カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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日本列島周辺での低気圧の個性ある振る舞いについてPart1(日本海低気圧)

2014-03-30 23:51:15 | インポート

①ⅰ 3月30日6時の天気図 気象庁HPより引用

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①ⅱ 3月30日6時の日本付近雲画像図(水蒸気画像で拡大版) 気象庁HPより引用

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3月30日は、午前中、日本海沿岸を低気圧が発達しながら東北東へ進んできました。

低気圧が日本海を進む場合ですが、引用図①ⅱのように、低気圧の南側が、水蒸気画像で、三角型に、白く輝いたりぼやけたりする画像が写しだされている場合は、南から暖湿流が低気圧へ向かって大量に流れ込んでいる証拠で、本州の日本海側のみならず、太平洋側でも雨量がまとまり易くなります。

さらに、当該、低気圧へ流れ込む暖湿流が、下層(上空およそ1500m以下)の地形的な特性(、日本列島の脊梁山脈の鞍部に当たる箇所)で、暖湿流同士が局地的に収束し、とりわけ発達した降水域を形成し、その箇所には、新たに別の低気圧が発生することが多いものです。※筆者調べ

前記した、低気圧が日本海を進む場合、日本列島の脊梁山脈の鞍部にあたる部分で、新たに別の低気圧が発生す易い箇所はどこか?ですが、紀伊半島沖~紀伊水道周辺が最も多いですね。※筆者調べ その様子を引用図①ⅰと引用図②③を時系列で比較してご覧下さい

②3月30日12時の天気図 気象庁HPより引用

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                           ↓

③3月30日18時の天気図 気象庁HPより引用

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ご覧のように、紀伊半島沖~紀伊水道辺りで新たに発生する低気圧と、当初から、日本海を進んでいた低気圧との間ですが、帯状に発達↓降水域が形成され、地上天気図上では、当該部分が閉塞前線として描かれ、当該閉塞前線の閉塞点に、前記した、紀伊半島沖~紀伊水道辺りで新たに発生する低気圧が表現されることもありますね。この場合は、暖湿流の日本海側への突っ込みが、比較的狭い時に見られます。

そして、この場合、新たに発生する低気圧が、閉塞点として表現された場合、当該、新たに発精した低気圧が主力となって発達し、本州南岸から東海上へと進むパターンを取ります。※以上は、全て筆者調べによります。

低気圧が日本列島周辺での個性ある振る舞いの一つですね。


未明に中国地方中心に大きな地震 最大震度5強を観測!

2014-03-14 13:02:12 | インポート

引用図は、14日2時07分に発生した地震の震央と各観測地点震度分布図です。気象庁HPより引用・加工

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14日未明、02時07分頃中国地方、四国地方中心に大きな地震がありました。

震源地は伊予灘(北緯33.7度、東経131.9度)で、
震源の深さは約80km、地震の規模(マグニチュード)は6.1と推定されます。

この地震で、震度5強を 西予市明浜町 西予市三瓶町 で観測したほか、広島県、愛媛県、高知県、山口県、大分県の一部地域で震度5弱を、また、中国地方や四国地方、九州地方の広範囲で震度4を観測しました。

この地震は、中国地方や九州地方の下に沈み込む、フイリピン海プレートの内部で発生した地震であると思われ、こういった、日本列島の下側に沈み込むプレート(スラブとも呼ばれます。太平洋プレートやフイリピン海プレートなどがそうです。)の内部で発生する地震は、比較的短周期の地震波を発生させやすいと言う特徴があり、本州地表まで地震波が到達する間、地震波が通過する地下の地形的特性を受けて、強い揺れの地域が斑状や、内陸部に斑点状に及ぶ特性があります。

この地震を放映する各テレビ局の報道番組などで、この地震の揺れ方が、ガタガタと比較的小刻みに揺れていた様子が解りますが、こういった、比較的短周期の地震波というもの、建造物を倒壊などの大きなダメージをさせにくい地震波であるといえますが、傾斜地の崖崩れ、山崩れや、石垣等には大きなダメージを与えやすく、建造物でも、外壁の破損や屋根瓦の落下、ズレなどを発生しやすい地震あると言えますね。


冬型気圧配置に伴う雲の形をよく見ると?

2014-03-07 12:14:32 | インポート

①3月7日9時の天気図 気象庁HPより引用

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②3月7日9時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用・加工

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③3月7日9時の日本付近雲画像図(水蒸気画像で拡大版) 気象庁HPより引用・加工

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日本付近では、北日本中心に冬型気圧配置が強まり、この時期としては大変強い寒気が上空うに流れ込んでいます。このため、北海道中心に風雪が強まり、交通機関に影響も出ています。

立春すぎたのに、異例とも言える陽気ですよね。

引用図①②③より、日本列島付近には、冬型気圧配置に伴う雲の集団が広がっておりますが、これら雲の集団をよく見ますと、ある天気変化が予想される典型的な形となっています。

まず、引用図②より、aとbの部分ですが、下層(およそ上空1500m以下)での気流が合い交わり収束している箇所に現れますが、特に、上昇流域が上空3000m付近にやってくると、その雲の活動が強まり、形がはっきりして、雲の範囲が広がる傾向があります。こうなりますと、冬型気圧配置上昇で、降水となりにくい関東地方や甲信地方南部などに、思わぬ降水(雪や雨)をもたらします。

引用図②のaのような雲の集団が関東東海上に現れて、bの雲の集団は、帯状で、所々渦を巻いたようた雲が見られます。引用図③より、水蒸気雲画像上では、上空3000m付近の上昇流域に伴う典型的な雲画像(帯状に白くぼやけた画像域)があることが解りますね。

今回の場合は、関東地方から甲信地方南部の下層では、真冬並みの寒気が覆っています。このため、雲を発達させる一要因である寒気不安定度は、強い降水をもたらすまでには及ばないと思われます。ただ、関東地方(特に南部)や山梨県富士五湖地域を中心に、本日夕方から夜にかけて小雪がちらつき、箱根周辺では積雪となることも予想されます。

さらに、空の分野ですが、房総半島から伊豆諸島北部中心に、7日11時現在、すでに、気流が乱れ始めております。今後、前記した上空3000m付近の上昇域が関東周辺を夕方から夜着かけて通過することが予想されますので、関東周辺では、気流が更に乱れることが予想されますね。

羽田空港や成田空港を本日(特に夕方から夜)利用される方々!離着陸時機体が揺れますね。ご注意を!