西日本豪雨(その2)
2018年7月7日(土)
【前回までのあらすじ】
東日本から西日本の広い範囲にわたって降った大雨で、広島県は大きな被害を受けた。
7月6日、15時30分でJRが運転を取りやめたため、会社の人の車に便乗させてもらい、勤務先の東広島市から国道2号線経由で自宅がある広島市を目指す。
しかし、国道2号線は瀬野川(せのがわ)の決壊(けっかい)、通行止めのため進むことができず、やむなく会社に引き返し、一晩を過ごすことに。
雨が上がった7月7日朝、広島市を目指して会社を出発した。
8時前、会社を出て国道2号線から広島市内を目指すも、通行止め。
志和インター方面への道は大渋滞のため、県道46号線から志和インターを目指すが、こちらも土砂崩れで通ることができない。
見とったら、道の反対側から若いお兄ちゃんが、自転車でこちらに向かってやってくる。
そのお兄ちゃん、自転車を頭の上にして、土砂の中を歩いてこちら側までやってきた。
お兄ちゃんの太ももあたりまで土砂があったけぇ、60センチ近く積もっとることになる。
土砂が60センチも積もっとるんじゃったら、どうやっても車じゃ通れんじゃろ。
ここから先、どう進むか?
結論が出ないので一旦、会社に戻る。
このあたりの道路に詳しい方が出勤してきたので、作戦会議。
県道33号線を通って、志和から山越えで瀬野に出る。
そこから県道85号線で畑賀(はたが)を通り抜け、さらに県道84号線を通って府中町に抜ければ、広島市まで行くことができる!
はず…。
9時前、その方の先導で会社を出発。
途中の道は、昨夜からの大雨で土砂崩れがあったり、道に水があふれていたりする。
近隣の方が、道路の土砂を取り除いたり、中には簡易的に交通整理をされているところもあった。
必要にかられての作業じゃとは思うんじゃが、ほんまに頭が下がります。
ご苦労様です。
ありがとうございます。
山道に入る手前で、県道33号線は通行止め。
県道33号線を志和堀まで行って、県道46号線を北上することに。
ここで先導車は会社に戻り、ふたたび昨日のメンバーで広島市を目指すことに。
県道46号線の手前に県道176号線があったので、左折してこの道を進む。
が、土砂崩れのため進むことができず、引き返して県道46号線を目指す。
県道46号線は、途中で通行止めになっとった。
…が、今までの通行止めよりは、見通しが良さそうだ。
ということで、この道を突破しようと試みる。
いうのも、昨夜から何度も通行止めの道を見てきた。
その数少ない経験から、「この道はいける(=大丈夫)んじゃないか」と判断したんじゃの。
道を進んでいくと、道の真ん中で車が止まっとった。
雨も止んだことじゃし、何かの作業中で車を止めとってんかと思うたら、これが大間違い。
道の左側を流れる川が決壊して、この車は前から流れてきた川の水に立ち往生して、そのまま乗り捨てられたらしいことが分かった。
車のタイヤには、大量の泥と水草が絡まっていた。
山側には、川の流れに押し流されたと思われる車が2台。
川側には、停まった車と、その車に突っ込んだ車が2台。
合計5台の車が、20メートルくらいの範囲に取り残されとった。
嗚呼、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏…。
そこを無事、通り過ぎたと思うたら、その先に道がない!
車の外に出てみると、川の濁流に流されて道がえぐり取られ、文字どおり道がなくなっとった!
無言で、引き返す。
11時ころ、志和堀交差点のコンビニでひと休み。
当たり前じゃが、弁当・おにぎり・パン類は、ほぼ売り切れ。
道路があちこちで通行止めになっとって、品物を配達する車がコンビニまでたどり着くことができんのじゃろう。
いや、その前に、弁当やおにぎり、パンを作っとる工場自体が稼働しとらんのかもしれん。
北へ抜ける道をあきらめ、県道33号線を東へ向かう。
ここから先は、今までと違って通行止めがまったく無し。
今まで苦労して進んできただけに、ちょっと拍子抜けではあったが…。
12時ころ、道の駅福富(ふくとみ)着。
パンを買うことができたので、ここで昼めしをいただく。
ここから国道375号を北上。
左折して甲立(こうたち)へ出て、国道54号線を南下。
会社を出発して約5時間半たった14時30分ころ、広島駅北口に到着。
はぁぁ~、長かった。
普通なら、電車で約30分。
車でも同じくらいの時間で行き来できるところが、5時間半もかかってしもうた。
最後まで車を運転してくれたW君。
ありがとう!
感謝!!
家に帰って、風呂に入り、ビールを飲んでひと休み。
わしゃ、この一口のために生きてきたんじゃ。
あぁ、このまま眠ってしまいたい。
しかし、わしにはまだせにゃいけんことが残っとる…。
明後日(7月9日)、姪っ子が沖縄で結婚式を挙げるけぇ、明日(7月8日)は広島空港まで行かにゃいけん。
例の大雨で、広島市内から広島空港までの高速道路は通行止め。
高速道路が使えんけぇ、広島駅・広島バスセンターからの空港リムジンバスも走っとらん。
どこを通っても通行止めという状況の中、広島空港までたどり着くことができるんじゃろか?
はぁぁぁぁ~(大ため息)、どーしよ?
