東の散歩道

B型ヴァイオリニストのマイペースライフ

チャリティー公演終了

2011年05月30日 23時19分40秒 | 山形弦楽四重奏団
 昨日、山形Qチャリティー公演が終了しました。
 
 今回の震災発生以来、毎日胸の塞がれるような辛いニュースが続き、震災は続いているのだと改めて認識させられます。自分が今できることは何か。一人一人の力は微々たるものですし、ほんの小さなことからしか始められませんが、その先に希望があると信じたいです。

 生憎の空模様の中ご来場頂いた皆様、場所を提供して下さった富岡の関係者様、ゲスト出演してくださった真美さん、そして山形Qのメンバーの皆様、本当にどうもありがとうございました!本番直前のリハーサルでリピートをすっとばすという失態を犯し、一体こんなことでどうなるやらと冷や汗が出ましたが、どうやら無事、山形Qデビューとなる公演を無事終えることができてほっとしています。

山形交響楽団に入って初めての定期公演で、お客様の拍手がとてもあたたかいことに感激したものですが、今回の演奏会でも同じものが感じられ、伝わって来たお客様の心意気は本当に嬉しく、ありがたかったです。どうか今後とも応援よろしくお願い致します。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

英国王のスピーチ

2011年05月28日 23時59分27秒 | 映画
----------------
 ロンドンに留学していた時、何度か言われて軽く衝撃を受けた言葉に "(It) depends on you(あなた次第だ。)”があります。相談というほど深刻なものでなくても、ちょっと周囲の意見を聞きたいと思っていた時にこの言葉を言われると、何か突き放されたような気持ちになったものです。その時初めて、外国では自分の意見を持ち、それを伝えるのがいかに大切かを実感したように思います。

 久々に映画を見て、ふとそんな事を思い出しました。アカデミー作品賞を獲得した「英国王のスピーチ」。俳優陣の素晴らしい演技に実話の持つ説得力も相まって、数々の受賞も納得の佳作に仕上がっています。

 物語は、スピーチが重要な公務でありながら吃音に悩むジョージ六世が、言語療法士ライオネルと妻エリザベスに支えられ、障害を克服していく様子を描いています。映画はナチスドイツとの開戦にあたって、ジョージ六世が国民に向けてスピーチをする場面で最大の山場を迎えます。ここではベートヴェンの交響曲第七番の第二楽章がとても効果的に使われていますが、私が一番印象に残ったのは、ジョージ六世の前国王にあたる、兄エドワードとの諍いのシーンです。

 王という立場を顧みず、愛人ウォリスに夢中になるエドワードに苦言を呈したい主人公でしたが、言い争っているうちにまたいつもの吃音で何も言えなくなり、エドワードに逆にやりこめられてしまうこの場面。国の危機的状況にあってすら、自分の意見も兄に言えない絶望感がひしひしと感じられます。

 一頃KY(空気が読めない)という言葉が流行りましたが、空気を読むというのは、良くも悪くも実に日本的な発想だと思います。外国では、言葉で表出されない意見や感情は、ないものとみなされてしまいます。沈黙を金とし、言われずとも気配を察する日本の文化。これは大変特殊で美しくはありますが、間違いなく世界では通用しないものです。

 言語の壁も加わって、自分の意見をなかなか言えなかった留学時代の自分。あの頃よりちょっとは成長しているんだろうかと反省しながら、映画館をあとにしました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

民謡

2011年05月24日 22時29分49秒 | 山形弦楽四重奏団

 山形弦楽四重奏団のチャリティー公演が近づき、練習も大詰めを迎えています。
 
 今回のコンサートのプログラムで、ハイドンの傑作「日の出」と共に私の前に立ちはだかっているのが日本民謡集です。これは山形Qでは以前からレパートリーとして定着しているもので、初めて弾くのは新人の私のみ。一般的なクラシックとは違う歌い口が要求されるこの曲集に、思いのほか苦戦させられています。それこそ他のメンバーはリハーサルなしで弾けるのですが、辛抱強く最初から一緒に作り直して下さり、頭が上がりません。

 しかし考えてみれば、民謡というものを聞かなくなって随分経ちます。というか、本物の民謡、すなわち地元の人による歌を聞いた記憶がないのです。中学生の頃だったか、五木の子守唄というのを音楽の時間に歌いましたが、教科書片手にクラスメイト一同で歌ったそれは、まったく別物と言わざるを得ません。本当に口伝で受け継いできた人が端で見ていたら大笑いしたのではないでしょうか。

 独特の土臭さを持ち、自然に抱かれ口ずさまれてきた歌。なんとかそのようにありたいと願う一方で、人の声とは別の、弦楽器ならではの違った魅力を引き出したいとも感じています。本番まで試行錯誤です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ご挨拶

2011年05月22日 14時24分53秒 | 雑記
 この私がブログを始めることになろうとは!!
まったくもってブログ初回にふさわしくない書き出しで恐縮ですが、これが今の正直な感想というものです。

 そもそもの発端は、私が山形弦楽四重奏団に入団したこと。長らくセカンドヴァイオリン奏者として活躍されて来ただちゅ女史のご卒業に伴い、私に後任の大役がまわってきたわけですが、十年を越える活動実績を誇るこの団体、既に幾つかのルールがあります(中爺氏がブログの中で「掟」と題し、そのことに少しふれています)。その内の一つが「メンバーは必ずブログを書く」ということなのです。

 「えええーっ、面倒くさい。。。」なんて声に出しては言いませんでしたが、きっと私の気持ちはそのまま顔に出ていたことでしょう。しかしこの団体のすごいところは、誰一人として「もともとブログを書きたかった」とか、「文章を書くのが好きで好きで」などと思っていなかったこと。それでも「弦楽四重奏というアングラなジャンルを少しでも広める一助になれば」と始めたことだそうです。まさに「掟」という表現がふさわしいこのストイックさ。いくらITに疎くても、ここで(メンバーの中では)若い私がごねるわけにはいきません。めでたく(?)本日のブログ開始と相成ったわけです。

 しかし謙遜でもなんでもなく、自他ともに認めるアナログ人間の私がブログ。。。。まあ、きっとこれも何かのご縁。その日その日で心にとまったことなどを、地味に綴っていこうと思います。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする