東の散歩道

B型ヴァイオリニストのマイペースライフ

宮城県へ

2011年07月31日 22時53分33秒 | 雑記
 バッハのロ短調ミサの公演のため、宮城県を訪れました。震災後に限ると、仙台には行ったことがあったのですが、それ以外で宮城県を訪れたのは初めてです。
 公演前日は古川駅の近くに宿泊しました。ちょっと周辺を歩いただけで、道路のあちこちが波打って破損しており、地震の爪痕が生々しく残っています。やはりものすごい規模の地震だったのだなと再認識していてホテルに戻った矢先、夜中に地震が!慌てて飛び起きてテレビをつけると、震源地は福島で、宮城県は震度4。それでもかなり強い揺れに感じられました。
 3月の震災以降、数えきれないほどの余震に見舞われている被災地。今回の公演にあたっても、前日ホールで行ったリハーサルの後に避難訓練がなされるなど、やはり地震に対する警戒は依然として必要であることが、肌で感じられました。被災地の皆様が本当に安心して暮らせるには、まだまだ時間がかかるということでしょう。そんな日が一日も早く来るよう、願ってやみません。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

扇子

2011年07月29日 11時14分15秒 | 雑記
 郵便局のサービスで扇子を頂きました。ありがたいことです。今は夏休み中ですが、体育館でのスクールコンサートの時は、ほんの少しの風でも欲しいということがよくありますから。
 しかもこの扇子、普通の扇子ではありません。なんとUVチェックができるらしいのです。どうやらサクラの柄の部分が、UVにあたると色が変わるらしいのです。
 しかし何故サクラの柄なんでしょうね?扇子といえば、やはり金魚とか朝顔とか、夏向きの柄が多いような気がするのですが。それにUVチェック、機能としては面白いですが、どう活用すれば良いのでしょうか。サクラの色が変わったのを見て、「あっ!今日はちゃんとUVケアをしていたかしら?」と我が身を省みる、警告の一つとして使えば良いのでしょうか?今一つイメージがわきません。それもこれも、普段からUVに対する意識が低いからでしょう。
 もらいものに対して文句を言っているかのようですが、決してそういうつもりではございません。単にちょっと疑問を持っただけでして。。。大切に使わせて頂きたいと思います。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ソーシャルネットワークサービス

2011年07月28日 23時34分18秒 | 雑記
 この手のパソコン関連用語(?)に弱い私ですが、ミクシィやfacebookみたいなサービスのことだよ、と言われればわかります。なんといっても両方入ってますから。とはいえ勧められて参加してみたものの、イマイチ使いこなせず、友人と連絡を取り合う手段くらいにしかなっていないのですが。

 今日ニュース番組で、サウジアラビアの女性が、自動車運転の容認を求める運動を展開している模様を報道していました。なんとサウジアラビアでは、女性による自動車運転が認められていないのだそうです。そればかりでなく、銀行口座の開設や、男性保護者の同伴なしの通学などもダメなのだとか。サウジの女性達はこの状況に抗議するべく、手始めにfacebookを使って、お互いに自動車運転を呼びかけあっているのだそうです。
 21世紀に入っても、これほど女性の立場が弱い国があるということに衝撃を受けます。が、この時代になったからこそ可能になったインターネットというツールを使って、大きな一歩を踏み出そうとしている彼女達。その姿に頼もしさを感じます。「今はインターネットで、自分と同じ考えの沢山の人とつながることができる」と話していた、運動の先陣をきった女性の言葉が印象的でした。
 
 実をいうと、私はこういうネット上の繋がりがちょっと苦手です。なんだかとんでもなく誤解が生じやすい世界のような気がして、つい腰がひけてしまいます。しかし今後益々社会に影響を与えていくのは間違いありませんし、閉鎖的な社会の中では大きな風穴となります。まだ若い(?!)のですから、あまりアレルギー感覚を持たずにいかなければと、少し反省させられました。じゃあ早速活用してみるか、というと、、、まあそれは追い追いと。。。。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ジャケ借り