(つづく)
今日は、西日本豪雨(その2)「広島市への帰還!」について話をさせてもらいました。
次回は、西日本豪雨(その3)「沖縄へ!」の予定じゃ。
ほいじゃあ、またの。
2018年7月7日(土)
【前回までのあらすじ】
東日本から西日本の広い範囲にわたって降った大雨で、広島県は大きな被害を受けた。
7月6日、15時30分でJRが運転を取りやめたため、会社の人の車に便乗させてもらい、勤務先の東広島市から国道2号線経由で自宅がある広島市を目指す。
しかし、国道2号線は瀬野川(せのがわ)の決壊(けっかい)、通行止めのため進むことができず、やむなく会社に引き返し、一晩を過ごすことに。
雨が上がった7月7日朝、広島市を目指して会社を出発した。
8時前、会社を出て国道2号線から広島市内を目指すも、通行止め。
志和インター方面への道は大渋滞のため、県道46号線から志和インターを目指すが、こちらも土砂崩れで通ることができない。
見とったら、道の反対側から若いお兄ちゃんが、自転車でこちらに向かってやってくる。
そのお兄ちゃん、自転車を頭の上にして、土砂の中を歩いてこちら側までやってきた。
お兄ちゃんの太ももあたりまで土砂があったけぇ、60センチ近く積もっとることになる。
土砂が60センチも積もっとるんじゃったら、どうやっても車じゃ通れんじゃろ。
ここから先、どう進むか?
結論が出ないので一旦、会社に戻る。
このあたりの道路に詳しい方が出勤してきたので、作戦会議。
県道33号線を通って、志和から山越えで瀬野に出る。
そこから県道85号線で畑賀(はたが)を通り抜け、さらに県道84号線を通って府中町に抜ければ、広島市まで行くことができる!
はず…。
9時前、その方の先導で会社を出発。
途中の道は、昨夜からの大雨で土砂崩れがあったり、道に水があふれていたりする。
近隣の方が、道路の土砂を取り除いたり、中には簡易的に交通整理をされているところもあった。
必要にかられての作業じゃとは思うんじゃが、ほんまに頭が下がります。
ご苦労様です。
ありがとうございます。
山道に入る手前で、県道33号線は通行止め。
県道33号線を志和堀まで行って、県道46号線を北上することに。
ここで先導車は会社に戻り、ふたたび昨日のメンバーで広島市を目指すことに。
県道46号線の手前に県道176号線があったので、左折してこの道を進む。
が、土砂崩れのため進むことができず、引き返して県道46号線を目指す。
県道46号線は、途中で通行止めになっとった。
…が、今までの通行止めよりは、見通しが良さそうだ。
ということで、この道を突破しようと試みる。
いうのも、昨夜から何度も通行止めの道を見てきた。
その数少ない経験から、「この道はいける(=大丈夫)んじゃないか」と判断したんじゃの。
道を進んでいくと、道の真ん中で車が止まっとった。
雨も止んだことじゃし、何かの作業中で車を止めとってんかと思うたら、これが大間違い。
道の左側を流れる川が決壊して、この車は前から流れてきた川の水に立ち往生して、そのまま乗り捨てられたらしいことが分かった。
車のタイヤには、大量の泥と水草が絡まっていた。
山側には、川の流れに押し流されたと思われる車が2台。
川側には、停まった車と、その車に突っ込んだ車が2台。
合計5台の車が、20メートルくらいの範囲に取り残されとった。
嗚呼、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏…。
そこを無事、通り過ぎたと思うたら、その先に道がない!
車の外に出てみると、川の濁流に流されて道がえぐり取られ、文字どおり道がなくなっとった!
無言で、引き返す。
11時ころ、志和堀交差点のコンビニでひと休み。
当たり前じゃが、弁当・おにぎり・パン類は、ほぼ売り切れ。
道路があちこちで通行止めになっとって、品物を配達する車がコンビニまでたどり着くことができんのじゃろう。
いや、その前に、弁当やおにぎり、パンを作っとる工場自体が稼働しとらんのかもしれん。
北へ抜ける道をあきらめ、県道33号線を東へ向かう。
ここから先は、今までと違って通行止めがまったく無し。
今まで苦労して進んできただけに、ちょっと拍子抜けではあったが…。
12時ころ、道の駅福富(ふくとみ)着。
パンを買うことができたので、ここで昼めしをいただく。
ここから国道375号を北上。
左折して甲立(こうたち)へ出て、国道54号線を南下。
会社を出発して約5時間半たった14時30分ころ、広島駅北口に到着。
はぁぁ~、長かった。
普通なら、電車で約30分。
車でも同じくらいの時間で行き来できるところが、5時間半もかかってしもうた。
最後まで車を運転してくれたW君。
ありがとう!
感謝!!
家に帰って、風呂に入り、ビールを飲んでひと休み。
わしゃ、この一口のために生きてきたんじゃ。
あぁ、このまま眠ってしまいたい。
しかし、わしにはまだせにゃいけんことが残っとる…。
明後日(7月9日)、姪っ子が沖縄で結婚式を挙げるけぇ、明日(7月8日)は広島空港まで行かにゃいけん。
例の大雨で、広島市内から広島空港までの高速道路は通行止め。
高速道路が使えんけぇ、広島駅・広島バスセンターからの空港リムジンバスも走っとらん。
どこを通っても通行止めという状況の中、広島空港までたどり着くことができるんじゃろか?
はぁぁぁぁ~(大ため息)、どーしよ?
(つづく)
今日は、西日本豪雨(その2)「広島市への帰還!」について話をさせてもらいました。
次回は、西日本豪雨(その3)「沖縄へ!」の予定じゃ。
ほいじゃあ、またの。