カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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25日昼過ぎ 千葉県北西部などで竜巻発生!!

2011-04-25 20:47:19 | インポート

①4月25日12時の天気図です。気象庁HPより引用。

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②4月25日13時の関東周辺アメダス風向風速図です。気象庁HPより引用。

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竜巻発生時刻(13時20分頃)にかけて、竜巻発生地点で降水エコークラスターが強まりながら通過する様子。それぞれ関東周辺レーダーエコー合成図③4月25日13時10分 ④4月25日13時20分 ⑤4月25日13時30分

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4月25日13時30分頃 千葉県我孫子市や鎌ヶ谷市、船橋市北部など千葉県北西部や茨城県取手市周辺で、竜巻と思われる突風が吹き、駐車場の車が吹き飛ばされたり、民家の屋根が破損したりしました。幸いに、負傷などの人的被害は発生していないとのことです。

夕方のNHKニュースを見ると、乗用車が別の乗用車の上に吹き上がったりとが、民家の屋根が、引きちぎれるような破損をしていました。これらの被害状況は、竜巻が原因となる典型的な被害状況でありますし、NHKニュース内でも、漏斗雲を現地の方が撮影した様子を写していましたから、今回の突風は、間違いなく、竜巻と断定して良いでしょう。

竜巻と言うもの、地表付近で気流の水平シアーがある(引用図②の千葉県北西部の部分を参照) ことと、鉛直シアーが大きい(今回は、500hpaの正渦が25日昼過ぎに関東地方を通過しました。引用図③④⑤は、上空寒気流入で大気不安定な所へ、当該正渦が移流する際に伴う、当該正渦の前面の上空3000m付近の顕著な上昇流域の伴うものです。)箇所に、発達した積乱雲(発達途中であれば、より一層)が通過する場合に発生します。

また、竜巻は1つのみではなく、前記した条件を満たす地域に複数発生することも多く、今回の事例がまさにこれに当てはまります。


気象庁より 震度設置地点点検作業結果について 地震の揺れ方って局地性も強いこともお忘れなく!

2011-04-22 11:29:04 | インポート

気象庁では、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震発生以降、震度5強以上が観測された震度観測点を対象に点検・調査を実施しているところとのことですが、4月21日発表としての結果は以下の通りとのことです。

詳細はhttp://www.jma.go.jp/jma/press/1104/21a/201104211500.pdf をご覧ください。

これによりますと、

Ⅰ:地における震度計の点検結果

ひび割れや傾きなどの異常が認められ、震度観測が適切に行われない状態となっていると判断した観測点は以下のとおりです。

①奥州市胆沢区(おうしゅうしいさわく)(岩手県) 地方公共団体計測・・・・・ 震度計台と地盤との間に隙間、震度計台の傾き

②栗原市志波姫(くりはらししわひめ)(宮城県) 地方公共団体 計測・・・・・震度計台周辺に亀裂

③二本松市針道(にほんまつしはりみち)(福島県) 地方公共団体計測・・・・・ 周辺地盤のひび割れ、震度計台の傾き

④須賀川市岩瀬支所(すかがわしいわせししょ)(福島県) 地方公共団体計測・・・・・周辺地盤の陥没、震度計台の傾き

⑤常陸太田市金井町(ひたちおおたしかないちょう)(茨城県)  地方公共団体計測・・・・・ 震度計台周辺に亀裂

 これらの観測点では、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の強い揺れの影響により異常が発生したと考えられます。このため、地震情報への活用を停止するとともに同地震以降(本震含む)に観測された震度は欠測扱いとします。とのこと。

今回の東北地方太平洋沖地震、語弊あるようですが、津波被害がクローズアップされている感じにもとれますが、そこは、モーメントマグニチュード9・0(世界歴代4位)の巨大地震でありましたから、激しい揺れの範囲も広範囲に及んでいることが解りますよね。

Ⅱ: 設置環境調査結果
 

3月11日から31日までに発生した地震について、観測された計測震度と周辺の観測点の計測震度との比較調査を行いました。その結果、計測震度の差が0.5を超えており、震度階級で2階級の差となる場合があるなど、震度が周辺に比べ過大に観測されていると判断された観測点は以下のとおりです。

観測点名 所属機関  計測震度の差

①鉾田市当間(ほこたしとうま)(茨城県) 防災科学技術研究所計測※鉾田総合公園内に設置 0.73

 上記観測点は、震度計の設置状況には異常が認められないため、震度観測自体は正常に行われていると考えられますが、地域代表性という観点から、防災対応のトリガーとして使用するのは不適切と判断し、地震情報への活用を停止します。
 今後も点検・調査を継続し、適切に震度観測ができない等、問題のある観測点が認められた場合は、同様の措置とします。

