カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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今日も関東 甲信越 東海では雷を伴った激しい雨に警戒

2007-07-30 11:19:20 | インポート

①7月30日6時の天気図 気象庁HPより引用

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②7月30日9時の日本付近レーダアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用

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③7月30日9時の日本付近ウインドプロファイラー風向風速分布図 気象庁HPより引用

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昨日29日は、関東や甲信越地方など、東北から近畿までの本州中央部を中心にで、大気が非常に不安定となったため、あちこちで雷を伴なった激しい雨が降りました。

東京都内でも、浸水家屋なども発生し、交通機関も各地で乱れましたね。

今日30日も、日本海より、上空に寒気を伴なった低気圧が本州に近ずいているため、昨日29日と同様、東北から近畿までの広範囲で、雷をともなった激しい雨が降る。恐れがあります。

すでに、引用図②より、30日9時現在、静岡県から山梨県、長野県、愛知県の一部の渡り、非常に激しい雨を観測しており、東海道新幹線も、30日朝方、静岡県内で雨量が規制値(時間50ミリ以上)を観測したため、一時、運転がストップしました。

④7月29日21時のAXFE578図 日本気象予報士会HPより引用

22_1

引用図②での、非常に激しい雨の区域ですが、これは、引用図④の上側より、昨日29日21時に、中国地方付近に上空の気圧の谷(斜線部分)がありますが、当該谷の前面で特に上昇気流が強まり雨雲が発達しましたが、この谷に東進に伴って、この強い雨雲も東進してきました(昨日夜に、中国・四国地方で、本日30日未明から明け方には近畿地方で激しい雨が降りました。)。そして、引用図①より、遠州灘沖には低気圧が解析(先日29日夜から)されていますが、これは、遠州灘沖の海上では、南東から東より風ですが、問う東海地方の陸地では、先日29日夜間から30朝方にかけての内陸部での気温低下も重なり、北東~北~北西風と、地形的要因で気流のコントラストが大きくなって発生しているものです。

この気流のコントラストが遠州灘沖で維持される限り、当該、遠州灘域の低気圧は、遠州灘沖で殆ど停滞したままでしょう。話はそれますが。

前記した、西から進んできた、強い雨の区域は、この、遠州灘沖で発生している、気流のコントラストが大きくなっている地域(シアーラインともいいますね)でさらに雲自自体の活動を活発させしめ、このように、非常に激しい雨域に成長してしまった。と言うわけです。

今後、この非常に激しい雨域が東進してくる関東地方では、これから昼過ぎにかけて、非常に激しい雨の降る恐れがあります!

さらに、引用図③より、30日9時現在、中部山岳周辺では地形的要因で、上空1000m付近では、反時計周りの気流の流れ(低気圧製循環と言いますね。雲が発生・発達しやすい場です)となっています。引用図にはありませんが、今後、本日夜にはあらたに、別の上空の谷(これが東海上へ抜けきると不安定な天気は解消するでしょう。)が通過するでしょう。このため、関東地方西部や甲信地方では、前記した非常に激しい雨域が東に抜けても、雨雲が発達しやすいですので、警戒が必要ですね。!


夏季に北から前線南下は大雨や強雷に注意!

2007-07-28 12:10:06 | インポート

※引用図はすべて気象庁HPより引用です

①7月28日9時の天気図

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②7月28日9時の日本付近レーダーアメダス解析雨量図

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関東以西の各地ではここ数日、晴天が続き、各地で最高気温が30度以上となる真夏部を観測していますが、28日は、北海道の北を前線を伴なった低気圧が東進し、この手気圧から延びる寒冷前線が、北海道から東北地方を南下中です。

冒頭にも掲げましたように、夏季に北から南下する前線(寒冷前線として南下するケースが多いですけど)は、この前線通過時に大雨や強雷をもたらす、いわば、厄介者 でもあります。

