通でがんす

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(旧ブログタイトル:通じゃのう)

赤穂義士大石父子供養墓

2021年12月14日 | 見て歩き
今日、12月14日は
四十七士(しじゅうしちし)
討ち入りの日。



元禄(げんろく)14年3月14日
(1701年4月21日)、
江戸城松の廊下で、
赤穂(あこう)藩主
浅野内匠頭(あさのたくみのかみ)が
高家筆頭(こうけひっとう)
吉良上野介(きらこうずけのすけ)
に斬りつけ、即日切腹に処せられた。

これにより、浅野家は断絶となる。

翌元禄15年12月14日(1703年1月30日)、
大石内蔵助(おおいし くらのすけ)
以下、赤穂義士47人が吉良邸に討入り、
上野介の首を取った。



広島市東区
聖光寺(しょうこうじ)にある
赤穂義士(あこうぎし)大石父子供養墓
を紹介していこう。








↓聖光寺については、こちら↓

広島山 聖光寺





今日は、聖光寺にある
赤穂義士大石父子供養墓
についての話でがんす。








聖光寺入口の階段右側にあるのが
赤穂義士大石父子供養墓碑。








三門(山門)を通って境内に入り、
階段を上って左側にあるのが
大石内蔵助、主税(ちから)
父子の供養墓。

内蔵助・主税を含めた
赤穂義士四十七士の墓は
東京の泉岳寺(せんがくじ)にある。

聖光寺、泉岳寺ともに
曹洞宗のお寺じゃそうな。





↓泉岳寺については、こちら↓

曹洞宗 江戸三ヶ寺 萬松山 泉岳寺








向かって右側が父・内蔵助、
左側が嫡男・主税の供養墓。

内蔵助:忠誠院刃空浄剣居士(ちゅうせいいんじんくうじょうけんこじ)

主税:超倫院刃上樹剣信士(じんじょうじゅけんしんし)


それぞれの戒名が正面に刻まれている。

四十七士の戒名は討ち入りを賞賛して、
「刃…剣信士(じん…けんしんし)」
とつけられた。

また、位号には格付けがあって、
内蔵助のみ「居士」で、
あとは「信士」。

ちなみに、藩主の浅野内匠頭は、

冷光院殿前少府朝散大夫吹毛玄利大居士(れいこういんでんさきのしょうふちょうさんだゆうすいもうげんりだいこじ)

と「大居士」がついている。

主税につけられた「超倫院」は、
ウィキペディアで
次のように説明されていた。



なお大石親子は、家格が殿様の名代が務める譜代の城代家老(代々世襲)のため、別格扱いで赤穂藩での菩提寺の花岳寺では、良金の戒名には院号の超倫院が付されている。

(「大石良金」ウィキペディア)






以下、余談。

…といいつつ、
ここからが本題なんじゃが。



なぜ、広島の聖光寺に
大石父子の供養墓が作られたのか?

それが説明板に刻まれている。






四十七士のひとり
寺坂吉右衛門(てらさか きちえもん)
は、討ち入り後に逃げ出した
とされる人物。

その寺坂には、

刀道退身信士(ちくどうたいしんし=逃げた人)

という、ありがたくない戒名が
つけられた。

しかし、この説明板では、
生き残った寺坂が
討ち入りの成功を広島藩に報告した
ことになっている。



赤穂といえば今の兵庫県。

それがなぜ、
わざわざ広島までやって来て
討ち入りの成功を報告しなければ
ならなかったのか?

そして、
内蔵助父子の遺髪を
葬って欲しいと申し出たのか?



キーワードは「浅野」。

実は、広島藩の浅野家と
赤穂藩の浅野家とは、
本家と分家の関係にあった。



江戸時代、初代広島藩主となったのが
福島正則(ふくしま まさのり)。

その福島は、広島城を幕府に無断で
修理したことを問われて転封された。

代わって広島藩主となったのが、
豊臣秀吉(とよとみ ひでよし)の
五奉行の一人であった
浅野長政(あさの ながまさ)の
次男・長晟(ながあきら)。

これ以降、幕末まで
浅野家が藩主として広島藩を治めた。

長政の三男が長重(ながしげ)で、
長重の嫡男の長直(ながなお)が
正保(しょうほう)2年(1645年)、
赤穂藩主となる。

そして、孫の長矩の代に改易されるまで
浅野家が赤穂藩主を務めた。



広島藩の浅野家と
赤穂藩の浅野家は
こういう関係にあった。



討ち入りの成功を報告した
寺坂に対して、
赤穂義士は罪人であることから
広島藩主の菩提寺・
國泰寺(こくたいじ)でなく
聖光寺に葬ったというわけじゃ。





↓國泰寺については、こちら↓

「国泰寺」広島県公式観光サイト ひろしま観光ナビ





【参考文献】

山本博文『これが本当の「忠臣蔵」 赤穂浪士討ち入り事件の真相』(小学館 江戸検新書)  2012年)





訪問日:2017年5月2日






今日は、
赤穂義士大石父子供養墓
について話をさせてもろうたでがんす。



ほいじゃあ、またの。
コメント
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