とのことです。

茨城県鉾田市当間と言えば、東北地方太平洋沖地震の本震時には震度6強を、さらに、本震発生およそ30分後の最大余震発生時にも震度6弱を観測しています。

たしかに、鉾田市内の地形図を見ると、鉾田市内中心部では、台地の谷地にあたり、地盤は軟弱な様子ですが、当該、鉾田市当間の鉾田市総合公園は、台地の縁の斜面沿いにあたり、公園内には、台地を切り刻む谷地を形成する、湧水地域を思われる窪地が分布しています。仮に、当該窪地内に、盛土して地盤造成し、その上に震度計設置と言う環境であれば、局地的に、周辺地域よりも一層地震時の揺れが大きくなることが推測できそうですね。

21日夕方のNHKニュースで、この鉾田市当間の震度計設置箇所の映像が流れましたが、どうも、盛土の上に震度計が設置されている様子でしたね。

ただ、今回の東北地方太平洋沖地震でも、計測状況や設置環境結果に問題なしと見られた、と栃木県宇都宮市内 宇都宮地方気象台(市内明保野町)※台地上に位置と推定 が震度5強 と観測されたのに対し、同じ市内白沢町※国道4号鬼怒川大橋近く。鬼怒川周辺の後背湿地に当たる軟弱地盤に位置 では震度6強を観測し、当該白沢町内では、家屋の大破や道路の陥没なども発生していた とのことです。

本ブログでも、過去に紹介しましたように、同一市町村内でも、震度が1階級~2階級異なることは当たり前 と言えます。

地震の揺れは大きくなる特性が強い地域として、

◆軟弱地盤・・・・・

ア:人工的に新たに造成した箇所(埋立地や斜面沿いの盛土部分等)

イ:地下水位が高かったり(河川沿いの周囲より低くなった箇所)して、土質がよく締まっていない箇所(山地や台地の谷地や窪地、山地の斜面沿いの表土層が周辺より厚い箇所。これらの地域では、湧水が確認出来ることも多いですから、湧水地帯の周辺も一つの目安になるでしょうね。)

が挙げられますが、

◆地盤の硬軟が地震波が進んで来る方角に不均一な地域

・・・・・地震波が進んでくる方向に垂直に地盤の硬軟が分布する地域では、相対的に地盤の堅い部分と相対的に地盤の軟らかい部分とのコントラストが大きい箇所で、地震波が局地的に屈折して、揺れが大きくなる特性があります。

が挙げられます。


地震情報の詳細について(きみひろさんのご投稿に返答いたします!!)

2011-04-21 10:46:46 | インポート

きみひろさんへ、本ブログご覧頂いて、誠に有り難うございます。

今回の震災のご対応業務、ご苦労様です。

ご投稿の内容、本ブログの記事として紹介させていただくことが必要かと考え、記事に致しました。

まず、気象庁からの地震情報の種類の詳細については、

http://www.seisvol.kishou.go.jp/eq/index_seisinfo.html

をご覧ください。詳細が記載されております。

これによると、大まかに言って、

①震度速報

・・・・・地震発生して、約1分半ほどすると、震度3以上を観測した地域がある場合、地震の発生時刻と震度3以上を観測した地域名で発表されるもの。

前記地域名は全国187箇所で区分されており、http://www.seisvol.kishou.go.jp/eq/shindo_name.html をご参照ください。

きみひろさんの御居住の福島県白河市内は、福島県中通り となります。(ちなみに、筆者の居住地ですと、東京23区 となりますね。)

さらに、震度3以上を観測した地震の場合、

②震源に関する情報

・・・・・震源やその規模(マグニチュード)を発表。
「津波の心配ない」または「若干の海面変動があるかもしれないが被害の心配はない」旨を付加。

もしくは、震度3以上を観測して、かつ、

  • 大津波警報、津波警報または注意報発表時 (その対象地域や予想される津波の高さや予想到達時刻が発表されますね。
  • 若干の海面変動が予想される場合
  • 緊急地震速報(警報)を発表した場合
  • には、前記②の形式では発表せず

    ③震源・震度に関する情報

    ・・・・・震源やその規模(マグニチュード)、震度3以上の地域名と市町村名(政令指定都市では区単位まで)を発表。震度5弱以上と考えられる地域で、震度を入手していない地点がある場合は、その市町村名を発表

    となります。

    さらに、前記①②もしくは③を経て

    ④各地の震度に関する情報

    ・・・・・震源やその規模(マグニチュード)、震度1以上の地域名と市町村名を発表。震度5弱以上と考えられる地域で、震度を入手していない地点がある場合は、その市町村名を発表。

