朝吹真理子さんの『きことわ』を読みました。印象は全編読み終えた今も変わらず、言葉の扱い方が最後まで印象的でした。
しかし、先日書いたブログでは「難しい言葉は使っていない」と書きましたが、そこは訂正させて頂きたく思います。頻度自体そこまで多いわけではないのですが、時々ビックリするくらい珍しい言葉が登場します。例えば「霑酔（てんすい）」。ルビがふっていなかったらお手上げです。今回久々に、小説を読むのに辞書を使いました。
文章は「霑酔の末にそこに嘔吐した」というものだから、まあ平たく言えば「かなり酔っ払った」という意味だと察することはできるものの、「酩酊」ではいけなかったのだろうかと思わなくもなく、、、、でもいけなかったのでしょうね。霑という文字を使いたかったのか、「てんすい」という響きを好んだのかはわかりませんが。ちなみに私の国語辞典にも掲載しておらず、ネットで調べるにも漢字がなかなか出てこない。たまたま雨冠だったので部首から出てきましたが、もはや漢和辞典が必要です。他にも読めない漢字がありましたが、その漢字の呼び出し方がわからず。。。。気になる方はぜひご一読を。
昨日は、今年度最初のスクールコンサートでした。開始が秋になったことを悲しむよりも、ようやくスクールコンサートが出来るようになったことを素直にありがたく思います。
とはいえ、当然ながら「元どおり」というわけにはいきません。マスクは着用ですし、検温、消毒もしっかりと。今後は密を避けるために回数を分けてということもあるようです。
しかし子どもたちの様子を見ていると、やはり目の前でライブで行うことの意義を改めて感じます。これから録音録画もますますハイクオリティになっていくでしょうが、同じ空気を共有するライブはやはり全く別のものです。疫病に負けず、しっかり継続していきたいものです。
第144回芥川賞受賞作品、朝吹真理子氏の『きことわ』。昨日から目下読書中です。
なんと受賞からもう９年も経つようですが、恥ずかしながら今回朝吹氏の本を初めて手に取りました。無論避けていたわけでも何でもなく、何となく機会を逃したまま時を過ごしていただけのことです。
まだ読み終えていない上にありきたりの常套句で申し訳ないのですが、「瑞々しい感性」というものが溢れ出ている一冊だと思います。（最近ご無沙汰しているのですが）初めて吉本ばなな氏の本を読んだ時に受けた印象と似ている気がします。決して文章が似ているという意味ではなく、あくまでも読んでいる時の感覚です。難しい言葉は全く使っていないけれど、ピタリとくるものをきっちり選んであるようで、でも全く作為的ではない。おそらく自然に紡がれている文章なのではないかと思います。
書き出しは夏らしい場面で始まります。物語の帰着点が楽しみです。
盆休みが終わり、今日から仕事が始まっております。明日は、クロネコヤマトの宅急便コンサートのリハーサルです。
そのプログラムの中に、ZARDの「負けないで」がありました。当時シンガーの坂井泉水さんが亡くなったと知ったのは、ロンドンにいた時、同じ寮にいた韓国人の女の子が教えてくれたからでした。衝撃的なニュースとして知らせてくれたのに、日本のポップス音楽（っていう表記で正しいのかすら自信がない）に全く疎い私は、「え？誰？」という反応しかできず、彼女を大いに驚かせたのでした。「えーっっっ！知らないの？？負けないでー♪って歌ってる人だよ！！」とまで言われてようやく理解した私。韓国人に日本の文化を教えてもらうという。。。情けなや。
私が住んでいた寮は多国籍でしたが、韓国人も多く、皆とても明るく優しく、そして日本の文化が好きで、日本語を話せる人も多かったのです。それにひきかえ、私は韓国語はおろか、韓国文化についてもほとんど知りません。これからはちゃんと韓国のことも学ぼう、、、とその時も思ったのですが、あれから13年。「負けないで」を聞きながら、その点においては全然進歩していないことを改めて感じ入った夏の宵でした。日韓関係の悪化が報じられる日々ですが、民間交流レベルでは決してそんなことはないと信じたいものです。
