先日インターネットで手に入れた古本です。岡部憲明氏による「エッフェル塔のかけら」、建築家の旅という副題がついています。
実はこれ、私が大学生の時に読んで(その時は図書館で借りました)、凄く面白いと思った本なのです。時を経てふと思い出し、ネットで検索したらちゃんと出てきたものですから、勢いで買ってしまったのでした。
二十年以上の時を経て、どう感じたかと言うと、、、やっぱり面白い。まだ途中ですが、建築家の目から見た海外の鋭い考察には驚かされます。
そして今回は、当時はしなかった読み方ができます。本に出てくる沢山の建造物を、想像で終わらせることなく、ネットで検索し、どんなものかを写真で見ることが出来るのです。図や写真はあまり無い本なので、これは大きい。時代の恩恵ですね。
思えば、この本を読んだ当時、私はまだ留学は勿論、海外旅行にも行ったことがなかったので、海外で日本人もこんな凄い仕事をしているのかと、ひたすらワクワクして読んでいたような気がします。
当たり前かもしれませんが、今読んで感じることは、当時と重なる部分とそうでない部分があり、そうでない部分に、私の小さな歴史がある気がします。例えば、「パリの街でもっとも大切な「通り」の名をあげるとしたら、セーヌ川と答えたい。」という一文。恐らく以前は読み飛ばしていたと思うのですが、山形の歴史と最上川の関わりを知っている今は、なる程、言われてみればその通りだなと感じ入るわけです。
思いがけず時空旅行の気分を味わい、新しい読書の面白さを知った気分です。この調子で、昔読んで面白かった本を大人買いしてしまいそうな自分が怖い、、、(笑)