味園博之のブログ-文武両道「空手道と南洲翁遺訓」他古典から学ぼう

平成の今蘇る、現代版薩摩の郷中教育 
文武両道 「空手道」と『南洲翁遺訓』を紹介するブログ

勢に依りて威を作すこと無く、

2017-09-28 15:23:25 | ブログ
第3195号 29.09.29(金)

王曰く、君陳。爾惟れ周公の丕訓(ひくん)を弘めよ。勢に依りて威を作(な)すこと無く、法に倚りて削を以(な)すこと無かれ。寛にして制有り、従容として以て和せよ。惟(ただ)厥れ中をせよ。汝の政に若(したが)はず、汝の訓(おしえ)に化せざるを有らば、辟(つみ)して以て止め、辟あるは乃(すなわ)ち辟(つみ)せよ。必ず忍゛こと有りて、其れ乃ち濟すこと有り。容るること有りて、徳乃ち大なり。厥の良を進め、以て其の良ならざる或るを率ゐしめよ。爾克く典を敬(つつし)みて徳に在れ。其れ爾の休にして、終に永世に辭有らん。『書経』(君陳)509


 王はいった。「君陳よ。汝は周公のすぐれた教えを広めよ。権勢をたのんで威力を振り回してはならない。法律をたてにむごい仕打ちを働いてはならない。寛大であってしまりをつけ、ゆったりと働いておだやかであれ。ただ中正を心がけよ。汝の政令に従わず、汝の教えに倣わないものがあれば、罰してして後を絶て、罪にあたるものは罰せよ。是非とも忍耐強くするようにせよ。そうすれば物事は成しとげられる。人を包容するようにせよ。そうすれば徳は大きくなる。能力のすぐれたものを挙げ用い、それによって能力の劣っているところのものを導かさせよ。汝はよく典(のり)を敬って徳を守れ。それはまた汝の名誉であって、ついに末永く後の世までほめたたえられることになろう」。509

 【コメント】ここの解説は人々の生活をよしとするため、いろいろ考察されているようですが、我々普通の人間が日々に役立つ解釈をし役立てられればそれでいいのではないかと思います。

 解説にある「威力的であってはならない、寛大であれ、中正を心がけ、忍耐づよくあれ」とは日々に役立つ訓戒だと思います。
 ところろが人間ややもすると、こういう素晴らしい教えを無視し独善的になりがちです。それであってはならないという教えを身につけたいものです。

 昨夜の空手道教室も賑わいました。終盤に『南洲翁遺訓』第21章を発表しました。5歳児・佳那子様のリーダーとしての声が響きわたりました。
 指導者の私が子供たちに鞭打たれ元気を頂いているようで、感謝しています。

 昨日は道場に早めに行き、菅原兵治先生著『農士道』を読みました。農士道は26.12.14~28.10.24(第665回)にブログで紹介したところでした。再読して菅原先生の人物像の素晴らしさに感嘆することしきりでした。
 
 菅原兵治先生が、昨日国会解散した安倍さんの立場でしたら、夫人は飲み屋なんかされないでしょう。人間の内面に宿る哲学の相違というところでしょう。総理もまずは家庭からしっかりしないといけません。それに類したことは月刊誌等々で数多く読んだものです。

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『不動心』(第64回)

 創造の種子について
 見たまえ、変化の中から絶え間なくあらゆるものが生み出されているさまを。自然にとってこの上ない喜びは、今あるものを変化させ、それに似たものを新たに創り出すことだ。あらゆるものは、それから生まれる新しいものにとって、いわば種子の役を果たしている。種子というと土や胎内に植えつけられるものしか思いつかないようでは、あまり考え深い人間とはいえない。

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『臥牛先生遺教抄』(第20回)

 何事によらず万事未萌に防ぐ所に深く心を用うべし。事発して後は既に後るるなり。
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