第3192号 29.09.26(火)
太任(たいじん)は、文王の母にして、摯(し)の任氏(じんし)の中女(ちゅうじょ)なり。王季娶りて妃と為す。太任の性は、端一誠荘(たんいつせいそう)にして、惟れ徳を之れ行ふ。其の文王を娠(はら)むに及びては、目悪色を視ず。耳淫聲を聴かず、口敖言を出さず。文王を生みて明聖なり。太任之に教ふるに、一を以てして百を識る。卒(つい)に周の宗と為れり。君子、太任を謂ひて、胎教を能くすと為す。『小学』(稽古第四)176
周の文王の母太任は、摯の国の任姓の家の中女であるが、文王の父季歴が娶って妃としたのである。この太任は、性質が端正純粋、誠実敬虔で、その行為はすべて徳にかなっていた。文王を娠ってからは、特に気をつけて、悪色淫声に耳目をひきつけられず、口からは傲りの言葉を発しないようにした。果然、文王は生まれて聡明、太任がこれを教育すると、一を聞いて百を知る有様で、遂に著名の聖王となり、周室の大宗となった。太任はよく胎教を行ない得た者であると謂うべきである。
【コメント】解説を読んで胎教が如何に大切であるかということを学ばされました。我々凡人は、何も分からない癖にいいとすることを信じようとしません。これは大変な損失ということだろうと思います。
解説にある〔文王を娠ってからは、特に気をつけて〕とあるように、それとなく身につけられるように、配意し修養に努めたいものです。
私が終日実践している漢籍の学修は迚も大事だと思います。土曜日の空手道教室でも子供たちに、漢籍等々の教えをブログに書いていますが、あと200年はかかると思います、と誇張すぎるお話をしました。
現在、諳んじている古典の言葉が子供たちの将来に寄与するであろうと思います。こういうことは出来るだけ幼少の時からすべきだと思います。
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『不動心』(第61回)
仕事そのものが気分一新の糧にすること
自分の従事しいる仕事に全力を傾け、仕事そのものを気分一新の糧にしなさい。そして、余生は誰の主人にも奴隷にもならず過ごしなさい。
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『臥牛先生遺教抄』(第17位)
己善をなせりと思うも、誰も知る人なければ何となく不愉快になり、人に知らせたき思い生ずる事あり。甚だ卑劣なる事なからんこと申せしに、如何にもその通り、その心は誰もあるものなり。さりながらこの心生じたらんには、是れでは済まぬと引き裂く如くに己に克つものぞと仰せられき。
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太任(たいじん)は、文王の母にして、摯(し)の任氏(じんし)の中女(ちゅうじょ)なり。王季娶りて妃と為す。太任の性は、端一誠荘(たんいつせいそう)にして、惟れ徳を之れ行ふ。其の文王を娠(はら)むに及びては、目悪色を視ず。耳淫聲を聴かず、口敖言を出さず。文王を生みて明聖なり。太任之に教ふるに、一を以てして百を識る。卒(つい)に周の宗と為れり。君子、太任を謂ひて、胎教を能くすと為す。『小学』(稽古第四)176
周の文王の母太任は、摯の国の任姓の家の中女であるが、文王の父季歴が娶って妃としたのである。この太任は、性質が端正純粋、誠実敬虔で、その行為はすべて徳にかなっていた。文王を娠ってからは、特に気をつけて、悪色淫声に耳目をひきつけられず、口からは傲りの言葉を発しないようにした。果然、文王は生まれて聡明、太任がこれを教育すると、一を聞いて百を知る有様で、遂に著名の聖王となり、周室の大宗となった。太任はよく胎教を行ない得た者であると謂うべきである。
【コメント】解説を読んで胎教が如何に大切であるかということを学ばされました。我々凡人は、何も分からない癖にいいとすることを信じようとしません。これは大変な損失ということだろうと思います。
解説にある〔文王を娠ってからは、特に気をつけて〕とあるように、それとなく身につけられるように、配意し修養に努めたいものです。
私が終日実践している漢籍の学修は迚も大事だと思います。土曜日の空手道教室でも子供たちに、漢籍等々の教えをブログに書いていますが、あと200年はかかると思います、と誇張すぎるお話をしました。
現在、諳んじている古典の言葉が子供たちの将来に寄与するであろうと思います。こういうことは出来るだけ幼少の時からすべきだと思います。
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『不動心』(第61回)
仕事そのものが気分一新の糧にすること
自分の従事しいる仕事に全力を傾け、仕事そのものを気分一新の糧にしなさい。そして、余生は誰の主人にも奴隷にもならず過ごしなさい。
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『臥牛先生遺教抄』(第17位)
己善をなせりと思うも、誰も知る人なければ何となく不愉快になり、人に知らせたき思い生ずる事あり。甚だ卑劣なる事なからんこと申せしに、如何にもその通り、その心は誰もあるものなり。さりながらこの心生じたらんには、是れでは済まぬと引き裂く如くに己に克つものぞと仰せられき。
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