した箇所も出現!福岡県南部山間部から大分県北部にかけての地域で、浸水や河川の氾濫、山がけ崩れにより甚大な災害となってしまいました。

この九州北部の豪雨ですが、異なる方向から中層での上昇流同士が、豪雨発生地域上空で互いに収束、さらに上昇流を強め、下層の気流を呼び込んで上昇流をより一層強化、この状態を持続させたためと推測されます。

まず、

② 7月5日12時、15時、18時 の水蒸気画像情報図と九州北部地域周辺レーダーアメダス解析雨量図
ⅰ:は12時 ⅱ:は15時 ⅲ は18時 気象庁HPより引用

ⅰ:



ⅱ:



ⅲ:



②ⅰ、ⅱ、ⅲの引用図内、

黄色丸印は、今回、豪雨が発生した地域 

A は、太平洋高気圧の外縁を流れる暖湿流の収束で形成された、上空3000㍍付近の上昇流域

B は、上空3000㍍付近の上昇流のうち、梅雨前線の流れ込む暖湿流が形成したものと、偏西風帯の谷の前面で発生したものとが合流して収束している箇所

を表しますが、

ⅰより 5日12時現在、A と Bとの合流地域が九州北部に接近しつつあ状態

続いて

ⅱより、5日15時現在になると、A と B の合流地域は、今回の豪雨発生地域にかかり始め、この頃より、豪雨発生地域で1時間当たり100㍉を超す、猛烈な雨に見舞われ始めております。

ⅲより、5日18時現在、前記の状況をほとんど変化なし、A Bの合流地域は、豪雨発生地域にかかり続けております。

ⅰ、ⅱ、ⅲよりA, Bの合流地域(上空3000㍍付近の上昇流のうち、太平洋高気圧の外縁を流れる暖湿流が形成したものに、梅雨前線に沿って流れる暖湿流と偏西風帯の谷の前面とが形成したものとが互いに合流している地域)では、中層での上昇流域の互いに合流収束の結果、下層での気流の収束を引き起こした ことも推測され、その結果、、雨雲が猛烈に発達している様子がわかりますが、西北西〜東南東方向と 西南西〜東北東方向とに帯状に強まった雨雲同士が今回の豪雨発生地域周辺で合流し、より一層雨雲が強まっている様子もわかりますね。
③今回の豪雨発生地域周辺の地形図 国土地理院HPより引用


引用図③と、引用図②ⅰ、ⅱ ⅲのレーダーアメダス解析雨量図を比較すると、

前記した 西北西〜東南東方向と 西南西〜東北東方向とに帯状に強まった雨雲同士、福岡県と佐賀県の県境付近にある脊振山地のおのおの北縁と南縁に沿って発達しており、これらの帯状の発達した雨雲は、脊振山地の東側で互いに合流し更に猛烈に発達、当該猛烈に発達した雨雲が、今回の豪雨発生地域周辺にかかる続けたことで、今回の豪雨災害を引き起こされた と言えるでしょう。