戦後75年。私もですが、最早殆どの日本人が、あの戦争を体験していません。体験者から直接話を聞ける機会が激減していることを考えても、この悲劇を繰り返さないためには、より想像力を働かせる必要があるのでしょう。
コロナ禍の中で迎えた戦後75年。今年は帰省を断念、この時期を山形で過ごしたのは初めてだと思います。 夜、NHKのドラマ「太陽の子」を見て、若者が当たり前に未来の夢を語れる世の中でなければいけないと切に感じました。
連日猛暑が続いています。
そんな時は内側から冷やす！
というわけで、最近愛好家が増えているかき氷です。美味しそう、ではなく本当に美味しい(笑)。更に見た目も美しい！
山形県立図書館のレストラン、イルブルさんのカフェメニューです。お試しあれ⭐️
今日は米沢の伝国の杜にて、ユアタウン米沢のコンサート。気鋭の若手指揮者、田中祐子氏と共に、古関裕而作品とベートーヴェンをお届けしました。
ベートーヴェンは生誕250年メモリアル。前回の東京オリンピックでオリンピックマーチを作った古関裕而にとっても、東京五輪を予定されていた今年は、ある意味メモリアルイヤーだったはずです。しかし、逆にこんな時だからこそ求められる音楽に、今回のプログラムはぴったりだったのかもしれません。
客席制限の中でいらしてくださったお客様の笑顔に、こちらが勇気付けられたコンサートでした。明日から山響もつかの間の盆休み。英気を養い、来る秋に備えたいと思います。
気付けばもうお盆前。コロナ騒ぎに右往左往しているうちに、なんと立秋。。。。そのうち「もう年末ですね」なんて会話をしていてそうで恐ろしい限りです。
そんな夏の名残の一夜、昨日の山響振替定期にご参加下さいました皆さま、どうもありがとうございました！！オンラインだけでなく、今回も会場のお客様と共にシベリウス独特の空気感、田部京子さんの詩情溢れるベートーヴェンの響きを共有できたのは大きな喜びでした。今後も順調に活動拡大できることを祈るばかりです。感染症対策と同時に、夏負けしないように体調にはくれぐれもご留意くださいませ！
本来であれば、今日は花笠祭り。賑やかな熱い夜をそれぞれに楽しんでいるはずですが、今年は感染症対策で残念ながら中止となりました。
しかし！明日は山形テルサにて、５月定期の振替公演を行います。お馴染みのライブ配信もございますので、是非ご視聴下さいませ☆花笠の代わりにはならないかもしれませんが、負けずに熱い演奏をお届けしたいと思います。
日時：2020年8月6日(木)19時開演予定
［指揮］藤岡 幸夫 ［ピアノ］田部 京子
・シベリウス／組曲「クリスティアン２世」作品27より＂夜想曲＂
・ベートーヴェン：ピアノ協奏曲 第3番 ハ短調 作品37
・シベリウス／交響曲 第3番 ハ長調 作品52
前回お話した鷹山堂さんのカフェです。
お店のスタッフさんに教えて頂いて知ったのですが、この椅子は古い糸巻き、テーブルは機織をリサイクルしたものなのだとか。ちなみにテーブルの上のメニューカード立ても、小さい糸巻きです。アイデアでこんなに素敵に生まれ変わるのですね！
先日、米沢の鷹山堂さんへ行ってきました。米沢織の小物を扱ったショップとカフェが併設されていて、以前から一度行ってみたかったのです。
店には色々な米織商品があり、伝統的な柄から現代的な柄まで様々。伝統的な柄には色々とありがたい意味があり、それにつられて買ってしまいました。
こちらのブックカバーは紗綾形(さやがた)という柄で、徳が集まるとのこと。お守り気分で手に入れたものの、いざ手に持ってみると、なかなか謹厳な佇まいです。軽々しくエンタメ小説など入れてはならないようなオーラを放っています。
うーん、手持ちのものでこれに相応しそうなもの…と考えて、漱石先生の「私の個人主義」を入れてみました。有徳の人を目指して再読中です。
