帰省した際、東京で美術展に行って参りました。何しろGW真っ只中、大型企画展をゆっくり見るなんて夢のまた夢、、、というわけで、かねてから行って見たかった場所で、ややマニアックそうな美術展へ。
ご存じでしょうか、渋谷の松濤美術館。行ってみたかったのは、この建物が、白井晟一という有名な建築家によるものだからです。
その名前を知ったのは、大学生時代に生協で購入した建築の本の中。様々な建築家の手によるドローイングが載っていたのですが、その一枚に釘付けになりました。それが白井晟一の原爆堂計画案です。
この案は依頼されたものでも企画されたものでもなく、丸木位里・俊夫妻が、原爆図を納める美術館が欲しいと新聞紙上で語っていた記事を読み、一気に構想が浮かんで描いたもののようです。静かなのにものすごいエネルギーを感じます。
松濤美術館もとても素敵な建物で、これを目当てに来ている方も多いようでした。
美術展はエドワード・ゴーリーという絵本作家の原画展なのですが、その絵がなんとも精密且つシュール。話の内容はかなり救いのないものが多く、子どもが喜びそうとはあまり思えないのですが、美術品としての価値はよくわかりました。それくらい精緻なのです。
一通り見終えて、中庭(庭ではないのでそう言ってよいのかわかりませんが)に出ると、ぽっかりと青い空。白井晟一は天才だな、と、この建物一つで実感しました。外であって内であり、光と陰のコントラストが見事です。ゴーリーも喜んでいることでしょう。