これは、南下する前線の前面には、南から暖かく湿った気流が流れ込み、前線を挟んで北側には、比較的冷たい気流が流れ込こんで、特に、前線付近では大気の状態が大変不安定になるためです。天気図上で前線として表現されていない地域でも、その前線の延長線上方向に入る場合では、上空(1500メートル付近)では、前線としての体裁をしていることが多くため、やはり、雷雲が発達しやすく、注意が必要ですね。

引用図②より、28日9時現在、寒冷前線がかかる北海道渡島支庁で、1時間に100ミリもの猛烈な雨が降っていると推定されるほか、北海道南部や、東北北部でも雨脚が強まっています。

③7月29日21時の予想天気図

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前記した寒冷前線は、今後、東北地方を南下し、明日29日になると、本州上では前線が表現されなくなる予想ですが、本州中部では、この寒冷前線の延長線上に入ります。

28日は、北海道や東北地方、北陸地方では大雨や強雷には警戒が必要ですね!それに、次第に大気が不安定になるため、関東地方北部や甲信越地方でも一時的に強い雨や雷に注意しましょう!

あす29日も、本州中部の広範囲で、やはり、雷を伴なった短時間強雨にはお気をつけください!


24日は近畿が梅雨明け。だが、梅雨前線はまだ?

2007-07-25 00:57:07 | インポート

※引用図はすべて気象庁HPより引用です。

①7月24日21時の天気図

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②7月24日21時の日本付近雲画像図(赤外)です。

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③7月25日9時の予想天気図

07072409

24日は、近畿地方が梅雨明けしました。昨年より3日早いですが、平年と比べて5日遅い梅雨明けとなりました。

これで、近畿以西の各地では、梅雨明けしたことになります。こうなると、残りの地域(東海地方や関東地方など)でも、梅雨明けが待たれるところですが、これらの地域の梅雨明けは当分お預けとなりそうですね。

引用図①より、24日は、本州上では活動が弱まり、これまで天気がぐずついた、関東地方などでも晴れて、最高気温が30℃以上となる真夏日を各地で観測しました。ただ、引用図①②より黄海には前線が表現されており、この前線と、関東の東海上にある前線(いままで梅雨前線として表現されていたものですが)と、25日以降、次第に結びつき、梅雨前線となり、関東から中部地方付近へ停滞する見込みです。

また、引用図にはありませんが、今週26日頃と来週初めに、オホーツク海を偏西風の谷が通過し、日本の北で偏西風の蛇行が強まる予想です。これにともない、北日本や東日本上空には冷たい空気も流れ込んで来る見込みですので、梅雨前線付近を中心に大気が不安定になりやすく、雨雲が発生しやすく、所によっては強い雨が降る地域もありそうですね。

昨今、桜の開花や、長期予報など、気象庁さんの発表する予想を、当り はずれ にこだわる傾向があるようです。一部の気象会社のサイト内でも、同様です。まったく、ナンセンスな話ですが。こうなると、気象庁さんからの北日本、東日本各地の梅雨明けについても、神経質にならざるをえないのではないでしょうか。ご同情いたします。

関東地方や東海地方あたりでは、前記したオホーツク海で、偏西風の谷が通過しきる31日以降になるのでは?と私は見ています。


本年の夏の暑さについて

2007-07-22 12:29:19 | インポート

全般    1か月予報
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予報期間 7月21日から8月20日
平成19年7月20日
気象庁 地球環境・海洋部 発表

<向こう1か月>
<特に注意を要する事項>
 東日本や西日本では、7月に入って日照時間が平年を大幅に下回っており
、向こう1か月も前半を中心に平年より少ない見込みです。

