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(旧ブログタイトル:通じゃのう)

毛利輝元、広島築城を決定す

2021年12月05日 | 広島の話題


(撮影日:2021年11月13日)

今年(2021年)は、
毛利輝元(もうり てるもと)が
広島城に入城した天正19年(1591)から
430年目にあたる。

そこで広島城では、
企画展「輝元、広島城に入城す」を
開催中(11月13日から12月12日)じゃ。





↓広島城については、こちら↓

広島城ホームページ





今回は、
輝元が広島に城を築こうと決めるまで
の話でがんす。





広島城について間違った知識のひとつに、
「広島城は、戦国武将の
毛利元就(もとなり)が築いた」
というのがあるそうじゃ。

が、元就ではなく、
孫に当たる輝元が築いた
というのが本当のところなんじゃの。





元就は安芸国吉田郡山
(あきこく よしだ こおりやま。
現:広島県安芸高田市吉田町)
という、山間部にある
小さな国の領主じゃった。

そこから智略(ちりゃく)を使って
有数の戦国大名にのし上がり、
中国地方のほぼ全土、
約100万石を手にする。

元就は長男・隆元(たかもと)に
家督を譲るが、
その隆元は父より先に亡くなってしもうた。

そこで、隆元の長男で元就の孫にあたる
輝元が11歳で跡を継ぐことに。

元就が輝元の後見となり、
また、叔父にあたる
吉川元春(きっかわ もとはる)、
小早川隆景(こばやかわ たかかげ)
らがそれを補佐した。

元亀2年(1571)に元就が亡くなった後
輝元の時代になっても、
郡山を本拠とするのは変わらんかったそうじゃ。





時代は下って
天正10年代前半(1583年から1587年)。

輝元は郡山城の修理を手掛け、
城下町吉田の整備を行う。

また、吉田から向原(むかいはら)・
温品(ぬくしな)を経て
瀬戸内へ通じる道の整備も行う。

この道は、三篠川(みささがわ)
に沿って作られた幹線道路じゃったんじゃの。





ここまで見てくると、
輝元が郡山を離れる理由が見当たらん。

ほいじゃ、なんで広島に
新しい城を築くことにされたんじゃろか?

それは天正16年(1988)、
豊臣秀吉(とよとみ ひでよし)と会い、
聚楽第(じゅらくだい)、
大坂城を見たからといわれとる。




毛利氏が本拠としていた郡山城は、
広島湾岸から40キロほど内陸にある
山城(やまじろ)。

山の上に造られた山城は、
戦(いくさ)が多い戦国時代には有効だった。

ほいじゃが、戦が減って、
また、毛利氏の力が強くなって、
中国地方を支配するようになると、
手狭で不便になってきた。

山城に代わって出てきたのが、
聚楽第や大坂城といった
近世城郭(きんせいじょうかく)。

交通の便がよい平地に、
城と城下町が一体となり
政治・経済の中心として機能する
平城(ひらじろ)。

聚楽第や大坂城をその目で見た輝元は、
郡山城という山城が時代遅れ
であることを強く感じたんじゃの。

そこで輝元は、陸上と海上・河川
それぞれの交通の便がよい
太田川(おおたがわ)河口部のデルタ地帯
当時、五ヶ村(ごかむら)と呼ばれていた
今の広島に城を築くことを決めた。

陸上は京と九州を結ぶ西国街道、
海上は瀬戸内海を、
そして河川は太田川(おおたがわ)
を使った交通が交わる場所が
広島じゃったんじゃの。

聚楽第や大坂城を見た輝元は、
その年(天正16年)の末、
年明け後の「佐東御普請」を決め、
翌17年(1589)3月から築城を始めた。





以下、余談。



さきほど、
「佐東御普請」という言葉が出てきた。

佐東(さとう)は
聞きなれない地名だが、
かつて沼田郡(ぬまたぐん)
と呼ばれていたところで、
現在の広島市西区の一部、
安佐南区の大部分、
安佐北区の一部(太田川より南)
にあたるそうじゃ。



(「輝元の広島築城 古文書でたどる」中国新聞 2021年12月3日)

何が書いてあるか
ちんぷんかんぷんで、
わしにもよう(=良く)読めんが…。

上の文書の右から3行目に
「佐東廣嶋(広島)」と書いてあって、
これが「広島」という地名が
初めて使われた文書とされるそうじゃ。





【参考文献】

『資料解説書 広島城』公益財団法人広島市文化財団広島城 2016年

『広島城』学習研究社 1995年

下中邦彦『日本歴史地名大系 第35巻 広島県の地名』平凡社 1982年






今回は、
輝元が広島に城を築こうと決めるまで
の話をさせてもろうたでがんす。

次回は、
輝元が広島城に入城する話を
させてもらう予定でがんすけぇの。



ほいじゃあ、またの。
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