2011年07月27日 23時20分23秒 | 
 ジャケ買いというものがあるそうです。CDなどの外装のデザインを気に入って購入することのようです。全て伝聞調で書いているのは、私はそんなことをしたことがなく、あまりその感覚がわからないからなんですが。。。。
 しかし買わないまでも、思わず見かけに惹かれて手に取る、という感覚はわかります。これは本の表紙なんかで時々あります。勿論手に取るだけで、それだけでは買いませんが。
 でも「買う」ではなく「借りる」なら、そのハードルはやや低くなります。今日は図書館で、表紙に惹かれて本を借りました。さしずめ「ジャケ借り」でしょうか(本の表紙をジャケットと称して良いものかという疑問はありますが)。カポーティ作「ティファニーで朝食を」。今や本としてよりも、オードリー・へプバーンの映画としての方が有名な感がありますが、ともあれ名作としてよく知られているものです。
 私がこれに惹かれた最大の理由は、この表紙の色。写真ではよくわからないかもしれませんが、多分大多数の女性がご存知ではないかと思われる、ティファニーのパッケージの色であるブルーなんです。ただこの表紙の色は、私の記憶よりちょっとグリーンがかっているような気がするのですが、残念ながらティファニーと縁の無い私は、この表紙がどれくらいティファニーブルーに近いか判断できません。わかるのは、「きっとこの印刷会社は色出しに苦労しただろうな。。」ということくらい。「ちょっと黄っぽくない?」「うーん、これじゃ行き過ぎですよ。。前の方が良かったなぁ」なんて編集者に言われたりしたのではないでしょうか。あくまで想像ですが。
 外装を見て手に取った本ですが、今や古典となった小説で、訳者は村上春樹氏です。まず間違いないでしょう。ゆっくり読んで行くことにします。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

祭りのあと

2011年07月25日 23時42分51秒 | 山形交響楽団
 山響の3日間に渡る定期公演が、昨日終了致しました。
 最終日にあたる昨日、ハイドンの交響曲「軍隊」2楽章で、ちょっとした(?)演出が。1楽章終了後、打楽器隊の皆様が、頭や背中におもちゃのネジ(銀紙でくるんだダンボール製)のようなものをつけて登場。動きまで見事におもちゃに似せる徹底ぶりです。会場からも当然笑いが湧き起こりましたが、1stヴァイオリンからは常にその姿が目に入り、こちらは演奏中笑いを堪えるのに一苦労でした。
 この演出は公演2日目終了後に決まったものですので、最終日の公演にいらっしゃった方のみ見ることが出来たという、大変貴重なものと言えるでしょう。
 暗くてわかりにくいかと思いますが、写真は終演後、舞台裏にポツンと置かれていた3つの巨大なネジです。大変でしたが、大いに楽しんだ日々の名残のように見えました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

3.11後

2011年07月23日 23時22分47秒 | 山形交響楽団
 昨日は庄内定期で、3月11日の地震後初めて、鶴岡市文化会館を訪れました。
 あの日、ここでゲネプロを行っている最中に地震が起きたのです。舞台に上がったとき、この天井が波のように揺れ動いていたのだと、改めて当時の恐怖がよみがえるようでした。
 きっと昨日ご来場して下さったお客様の中には、3月11日の演奏会を聞く予定だった方もいらっしゃったのではないかと思います。地震直後は多くの演奏会が中止になりました。今ここで演奏ができるというのは決して当たり前なことではないのだと強く胸に刻み、一回一回の演奏会に臨まなければ。お客様の変わらぬ温かい拍手を聞きながら、そう思いを新たにしました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

山響214回定期リハ

2011年07月21日 23時44分42秒 | 山形交響楽団
 214回定期公演です。今回は指揮とチェロ協奏曲ソリストに、鈴木秀美氏をお迎えしています。
 実は私、山響の初定期デビューが、昨年の氏によるハイドン&C.Ph.E.バッハの公演だったのです。あの時の昂揚感は今でも忘れられません。
 今年も昨年に続き、ハイドンの曲が入っています。さすがはハイドン、やはり随所にクスリと笑える仕掛けが織り込まれています。彼の曲を聞いていると、「きっとこの人は良い人だったんだろうな!」と素直に感じられます。明るくて、ユーモアがあって、サービス精神が旺盛で。聞いた人は、きっと愉快な気分になるはずです。
 そして秀美氏も、音楽家として、そしてエンターテナーとして、今回も一流の腕を発揮されています。リハは終始良い気が流れていて、皆上機嫌です。是非多くの方に、この空間を共有して頂けたらと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

