東の散歩道

B型ヴァイオリニストのマイペースライフ

喝采と沈黙

2024年09月09日 22時12分36秒 | 山形交響楽団

 週末の定期演奏会が無事終了。ご来場下さいました皆様、ありがとうございました!

 山本菜摘さんの新曲、ナカリャコフ氏のアルチュニアン、共に素晴らしかったですね。その中でも、チャイコフスキーの「悲愴」で見られた皆様の集中度の高さが、特筆すべきものだったように感じました。この曲は「躁状態」の3楽章から4楽章への落差が凄いのですが、全曲終わった時の重苦しさ、これが今回、二日間とももの凄く長く、誰も拍手をしない沈黙を曲の一部として味わう稀有な体験ができました。これはお客様の集中力が可能にした現象だと思います。

「音がない時間も音楽の一部」という、ともすると忘れがちな大切なことを、お客様に教えて頂きました。

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あつい夏の終わりに

2024年09月06日 22時12分11秒 | 山形交響楽団

 今週末は山響定期。常任指揮者の阪哲朗氏と共に、世界初演の新曲、アルチュニアンのトランペット協奏曲、チャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」と色彩豊かな品揃えになっております。   

 世界初演と聞くと、「難解な現代曲」と敬遠しがちな方もいらっしゃると思いますが、今回の曲はそういうものではありません。耳馴染みのあるメロディも取り入れられ、山響らしい爽やかさを出したいと思わせられる、そんな素敵な曲です。

 そしてアルチュニアンは、トランペットの貴公子、セルゲイ・ナカリャコフ氏の登場。お目当ての方も多いのではないでしょうか。朝ドラ「天うらら」のテーマ曲を演奏し、多くのファンを獲得してだいぶ経ちますが、ドラマチックなアルチュニアンの陰と陽を見事に演奏する円熟味を聞かせて下さいます。

 メインのチャイコフスキーは、一般にイメージされるものよりは小さい編成かと思います。分厚い音圧で魅せるというよりは、山響の良さを生かした、引き締まった演奏になるのではないでしょうか。もちろん熱は存分に伝えたいと思います。

 皆様ぜひご来場を!と言いたいところですが、チケットはすでに完売とのこと。もしかして当日券が出るかもしれませんので、聞いてみたいという方、是非諦めずに情報をチェックしてみて下さいませ!

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はたらく若者

2024年09月02日 23時32分46秒 | カーライフ

 先日の鶴岡公演では、沢山のご来場ありがとうございました!実はバボラーク氏によるモーツァルトの協奏曲は久々の降り番、何の緊張もせずに心ゆくまで彼の美音を堪能しました。中でも彼が作曲したというアンコール「ファンファーレ」が、もの凄い超絶技巧のはずなのにハミングでもするようにキラキラした音の粒が踊っており、本編以上に度肝を抜かれました。

 さて、そんな素敵なコンサートの後には、晩夏のホラーが待ち受けておりました。暗い山道を走り抜けて帰宅した時は気づかなかったのですが、翌日車に乗ろうとすると、そのフロントにはベッタリと、、、!!!無数の羽虫が張り付いておりました。。。。泥かと思ったものは全て羽虫、まさに身の毛もよだつ光景。夏に山道を走ると多少こうなるのは知っていましたが、時期とエリアが悪かったのか、これまでお目にかかった中で最悪の状況です。

 慌ててセルフのガソリンスタンドの洗車スペースに向かったのですが、なぜか今日に限ってなかなかの行列。しばらく待っていたのですが、待っている間に「この虫、私の力でちゃんと落とせるのだろうか」と、なんとも言えない不安な気持ちになってしまい、有人のガソリンスタンドに助けを求めることに変更。

 向かったガソリンスタンドでは、若いお兄さんが「洗車にも色々種類がありまして」とメニュー表を見せて下さり、「この一番安いのでも(虫が)落ちますか???」と訊くと、多分大丈夫です、頑張ってみますとのありがたいお返事。ここで高いメニューじゃないと、と言われたら、多分それを選んだと思うのですが、なんと誠実な。感謝、感謝です。

 そしてスタッフ様が洗車に尽力して下さる間、私は涼しい室内で待機。申し訳ない限りです。

 終わりましたという声で外に出ると、見違えるようになったピカピカの我が愛車が鎮座。いつ山道を走ったのですかと尋ねられ、昨夜なんです、着いた時は気付かなくて、、、と面目なく返答すると、「すぐだったので良かったです、時間が経つと落としにくくなってしまいますから」と、にこやかに応じて下さいました。汗だくのお兄さんは、もしやまだ学生さんではないかと思うほどの若さで、世の中には頼もしい若者が沢山いるものだと感じ入った次第。

 何となく気付いてはいたのですが、どうやら私は「働いている人」の様子を見るのが好きなようです。まあ、私が見られるのは、大抵小売業かサービス業に限られますが、よく働く若い人を見るにつけ、心の中で頭を垂れております。いつもありがとうございます、これからもよろしくお願いいたしますね。

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