    と言う流れになります。

    他、地震発生後、

    ⑤最大震度5弱以上を観測した地震の場合、推計震度分布図 を発表しますが、

    震度観測地点の震度の再検証をへて、震度訂正が行われることもありますので、震度訂正が行われていない状態での分布図であることをご留意ください。

    先日、気象庁地震火山観測課さんにお邪魔しましたところ、現在、去る3月11日の東北地方太平洋沖地震 本震の震度の再検証の最中とのこと。でした。


    東北地方太平洋沖地震 余震の行方は? Part3

    2011-04-19 13:14:16 | インポート

    気象庁より、4月18日に、東北地方太平洋沖地震の余震についての今後の見解が公表されました。

    詳細は、①引用文書 http://www.jma.go.jp/jma/press/1104/18a/kaisetsu201104181715.pdf をご参照ください。

    これによりますと、4月18日15時から3日以内と4月21日15時~3日以内に、最大震度5強以上(気象庁では、マグニチュード7・0以上の地震をこう定義つけています。)の地震の発生する確率は、それぞれ10%とのことですね。

    確率10%を高いか?低いか?どう皆さんはお考えになるでしょう?

    ただ、今回の東北地方太平洋沖地震発生前の平常時に、東北地方から関東地方の太平洋沿岸や沖合いでマグニチュード7・0以上の地震の発生する確率はおよそ0・2%と見られていましたから、前記した確率10%は、決して、当該、マグニチュード7・0以上の余震が発生する懸念が無くなった とは、決して言えませんよね。

    確かに、余震の回数は、本震発生直後よりは減少しています。ただ、今までの余震の発生状況を見ると、時より前日よりも回数が多くなって、余震活動が活発になったり、大きな余震が発生すると言う繰り返しとなっています。

    今しばらくは、余震の発生状況にはご注意を!、大きな余震に備えて、お住まいの周辺や室内に、破損箇所や、崖等の亀裂や浮石など無いか?今一度確認をお願いします。

    最後に、一部のメデイアで、再び東北地方にマグニチュード8クラスの巨大地震が発生する。早ければ1ヶ月以内 と銘打ったニュースが飛び交った とのこと。私の東北地方の親戚や知人の間では、大変不安に駆り立てられています。(私は出所を知っております。)

    ただ、当該記事の内容をよく見ると、確実に早くて1ヶ月以内に、巨大地震は発生するとは謳っておりません。どうか冷静になっていただきたいと思います。さらに、記事を発信するメデイアも、記事の表現などには、どうが、細心の注意、配慮を配っていただきたいと思います。


    寒冷渦日本海から本州へ 東北ではこれから雨量まとまり、山間部では積雪も!!

    2011-04-19 12:29:16 | インポート

    ①4月19日9時の天気図 気象庁HPより引用

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    ②4月19日9時の日本付近雲画像図(水蒸気画像で拡大版) 気象庁HPより引用

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    ③4月19日9時の青森県三沢基地エマグラム図(700hpa※上空3000m以下) オハイオ州立大学HPより引用。

    2011041900_47580_stuve700

    4月19日は、低気圧が山陰沖と関東南岸にあり、それぞれ北東または東よりへ進んでいます。

    上空500hpa(5500m付近の)実況天気図をみると、日本海中部には、低気圧があり、この低気圧は強い寒気を伴っています。(寒冷渦と呼ばれるものですね。)

    寒冷渦というもの、引用図②より、当該寒冷渦取り巻く雲の形は台風のように、螺旋状 となっており、当該螺旋状の箇所が上空3000m付近での上昇流が顕著で、強い降水をもたらす者です。引用図①での、山陰沖と関東南岸にある低気圧は、寒冷渦接近で、前記した螺旋状の雲が掛かった地域(上空3000m付近での上昇流が顕著な地域)で、かつ、地上付近で地形的絵影響等で、気流が集まっている地域で解析されるものです。

    更に、寒冷渦の進行方向前側では、暖湿流が入りやすく、強い降水が起こりやすいもの。引用図③より、青森県三沢基地では、19日9時現在、地上付近から上空3000mまで、暖気移流(風向が時計回りに変化しています。)となっており、上空700m付近~上空2000mまで、気温と露点温度との差が殆ど無く、暖湿流が入り込んでいることを示していますね。東北地方(特に地形太平洋側)では降水がまとまることが考えられます。

    また、三沢基地では、上空1500m付近で-6℃と低く、これらの実況より、東北地方では、山間部や内陸部では、積雪となる恐れもあります。

    以上、東北地方では、これから、太平洋側を中心に降水がまとまり、内陸部や山間部では積雪となる箇所もありますので、どうか、ご注意なさってください!!

    また、関東から九州にかけての地域でも、引用図②より、所々水蒸気画像で白く輝く区域が残されていますから、大気は不安定と考えられます。急な雨や雷には気をつけてください!!