掟 ヴァージョンアップ

2011年07月20日 23時21分34秒 | 山形弦楽四重奏団
山形Q定期が終わり、一息つく間もなく山響定期が始まりました。
 リハ初日の昨日、山形Qのらびお氏から衝撃発言が!!
 「これからはブログの更新は週4日でよろしくね!最終的には週5にもっていくから。」
 「。。。。。。」
新入りの私は常々ストイックなカルテットだと思っていましたが、ここに極まれり、の感があります。他人事なら笑い話で済むのですが。しかし、今回から私以外のお二方は一足先に週5にするとの事。演奏会担当者は毎日更新ですから、私が一番ユルいわけです。これじゃグチれないじゃないですか。。。。(いえ、こうしてグチってますけどね。しかもworld wideに!)
 まあしかし、次次回は私が担当者でブログを毎日更新することになるわけですから、ここで体を(指を?)慣らしておくのは良いかもしれません。なんだか、昔どこかで聞いた「忍者は跳躍力を鍛えるために、成長の早い植物(確か麻だったような?)を毎日飛び越える訓練をした」という話を思い出してしまいました。
 というわけで、今週からブログは週4更新になります。あまりに出来の悪い文章の時は「今日は疲れているんだな」と思ってやって下さいませ。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

山形Q初定期終了&なでしこジャパン優勝

2011年07月18日 23時39分17秒 | 山形弦楽四重奏団
山形Q初定期、無事にといって良いのかわかりませんが(個人的に色々やらかしてますので。。)、とにかく終了致しました。暑い中ご来場下さったお客様、そして不慣れなセカンドVnをあたたかく見守って下さったメンバーの皆様には、心より感謝申し上げます。反省点は色々あるものの、初定期を楽しんで弾けたということで満足しています。次回の目標は、「全てが終わるまで集中力を切らさない」にしようと思います。

 さて、山形Qの演奏会が終わっての早朝に、サッカー女子ワールドカップの決勝がありました。私は「もう疲れたから明日ニュースで見れば良いや。。。」と最初は思ったのですが、やっぱり気になって起きてしまいました(もっとも試合終了後にまた寝ましたけど)。見て良かった!!ただ、やはり疲れた体に三時台に起きるのは至難の技で、テレビをつけたのは後半の途中、試合が大きく動き始めた頃からでした。どちらも一歩も退かない、緊迫感のある名勝負だったと思います。最初はねぼけ眼で、布団の上で寝転がりながら見ていましたが、試合終了の頃にはテレビの前で正座してました。
 試合中、皆がとても良い顔をしていたのが印象的でした。特にPK戦の際のなでしこジャパンの面々。私の友人もブログで書いていましたが、PKに臨む前の選手の表情を見て、「これはいける」と感じさせるものがありました。コンサートに行ったりした時でも、弾き始める前の奏者の顔を見て「良い演奏になるな」と感じることがありますが、やはり顔というのは、その時の心持ちを如実に表すものですね。

 明日から山響定期のリハが始まります。良い顔で本番に臨めるよう、しっかり準備をしていきたいと思います。
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

海の日記念コンサート

2011年07月16日 19時08分19秒 | 山形交響楽団
 先ほど山響の「海の日記念チャリティーコンサート」が終了しました。
 神津善行先生の指揮によるもので、例年行われるプログラムだったりするのですが、そのためかリハーサルがびっくりするほど短いのです。昨年入団当初は本当に仰天し、青くなったものです。今年はまあ、その心づもりは出来ていたのですが、「やっぱりそれで終わりですか?終わりですね?そうなんですね?」と、心の中で何度も突っ込みをいれてしまいました。こうして経験値が上がっていくのでしょうか。

 猛暑のスクールコンサート、そしてチャリティーコンサートが終わり、「今週も良く働いたわー、週末はのんびり。。」といきたいところですが、明日は山形弦楽四重奏団の初定期、来週は山響の定期が控えています。なんだか毎週「今週がヤマだ!」と思って動いているような気がしてなりませんが、好きなことで忙しいのは幸せなことです。暑さに負けず頑張って参りたいと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