<予想される向こう1か月の天候>
 向こう1か月の出現の可能性が最も大きい天候と特徴のある気温、降水量
等の確率は以下のとおりです。
 天気は、東日本と西日本では、前半は平年と比べ曇りや雨の日が多く,後
半は平年と同様に晴れの日が多いでしょう。北日本と南西諸島では平年と同
様に晴れの日が多いでしょう。
 向こう1か月の平均気温は東日本と西日本で平年並または低い確率ともに
40%、南西諸島で高い確率50%です。降水量は、北日本日本海側と南西
諸島で平年並または少ない確率ともに40%です。日照時間は、北日本日本
海側と南西諸島で平年並または多い確率ともに40%です。
 週別の気温は、1週目は東日本で平年並または低い確率ともに40%、北
日本で平年並の確率50%、南西諸島で高い確率50%です。2週目は東日
本と西日本で低い確率50%、北日本で平年並または低い確率ともに40%
、南西諸島で平年並または高い確率ともに40%です。3~4週目は、南西
諸島で平年並または高い確率ともに40%です。

<確率>

期間    要素   地域         低・少 平年並 高・多%
1か月   気温   北日本           30 40 30
1か月   気温   東日本           40 40 20
1か月   気温   西日本           40 40 20
1か月   気温   南西諸島          20 30 50
1か月   降水量  北日本日本海側       40 40 20
1か月   降水量  北日本太平洋側       40 30 30
1か月   降水量  東日本日本海側       30 40 30
1か月   降水量  東日本太平洋側       30 30 40
1か月   降水量  西日本日本海側       30 40 30
1か月   降水量  西日本太平洋側       30 30 40
1か月   降水量  南西諸島          40 40 20
1か月   日照時間 北日本日本海側       20 40 40
1か月   日照時間 北日本太平洋側       30 40 30
1か月   日照時間 東日本日本海側       30 40 30
1か月   日照時間 東日本太平洋側       40 30 30
1か月   日照時間 西日本日本海側       40 30 30

1か月   日照時間 西日本太平洋側       40 30 30
1か月   日照時間 南西諸島          20 40 40

1週目   気温   北日本           30 50 20
1週目   気温   東日本           40 40 20
1週目   気温   西日本           40 30 30
1週目   気温   南西諸島          20 30 50
2週目   気温   北日本           40 40 20
2週目   気温   東日本           50 30 20
2週目   気温   西日本           50 30 20
2週目   気温   南西諸島          20 40 40
3~4週目 気温   北日本           30 30 40
3~4週目 気温   東日本           40 30 30
3~4週目 気温   西日本           40 30 30
3~4週目 気温   南西諸島          20 40 40


<予報の対象期間>
1か月   : 7月21日(土)~ 8月20日(月)
1週目   : 7月21日(土)~ 7月27日(金)
2週目   : 7月28日(土)~ 8月 3日(金)
3~4週目 : 8月 4日(土)~ 8月17日(金)

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<次回発表予定等>
1か月予報:毎週金曜日 14時30分 次回は7月27日
3か月予報:7月25日(水) 14時=

※引用分は、7月20日気象庁発表の向こう1ヶ月間の長期予報です。

実は、先日、私のアドレスに、鹿児島県在住の mikimiki さんより、メールがありました。

mikimikiさんによると、

某サイト(サイト名はお教えいただいていますが、あえて、伏せておきます)で、前回6月末に、気象庁が猛暑予想していたが、一転、冷夏予想に転じた。とのこと。そもそも、上空の高度場の予想では、日本付近が-偏差(※カノウおにいさんより→平たく言えば、通年よりも、上空では太平洋高気圧がどっかと腰をすえない傾向との予想です。単に、太平洋高気圧が例年より弱いと言っていることではありません。張り出し方にむらがある傾向がある といえましょうか?あくまでも、平均ですからね。)で、猛暑になりにくい云々・・・と言う記載があった。でも、気象庁さんは、そもそも、本年の夏を猛暑、冷夏と断言しているんでしょうか?気象庁さんの情報をもとに、気象キャスターの方々や、マスコミが、気象庁さんの情報を曲解しているふしもあるのでは?

