2011.2.26(土)晴、曇
「京都北山を歩く」(3)(澤潔著)ナカニシヤ出版、1991年10月初版第一刷、定価1,900円である。
今から20年ほど前、私は取り憑かれたように北山の峠を訪れていた。それは総て家からマウンテンバイクで出、帰ってくるものだった。当時京都MTBクラブというのを主宰していたので大勢で出かけることもあったが、ほとんどは一人で出かけるものだった。登山に関しては決して一人では行かなかったのだが、このMTBでの北山通いはなぜか一人が多かった。それも事前に計画するというものでなく、休日の午後などに急に思い立って出かけていた。そんなだから秋冬になると峠ではとっぷり日が暮れることもあり、山道を乗って行くことが出来ず、MTBを担いで下ってきたこともよくあった。怖がりの自分がなぜそんなことを出来たのか未だ持って解らないのだが、それは自転車旅行沖縄編にもあった。おもいきり気味の悪いところへ怖いけれど行ってしまうのだ。こういう現象は外的な要因ではなく、内的な心理的な要因が作用しているのだと思っている。
さてその北山峠紀行の参考書は金久昌業氏の「北山の峠」三部作である。この書は名著で、ルート案内に良し、歴史や紀行についても抜群、ルート図や写真も多く、なによりも氏の文は名文である。で、本書はというと京都民報の書評を見て、初版から買ったものである。当時はあまり歴史や民俗には興味がなかったので、ざっと読んで倉庫に眠っていたものである。ただ地名考や葬制墓制に関する記事が記憶に残っており、今回新たに出してきて読んだものである。なんで三巻から読んでいるかと言えば、それが大堰川と由良川の源流を対象にしているからだ。
由良川源流、美山町、芦生などの地域に若狭の文化が如何に流入しているかという点が興味をひく。それは上林と似かよった文化の形態なのだ。
今研究中の両墓制についても、由良川源流、上林、若狭、大浦といったラインが現れているし、積石墓や積石信仰についての話題も大変参考になる。水梨、虫といった上林と同一地名の地名考も今後の参考になるし、何しろMTBで実際に走り回った地域が舞台となっているので臨場感があるわけだ。
大森(2006,7)このあたりは屋敷墓が多い。
【作業日誌 2/26】
薪割り
今日のじょん:いくみちゃんが来ているのでもう大変。外から帰ったときも、朝一番もおとーもおかーも知らん顔、いくみちゃんにべったりくっついている。こんな犬も珍しいだろう。一体誰のお陰で飯が食えてんねん。