通でがんす

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(旧ブログタイトル:通じゃのう)

映画『宇宙人東京に現わる』

2022年01月06日 | まんが・テレビ・映画
八丁座では、1月13日まで
「妖怪・特撮映画祭」を上映中。

初日の12月31日、
映画『宇宙人東京に現わる』
を見てきた。

この映画は大映が製作、
1956(昭和31)年1月に公開した
日本初のカラー(=総天然色)
特撮映画。





↓八丁座については、こちら↓

広島の映画館サロンシネマ、八丁座





↓妖怪・特撮映画祭については、こちら↓

妖怪特撮映画祭







今日は、
映画『宇宙人東京に現わる』
についての話でがんす。
(ネタバレ有り)





↓映画『宇宙人東京に現わる』予告編については、こちら↓

「7/16(金)公開『妖怪・特撮映画祭』上映~『宇宙人東京に現わる』特報~」YouTube

「絶賛公開中『妖怪・特撮映画祭』上映告知~『宇宙人東京に現わる』予告篇~」YouTube






『宇宙人東京に現わる』は、
タイトルのとおり、宇宙人が
地球上にある日本の首都
東京にやって来たというお話。

その宇宙人とは、
地球から遠く離れたパイラ星から
宇宙船でやって来たパイラ人。

むかしの特撮番組を見て育った
わしなんかは、
宇宙人=侵略者
と考えてしまう。

が、パイラ人は地球を侵略するために
やって来たのではない。

彼らは、地球上で行われている
原水爆実験を警告するために
やって来たのだ。





地球では、パイラ人の宇宙船を
空飛ぶ円盤が現われたといって
大さわぎをしていた。

「UFO」でなく「空飛ぶ円盤」
と表現するところが時代を感じる。

地球人との接触をはかるため、
先発隊が地球に向かう。

パイラ人と地球人との接触は
しかし、うまくいかなかった。

お互いの外見が違いすぎるからだ。

パイラ人は、ヒトデのような体
(頭、手、足と見えなくもない)に、
その中心に青く光る大きな目を
持っている。



そら、あんた。
こんな姿をした生き物が
目の前にあらわれりゃ、
誰でも逃げだしてしまうが。

しかも、一般人の民家に夜、
こういう風にあらわれたらの。





宇宙船に戻ってきた
先発隊が報告をする。

「地球人は、私たちの姿を見て
怖がるのです。
まるで醜(みにく)いものでも
見たような目で…」

「何? 彼らは
私たちパイラ人を醜いというのか」

「彼らがいう理想の美人は
これです」

「顔の真ん中に出っ張りがある。
こんな醜い顔を持っているとは、
かわいそうな種族だ」



地球に来るなら
それくらい調べてから来んさいや、
というツッコミはさておいて…。





賢明なるパイラ人は
外見に関する話題を打ち切り、
話を前に進める。

「このまま地球の危機を見捨てては
宇宙道徳に背くというものだ」

「宇宙道徳」とはまた、
すごい言葉が出てた。

サッカーのワールドカップの試合後、
日本人サポーターがゴミ拾いをして
海外で称賛されたようなものか?

ひとり(?)のパイラ人が、
地球人がいうところの美人で
帝国劇場のトップスター・
青空ひかりの姿を借りることに。



パイラ人が少しずつ
地球人に変わっていくところは、
絵的に面白いシーンじゃった。





そのパイラ人は、記憶喪失の女性・
天野銀子として地上に潜入、
松田博士と接触する。



(中央が松田博士)

松田博士が
原水爆以上の破壊力をもつ元素
「ウリウム101(ひゃくいち)」を
研究していることを知った銀子は、
その方程式が書かれたノートを
破り捨て、次のように言う。

「ウリウム101は
パイラの学者が発見したが、
その危険性が分かったので
すぐにその方程式を焼き捨て
ウリウムの研究を止めた。
その後、安全でエネルギーの強い
オリウムを発見。
このオリウムを使うことで、
パイラの文明は飛躍的に高まった」





ではなぜ、そのパイラ人が
わざわざ地球までやって来たのか。

銀子は言う、
「地球に好意を持っているからです」

地球は、この広い宇宙の中で
パイラと同じ条件を持つ
ただひとつの星。

だから「好意」という言葉を
使ったのだろう。

その地球が、原水爆の誤った使い方で
壊滅に瀕しようとしている。

かつて、原水爆の危機に
さらされたことがあったパイラ人は、
同じ悲劇を繰り返させないため、
また、原水爆を平和利用することを
促すために地球へやって来たのだ。



手前が天野銀子で、後ろに
スーツを着て地球人に扮した
パイラ人もいる。

奥にいるヒトデ形の生き物(?)
こそパイラ人である。

このパイラ人をデザインしたのが、
1970年の大阪万博で太陽の塔を作り、
「芸術は爆発だ!」で有名になった
岡本太郎(おかもと たろう)さん。





ではなぜ、当時、
原水爆を保有していた
アメリカ、イギリス、ソ連でなく
日本にやって来たのか?

銀子は言う、
「原水爆を持っている国は結局、
目が覚めにくいものだ。
原水爆の恐ろしさを本当に知るのは、
この地球上でその被害を味わった
ただひとつの国、日本だから」

「日本だけ原水爆の廃止を叫んでも、
どうなるものでもないだろう」
という反論に、
「どうにもならないことも
知っています」
と返す銀子。

「おいおい、
そんな無責任な話があるかい…」
と思いながら見ていると、
話は急展開を迎える。





ほかの太陽系からやって来る
新天体Rという星が、
地球に衝突することが分かった。

Rとの衝突を避けるため、
世界中の原水爆をRに打ち込むように
銀子は告げる。

これを受けて、日本の科学者が
世界に向けて声明を出すが、
当然、相手にされない。

Rの接近は
文明の進んだパイラ人だから
観測できることで、
地球上ではまだ観測ができず
その存在が疑問視されるからだ。

地球上からRの存在が確認され、
世界中の原水爆がRに向けて
発射されるが、歯が立たない。

結局、松田博士から
ウリウムの方程式を聞き出した
パイラ人が作った爆弾で
Rは破壊され、
地球の危機は回避されましたとさ。

めでたし、めでたし。





以下、余談。





松田博士を演じたのは
山形 勲(やまがた いさお)さん。

山形さんといえば、
『ウルトラマンA』(1972年)
第14話「銀河に散った5つの星」で
TAC(タック)長官役で
出演されています。





↓山形 勲さんについては、こちら↓

「ウルトラマンA 【その必要はない】」YouTube

「ウルトラマンA 【責任を取るべきは貴方だ】」YouTube






以下、さらに余談。



この映画には、
1950年代半ばの街並みや
当時の様子が映っていて、
なかなか興味深かった。

舗装されている道路が少なく、
雨が降るとぬかるみができる。

固定電話がない家が多く、
近所の家やお店で
取り次いでもらったり、
伝言を伝えてもらったりしていた。

年頃の女性が、親せきから
縁談話を持ちかけられる。

居酒屋に置いてあるラジオは
月賦(=ローン)で買ったもの。

…などなど。

このあたり、またの機会に
取り上げてみたい。





今日は、
映画『宇宙人東京に現わる』
について話をさせてもろうたでがんす。



ほいじゃあ、またの。

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