と言うことです。

わたしも、mikimikiさんの指摘に同感です。

20日発表の気象庁さんの1ヶ月予報を冒頭に引用しましたが、これをもって、本年の夏は冷夏とはいいきれないですね。まだ。

ただ、期間を通して、南西諸島では高温傾向であり、期間の後半は北日本でも高温傾向の予想とは読み取れます。この状態の気圧配置はどうなるのか?興味深いですよね。

本州付近の大気の流れが、西から東へ一様ではない感じにも読み取れますよね。

そもそも、1ヶ月予報自体、予報 です。修正があって当然。前回とどの部分がどう修正があったのか?見極めて気象情報は伝えるべきではないでしょうか?

さらに、猛暑、冷夏となる要素は、本州付近の地形的特性も左右されてくることです。

猛暑か?冷夏か? 気象庁さんの情報がはずれた。という情報を流される前に、気象情報に携わる方々へ、前記したことを踏まえつつ、大人の対応 をなされることを私はお願いいたします。


新潟県中越地方で大きな地震発生 新潟 長野の一部で震度6強を観測

2007-07-16 11:50:51 | インポート

※引用図は全て気象庁HPより引用です。

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7月16日10時13分頃かなり強い地震がありました。
震源地は新潟県上中越沖 ( 北緯37.5°、東経138.6°、新潟の南西060km付近)で震源の深さは約10km、地震の規模(マグニチュード)は6.6と推定されます

※補足: その後、気象庁より記者会見あり。今回地震について、震源の深さ17キロ 地震の規模(マグニチュード)は6・8と訂正ありました。

この地震での震度は以下の通りです(*印地点は、気象庁官署以外の観測地点です。)。

震度6強:(新潟県)長岡市小国町法坂* 柏崎市西山町池浦* 刈羽村割町新田*
(長野県)飯綱町芋川

震度6弱:(新潟県)上越市柿崎区柿崎* 上越市吉川区原之町*

上越市三和区井ノ口*

長岡市中之島* 長岡市上岩井* 長岡市山古志竹沢*

柏崎市高柳町岡野町*出雲崎町川西*

このほか、新潟県、長野県、石川県に至る地域の広範囲で、震度5強や震度5弱を観測、震度4が、山形県、福島県、茨城県、埼玉県、長野県、富山県、石川県の一部地域まで観測されました。

この地震で、東北新幹線、上越新幹線、長野新幹線が運行ストップしましたが、上越新幹線を除いて、10時40分までに運行を再開しています。

このほか、新潟県や長野県北部を中心に、JR各線や高速道路など、10時450分現在、不通となっています。

この地震で、新潟県沿岸の一部に 津波注意報が出されました。

この地震は、関東から甲信越北部が乗っかっている、北米プレート内に浅い箇所での地震ということになります。あの、平成16年10月23日に発生した、新潟県中越地震と、同じタイプのものです。

この地域(新潟県中越一帯)で発生した地震は、発生地域周辺の地殻が比較的もろく、地震発生後は余震が非常に多く、規模の大きい余震も発生しやすいことが特徴です。(新潟県中越地震の際もそうでしたよね)

また、地震が発生すると、地震波の中には

①実体波:地下の震源から地表に向かって伝達する波

 と

②表面波:実体波が地表で屈折して、地表表面を伝達する波 

とがありますが、

今回の地震のように、比較的地表から浅い箇所(推定で深さ10キロ)で発生した地震は、②の表面波が発達しやすいのが特徴ですね。この表面波は減衰しにくく、地震波の周期も比較的長めなものが多いですね。ですから、長時間、ユサユサと揺らすようになります。

また、この表面波は、地形的に、基盤がすり鉢型になって、その上に比較的新しい地層が分布する箇所(広範囲なものでは、関東平野や濃尾平野、大阪平野、新潟平野と言った、地図上で 平野と呼ばれる地域など。このほか、盆地や谷間と呼ばれる地域がそうです。)で発達しやすく、比較的新しい地層が分布する箇所では、地震波の内で、比較的周期の長い地震波が増幅しやすいこともあいまって、関東平野一帯でも、ことのほか揺れは大きくなる特徴があります。(引用図の震度分布図を参照ください。)

今後は、余震には充分に警戒してください!