3日の関東地方は、予想よりも晴天に恵まれて、東京では最高気温20・5℃と、本年初めて最高気温が20℃を超えました。
また、千葉県中部の牛久では、14時に23℃を観測して、初夏の陽気となりました。
引用図は、3日15時の天気図と、3日14時の関東周辺のアメダス風向風速図と、同じく3日14時の関東周辺のアメダス気温図を並べてみました。これをみると、日本海からは寒冷前線(活動は弱いものですが)が南下しています。関東地方では、寒冷前線の前面で、西側の山地を吹きおりる気流がフェーン現象を起こし、気温が上昇しやすい気圧配置となっています。
また、関東地方では、茨城方面は東よりの風ですが、千葉南部から関東南岸では南~南西風となっています。ちょうど千葉県北部あたりで、双方の風が衝突している様子がわかります。そして、14時に23℃を観測した千葉県中部の牛久は、この双方の風が衝突したすぐ南側となっています。前記した双方の風が衝突した結果、衝突した地域に隣接する地域では、局地的に下降気流(気温を上げる働きをします。)が強められて、当該地域に位置する千葉県牛久では、いっそう高温となったと思われます。
関東地方では、関東地方が気温が上昇しやすい気圧配置の時には、日中、海から内陸に吹き付ける風(海風)が広範囲に吹きますが、この海風の風向にも注目する必要がありますね。海風同士が衝突している地域に隣接する地域では、特に、日中高温になるものです。
今日の気温の上昇で、桜の開花が進んだことですが、西からは、強い換気を伴った低気圧が東進中。あすは、一転して冬の陽気に逆戻りとなってしまうそうですね。なんか、本年の春は不順です。皆さん。風邪に注意しましょう。
※引用図は4月3日15時の天気図と、3日14時の関東周辺のアメダス気温図と、同じく3日14時の関東周辺のアメダス風向風速図です。(気象庁HPより引用いたしました。)
31日の東京は、最高気温15・5℃となり、午後には、桜の開花が発表されました。東京の桜の開花は昨年と比べると13日遅く、平年と比べても3日遅いものでした。
東京以外でも、甲府、名古屋、高知などでも桜の開花が発表されました。
桜の開花というものは、各気象台が基準となる場所の基準の桜の木(これを標本木といいます。)を決めており、その標本木が5~6輪つぼみが咲くと、開花と発表されますし、開花の後、当該標本木のつぼみが80%以上咲くと、満開と発表されます。
桜は、開花から概ね平均気温の積算が55℃~60℃に達すると満開となるもので、週間予報などを勘案すると、東京あたりでは、4月の第1週目の土日あたりに満開となりそうですね。
ようやく、花見の季節を今年も迎えるようになりました。
花見と言えば、そう。桜の木の下での酒盛りですね。こたえられません。
でも、皆さん。桜の花見で、酒を飲みすぎて、桜ん???(錯乱)状態にならないように、くれぐれもご注意あれ。
※引用図は31日15時の天気図です。(気象庁HPより引用致しました。)
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28日は、低気圧が本州南岸を東進したため、本州の南岸沿いの地域では全般的に雨となりました。南西諸島の一部ではかなりの大雨となったところもあります。
さて、引用図の28日18時の天気図、関東地方のアメダス風向風速図と気温図をみると、低気圧が関東南岸にありますが、関東平野では、千葉から横浜を結ぶ線上より南側では、気温が概ね13℃から15℃程度となっており、風向は南側では南よりの風、北側では北よりの風となっており様子が判ります。なお、画像にはありませんが、関東地方上空では1000メートルあたりより上空では南よりの暖かく湿った風が吹いています。言ってみれば、地表付近の前線が発生していると言えますね。
この状況は、関東以西の太平洋側の沿岸部で発生し易く、沿岸前線と呼んでいます。
特に関東平野では、低気圧が西から接近通過する場合、内陸部に冷気が溜まり易く、関東南岸で南よりの風となる場合は、沿岸前線が発生し易くなります。
この沿岸前線を境にして、直線距離で10キロ程度しか離れていなくても、気温差が10℃以上となることは珍しくなく、冬季の関東平野では、雨と雪との境目となります。。
沿岸前線付近を中心に雨量がまとまるものですし、時には沿岸前線付近では、短時間強雨や、竜巻、突風が発生することもあります。昨年6月30日にに静岡県静岡市で360ミリを超す豪雨となったり、本年1月16日に千葉県銚子で200ミリを超す冬の大雨となったのはこの沿岸前線の影響と考えられます。
25日の日本列島各地では、一時的に冬型気圧配置が強まり、日本海側では各地で雪となりました。また、全国的に風が強く、伊豆諸島の三宅島では午前10時20分頃、最大瞬間風速34・7mを観測したほか、関東地方では、午前中、JR鹿島線の延方~鹿島神宮間で、運行規制値の25mを観測したため、列車の運行が見合わせとなったりしました。
引用図では、25日9時の天気図と、関東地方周辺のアメダスの風向風速図をご覧頂いていますが、関東地方の風向風速の情況をつぶさに見ると、埼玉県より北側では、北西風が、そして、伊豆諸島から伊豆半島では西から西南西の風が吹いており、この風向の異なる風同士が神奈川県三浦半島から相模湾沿岸で衝突しています。すぐ東側の千葉県でが西よりの風が強まっていますが、この2つの風が衝突している三浦半島から相模湾沿岸付近を中心にして、神奈川県西部や東京多摩地区では、風は弱めとなっています。
実は、このような現象は、関東平野では冬型気圧配置時には良く見かけることです。2つの風が最も衝突し易い地域は伊豆大島近海から神奈川県箱根周辺ですね。
冬型気圧配置時には、季節風は日本列島の地形的特性の為、関東地方には、上信越の山岳や福島方面から関東平野に向かって吹く、北~北西風と、静岡方面からの西から西南西の風が関東南岸で衝突するようになりますが、静岡方面からの風の南分が大きくなり、その風が強まるほど(言いかえれば西南西風から南西風となる場合)、前記した、2つの風の衝突する地域は、北側に移動するようになります。概ね、本州付近の等圧線が、北北西から南南東に走っている時は、当該衝突する地域は東京地方から神奈川県付近、日本海北部に低気圧があり、本州付近が西より風が卓越する場合は、栃木県南部あたりまで北上することもありますね。
このように関東地方は、全国でもあまり例がない、本州の地形的特性で分断された冬型季節風同士が衝突する場でもあるんですね。
※引用図は3月25日9時の天気図とアメダス風向風速の関東の画像です(気象庁HPより引用致しました。)