メガネを買いに

2011年07月13日 23時38分17秒 | 買い物

 メガネを買いに行ってきました。
 別に今使っているのが壊れたとか合わなくなったとかいうわけではないのですが、現在自分に合ったものが一つしかないのは心細いというのと、単純に気分転換です。
 向かったのは駅ビルのメガネショップ。近かったからですが、ラッキーなことにセールの真っ最中でした。メガネはなんとなくセール除外品なイメージがありますが、そうでもないのですね。最早ファッション小物の一部なのでしょうか。
 売り場面積自体はそれほど広いという訳ではありませんが、明るくて、店員さんもフレンドリーだけど押し付けがましくなく、なかなか好印象です。
 まずはフレーム選びから。これは気になったものからどんどんトライするに限りますが、多分いくつか試した時点で、なんとなく似合いそうな形や色がわかってきます。でも選択肢が多いとだんだん感覚が麻痺してきますし、「好き」と「似合う」の境目がはっきりしなくなってきますから、客観的な意見を言ってくれる連れがいるのがベストです。私も快く一緒に来てくれた友人のアドバイスをもらいながら絞っていきました。
 次はもちろん視力検査です。今のメガネで不都合がなければ、検査をしなくても同じレンズで作れるということですが、せっかくなので計ってもらうことに。現状品を基準に調べていくので早い早い。結局度は進んでおらず、同じものを用意してもらいました。
 お会計を済ませ、ほんの15~20分待っただけで出来上がってきました。店に来てからトータルで45分程度です。このスピーディーさに加え、なんとお値段も五千円程度。普通に服と同じ感覚で買えてしまいます。私はどうも古いタイプの人間で、メガネはどちらかというと医療器具的なもので、きっちり時間をとって吟味するもの、みたいに思っていたので、この手軽さはちょっとしたカルチャーショックでした。時代は進んでいますね。。。気持ちだけでも取り残されないようにしたいと思います。
 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ミントティ

2011年07月11日 22時54分34秒 | 
 猛暑が続きます。
 頭はボーッとするし汗でベタベタするし。。。というぐったりな気分がひととき忘れられるので、最近生のミントを使ったミントティがマイブームです。ミントは鎮静作用(イライラの解消)の他、消化促進や、鎮痛作用、抗菌、防臭効果の他、二日酔いや不眠にも効くのだとか。いかにも夏にふさわしいハーブです。まあ中には「歯磨き粉の味」といって嫌がる方もいるようですが、一度試してみてはいかがでしょうか?
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

落語家はなぜ噺を忘れないのか

2011年07月09日 23時46分35秒 | 
 生で落語をみたことは一度もありませんが、いつか見てみたいと思っているものの一つです。
 
「落語家はなぜ噺を忘れないのか」(角川SSC新書)というタイトルと、人気若手落語家である柳家花緑さんが書いたという二点に惹かれて手に取りました。
 いわゆる楽屋話とも言えるかもしれません。しかし読んで驚きました。知らない世界だから余計に強く感じるのでしょうが、「ここまで書いてしまって良いのか??」と何度思ったことでしょう。
 「落語家はなぜ噺を忘れないのか」とあると、いわゆる方法論が展開されているのかと想像してしまいますが、そうではありません。もちろんそういうことも書かれていますが、内容はむしろ、師匠をはじめ、先人達が築き上げてきた落語をいかに自分のものにし、後の代に伝えていくか。その、これまでの葛藤が中心となっていると言えるでしょう。
 著者は、人間国宝五代目柳家小さんの孫であり最後の弟子でしたので、第一線の落語家たちと交流を持つことが難しくない環境でした。本の中には、そういった方々から受けて来た教えも披露しています。もちろんこれはほんの一部に過ぎないでしょうが、こういった貴重な話を書いてしまうのは、落語の裾野を広げたいという意気込みと同時に、何か芸に対する自信のようなものも感じられます。
 一番印象に残ったのは、小三治師匠から諌められた話です。真打になり、ウケたいという気持ちが前面に出てしまった花緑さん。登場人物を面白おかしいキャラクターに仕立てたり、ふんだんにギャグをいれて笑いをとっていたら、せっかくウケた高座の後に、小三治師匠から「お前はウケさせようと思って演ってるのか?だったら別に落語じゃなくてもいいじゃねえか。聞いててもまったく景色が見えてこねェ」と言われます。「お客さんが喜んでいるのだから良いではないか」と、その時は納得できなかったのですが、後で「もともと噺は面白く作られているのだから、登場人物をちゃんと演じて、そのやりとりでウケさせるのが本来の落語だ」ということを言われたのだと気づくのです。そして花緑さんの後に演った小三治師匠は、まさにそういう落語を目の前で見せてくれたということです。良い話です。ジャンルはどんなものでも、至芸というのは演じ手個人の存在を忘れさせるものなのだと、改めて感じ入りました。

