①1月28日6時の天気図 気象庁HPより引用
②1月28日6時の全国ウインドプロファーラー風向風速分布図 気象庁HPより引用
③1月28日6時の関東周辺アメダス風向風速分布図 気象庁HPより引用
④1月28日6時の関東周辺アメダス気温分布図 気象庁HPより引用
1月27日夜から1月28日午前中にかけて、日本海西部~本州中部~関東南東沖を、上空に寒気を伴なった気圧の谷が通過したため、関東以西の各地では、広範囲で積雪となりました。
28日12時までに、
千葉 と 広島 で6㎝
銚子で 5㎝(昭和59年以来30年ぶり)
神戸 と 奈良で 2㎝
名古屋 で 1cm
の積雪を観測しました。
普段、あまり降雪とならない地域での積雪とあって、交通機関等、混乱した様子ですね。
特に、千葉県内北部地域では、一時強い降雪となり、千葉では、28日8時までの2時間で5㎝もの雪が降り積もりました。成田空港では28日9時までに8cmの積雪を観測、A、B滑走路交互に閉鎖し除雪しなければならなくなり、離着陸する航空機に、欠航や1時間以上の遅延などが発生しましたね。
今回の千葉県北部地域の短時間での強い降雪ですが、関東平野(特に千葉県周辺)の局地的な気象特性と、上空に寒気を伴なった気圧の谷内での、降水域の分布・発達の特性がジョイントした結果であると私は考えています。
まず、引用図①では、上空寒気を伴なった気圧の谷が本州中部を通過した形跡ははっきりしませんが、引用図②より、上空3000m、2000m、1000m付近には、関東地方周辺に、反時計周りの気流が現れています。これは、上空寒気伴う気圧の谷通過時に見られる典型的な現象です。
さらに、引用図②より、28日6時現在、上空1000m付近では、勝浦で西北西風、水戸で北より風となっていて、丁度、千葉県北部付近で、気流の風向不連続部分(シアーライン)が現れています。
引用図③でも、28日6時現在、地表付近でも、銚子では北東風、千葉では北西風と、風向のシアーラインが現れて、当該、千葉県北部周辺シアーライン周辺では、軒並み、気温が氷点下と周辺部より気温が低下しています。これは、関東平野での地表付近の冷気が、北東風と北西風とで合流して、更に気温を低下させたためです。
丁度、引用図示した、28日6時辺りから、千葉県北部周辺では降雪が強まった様子ですが、この頃に、上空寒気を伴なった気圧の谷が千葉県周辺を通過し、東海上へと移動しつつある状態と見られますが。上空寒気伴う気圧の谷通過時には、下層で気流が収束する箇所で、降水域が帯状に発達するのが特徴(筆者調べ)で、まさに、千葉県北部周辺では、前記したシアーライン発生箇所で、降水域が更に強まったことと、千葉県北部周辺での局地的な気温低下とが今回の短時間の強い降雪につながったわけですね。
続いて、千葉県北部周辺で、雪雲が帯状に発達する様子を、関東周辺レーダーアメダス解析雨量図 ⅰ:28日4時 ⅱ:28日6時 ⅲ:28日8時 とご覧下さい
ⅰ:
↓
ⅱ:
↓
ⅲ:
今回のような、地上天気図では表現されにくい、上空寒気伴う気圧の谷!なかなか侮れませんよね!