因島三庄町(いんのしま みつのしょうちょう)では、9月19日(日)に因島水軍ヨットレースが行われるそうじゃ。
【問題】
女性の願い事をかなえてくれるという伝承があり、先日、修復工事が完了した、尾道市因島三庄町にある市史跡は、次のうちどれでしょうか?
1.浦の地蔵
2.首の地蔵
3.瀬の地蔵
4.鼻の地蔵
【正解】
4.鼻の地蔵
【解説】
女性の願い事をかなえてくれるという伝承信仰がある尾道市因島三庄町の市史跡「鼻の地蔵」の保存修復工事が8日、完了した。
鼻の地蔵はなぎさの自然石(高さ4メートル、周囲12メートル)に地蔵尊が彫られ、慶長4(1599)年の銘がある。
昨年夏の台風で地蔵石が海側に少し傾き、周辺の遊歩道も破損した。
因島鼻の地蔵奉賛会の要望を受け、市が文化財保存事業として6日から工事を実施。
(「因島「鼻の地蔵」修復が完了」中国新聞 2010年6月9日)
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201006090031.html
Webで検索すると、「鼻の地蔵」「地蔵鼻(じぞうばな)」と出てくるんじゃが、今回は「鼻の地蔵」で統一しとります。
今日は、「由来」「鼻の地蔵」「美可崎城(みかさきじょう)」について調べてみようかの。
まずは、由来について。
昔、美可崎城主・金山康時は、琴の修行のために都へ向かう途中の、周防(すおう。現在の山口県の東南半)の高橋蔵人の娘を関所破りの罪で捕らえた。
しかし、娘の美しさと琴の調べに心を奪われた康時は、娘に自分に仕えるよう命じたんじゃ。
ところが、娘には周防に思いをよせる若者がいたため、これに応じんかった。
腹を立てた康時は、娘を切り捨てた。
それからまもなく、夜になると娘のすすり泣く声とともに琴の音が聞こえるようになり、康時は夜ごと悩まされたそうな。
そこで康時は、渚の自然石に地蔵尊を彫り、娘の霊を供養したそうじゃ。
その後、娘が切り殺された話を聞いた周防の若者が、鼻の地蔵で娘の後を追って海に身を沈めた。
すると地蔵の眼からはポロポロと涙がこぼれ落ち、それが小石となってあたりに散らばった、と言い伝えられとるんじゃ。
次に、鼻の地蔵について。
このような由来から、小石を持ち帰ると恋がかない、子授け、安産などの願いごとがかなえられる、と言われとります。
そして願いがかなった人は、石地蔵を作ってお礼参りをするそうじゃ。
そのため、鼻の地蔵への参道には小さな地蔵が並べられとるんじゃそうな。
旧暦の24日が娘の命日といわれ、地元の人々はもちろん、近隣からの参拝者で賑わうそうじゃ。
近いところでは、7月5日(月)が旧暦の5月24日にあたります。
新聞記事にもあったが、地蔵には1599(慶長4)年と刻んである。
そこで1998(平成10)年には400年祭が行われ、約2000人もの人が集まったそうじゃ。
↓鼻の地蔵について、くわしくはこちら↓
「地蔵鼻」ひろしま文化大百科
http://www.hiroshima-bunka.jp/modules/newdb/detail.php?id=796
「地蔵鼻」おのなび
http://www.ononavi.jp/sightseeing/showplace/detail.html?detail_id=312
最後に、美可崎城(みかさきじょう)について。
美可崎城は、鼻の地蔵の由来で出てきた金山康時のいた城。
といっても金山の城ではなく、因島村上氏の部将・南通弘が、通行料の一種である帆別銭(ほべつせん)を、航行する船舶から徴収する目的で、金山を城番として置いていただけということのようじゃ。
この城は、因島村上氏の拠点として、瀬戸内海航路を監視する機能を担ったとみられる海城(うみじろ)。
ここからは尾道、三原など山陽沿岸部と、燧灘(ひうちなだ)を結ぶ航路のほぼ全域を視界に収めることができるそうじゃ。
そのため、海の関所として古くからあったといわれとります。
↓美可崎城について、くわしくはこちら↓
「城跡マップ」尾道市ホームページ
http://www.city.onomichi.hiroshima.jp/kanko/meguri/i_rekishi.html
↓因島についての過去の記事は、こちら↓
尾道市因島に新設された中学校の名前は?
http://blog.goo.ne.jp/hiroshima-2/d/20100407
↓地蔵についての過去の記事は、こちら↓
童話『おこりじぞう』の作者は?
http://blog.goo.ne.jp/hiroshima-2/d/20100423
今日は、「由来」「鼻の地蔵」「美可崎城」について勉強をさせてもらいました。
今日もひとつ勉強になったでがんす。
このブログを始めて地図をよう見るようになったんじゃが、海に突き出しとる所には、「鼻」とか「首」とかいう名前がつけられた地名が多いんじゃのう。
ほいじゃあ、またの。
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