 生の落語。いつか絶対見ようと思います。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

''食''の映画術

2011年07月06日 21時57分00秒 | 
 昨日図書館で、映画ライター渡辺祥子さんによる「''食''の映画術」(SCREEN新書)という本を借りました。邦画、洋画を問わず、ここ数年の間に公開された映画の中で目にとまった食べ物や飲み物について書かれたエッセイ集です。
 ざっと目次を眺めたところ、見た映画はあまり入っていませんでしたが、それでも借りた理由はただ一つ。山響が出演している「おくりびと」について書かれていたからです。
 NKエージェント(納棺を執り行う会社)の社長に扮する山崎務が主人公にすすめるふぐの白子。あるいはクリスマスに会社で食べるフライドチキン。どちらも「美味い、困ったことに」とつぶやく社長が妙におかしい名(迷?)シーンです。渡辺さんによると、脚本の小山薫堂は、かつて大ブレイクしたテレビ番組「料理の鉄人」を手がけていたとか。料理の見せ方が巧みなのも納得がいきます。
 ところで、私がこれまで見た映画で印象的だった食はなんだろうと考えると、ちょっとすぐには思い浮かばないのです。一つだけパッと出るのは、これはアニメーションになりますが、「千と千尋の神隠し」で出て来た白米の握り飯(なんとなくおにぎりより握り飯と書きたくなる素朴さ、力強さがありました)。両親を豚に変えられ、わけのわからない状況に陥って絶望する千尋に、謎の少年ハクが手渡す握り飯です。最初はいらないと拒絶する千尋ですが、再度すすめられて泣きながら食べるシーン。生きることと食の切り離せない関係が感じられます。
 一方、子供のころ繰り返し読んだ児童文学にでてきた食は、これはもう、次々と思い浮かびます。大好きな「大きな森の小さな家」のシリーズでは、豚を燻してつくるベーコンに始まり様々な料理が登場しますし、ミヒャエル・エンデの「モモ」で、主人公がふるまわれた「食べるほどに元気がでる」パンやホットチョコレートも素晴らしく美味しそうでした。他にもメアリーポピンズやナルニア国物語のシリーズなど(なんだかファンタジーが多いですね)きりがありません。「'食''の児童文学術」という本が書けそうなくらいです。
 児童文学の食がこんなに印象に残っているのは、作者がかなり心がけて書いているというのもあると思いますが、まだ柔らかいアタマを使って存分に想像力を働かせているというのも大きな要因でしょう。全て見せてしまう映画で印象深い食を演出するには、よほどその食に意味を持たせるか、かなりの工夫が必要なように思います。


 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

図書館

2011年07月05日 23時00分12秒 | 雑記
 図書館へ行って来ました。先々週は東京、先週は新潟でしたのでとても久し振りに感じます。
 図書館は良いですね!落ち着きますし、目の前のどの本も選び放題。本好きにはたまらない空間です。最初に図書館を作った人は偉いと思います。
 雰囲気はどこもそれほど大きな差はないように思いますが、強いていえば、千葉の実家近くのものはもう少し子供が多くてくだけた感じで(決してうるさいわけではありません)、現在愛用している山形の図書館は、県立だからか「学びの場」という印象を強く受けます。
 それぞれに良さがあり満喫していますが、「千葉にあったコレが山形にもあれば良いのに。。。」と思うものが一つ。それは「本日返却された本のワゴン」。実家近くの図書館では、受付で返却された本は一旦ワゴンに置かれ、一時的に受付の隣にそれが並びます。溜まるとスタッフが本棚の所定の位置に戻すという仕組みです。
 このワゴンには、当然ながら様々なジャンルの本が並びますし、その時社会的に関心を集めているものがあったりします。要するに、普段自分が足を運ばない本棚のものもあるわけです。こういう中に、意外と面白そうなものがあったりするんですよね。パソコンで検索して探すほど深く興味を持っているわけではないけど、「そういえばちょっと気になっていたんだ」というものに出会えるというか。「この人、最近有名な賞とったよなぁ」「この本、誰か新聞で紹介してたような。。」みたいに。通称「もしドラ」で一躍世間に知れ渡ったドラッカーの本だって、わざわざ経済本のコーナーに行こうとは思わなくても、すぐそこのワゴンにあったら読む気になるってことだってあるわけです。
 ジャンル分けという分類は「必要なものを探す」ためになくてはならないものですが、こういう偶然の出会いを呼ぶ「小さなカオス」もなかなか良いと思いませんか?





コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする